やっと見つけた。綺麗目で露出計合ってる。このCLとSummilux 35mm f1.4の組み合わせをやりたかった
通算3台目のLeitz minolta CLである。あはは。
1台目は飽きて売った。2台目は修理屋さんに壊されて(もめにもめた)知人にあげた。
もういいや!と思っていたが、やっぱりあのコンパクトさと露出計入りにはかなわないと思い続けていたのも事実だ。
デジタルであれ、フィルムであれ、"安いレンジファインダー、Mマウントカメラ"というニーズはあるよな。
いや、しかし、こんなフィルムが値上がりしているのに、こんなに高いカメラ買ってどうすんだって。
フィルムで撮るに決まってるじゃないか。他にどんな使い方があるんだ?
目次
スペック
重さ
374g(実測)
フォーマット
24x36mm
マウント
Mマウント
シャッター
布幕フォーカルプレーン(縦走り)
シャッター速度
B,1/2~1/1000(1秒なし)
ファインダー倍率
0.6倍
レンズ枠
40/50/90mm
露出計
TTL
電池
水銀電池1.3V
発売年
1973年
https://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/ls/clj0.pdf
説明書はKenko Tokinaにpdfが残っていた。ナイス!プリントアウトしようか、説明書も買おうか。
海外向けの"Leica CL"というモデルもある。刻印違いなだけ。台数としてはminoltaの方が少ないらしいがLeica CLの方がネームバリュー的に人気とか。
あと1975年の"50周年記念モデル"もある。
Leitz minolta CLの生い立ち
日本国内向けのLeitz minolta CL。まぁ、悲惨な生い立ちかなと。
ライカは1950年代にM型レンジファインダーで世の中を席巻し、あぐらをかいていたら、日本から一眼レフが出てきて、あっと今に駆逐され、1960年代末期から1970年ごろに経営が苦しくなる。
M4の119万代(1967年)と120万台(1968年)の内部が違うというのがここにあるのか?
1971年に起死回生のM5を出すも売れない。露出計も入ったのに。
これはまずいと思ったのか、M4-PやM4-2などM4に"戻し"たり、高級コンパクトのRollei35が売れているのをみて"ライカコンパクト"の略でLeica CLの発想に至る。
ライカとミノルタは1972年7月に提携を発表。
1973年11月にCLを発売。
それでも経営は良くならず、1973年(1974年)、スイスのウィルド社に買収される。
1975年の50周年記念モデルを最後にドイツでのライカ製品の製造を終える。
以後はポルトガル工場へ。他の工場もあるらしいが不明。
ちなみにM6のほとんどはポルトガル製。またM9はポルトガルのようだ。(Youtube にある)
VIDEO www.youtube.com
この時にさまざまなものが競売にかけられたらしく、出どころ不明のトッププレートなどの部品、工場で使っていた治具、出るはずのない試作品なども出回っている。
こうして生まれた、Leitz minoltaのダブルネーム。
Leitzもminoltaも古いフォントが泣かせる。Leica CLはここがLeitz WETZLAR。
設計はライカ。製造はミノルタ。なぜミノルタを選んだのか知りたい。
この辺りからミノルタのレンズは劇的に変わった気がするんだけれど、提携とかで技術革新みたいなのがあったのかどうか。
このライカとミノルタの蜜月は一眼レフにも続く。Leicaflex SLまではライツだが、R3(1976年)からミノルタと技術提携がされる。R3はミノルタのXEがベースとなる。R4(1980年)はXDがベースとなる。
レンズもElmarit-R 24mm f2.8なんかもミノルタ製とかなんとか。詳しいことは知らんが。
2000年ごろからは松下、現在のパナソニックと提携。山形でレンズを製造してた。
今はどこが作っているのかはトップシークレットだろうなぁと。
CL用のレンズ
レンズは専用のrokkor QF 40mm f2とrokkor 90mm f4。
Leica CLがSummicron-C 40mm f2とElmar-C90mm f4。互換性はもちろんある。
40mmの中身は一緒で銘柄が違うのとフィルターが40.5mmとシリーズフィルターの違い。
えっと、40mmはミノルタ製造で90mmはライツ製造。わかりづらい。
フードはゴムフード。よくライカがOKしたなと思うが・・・。どっちが言い出しっぺなんだろ。金属の切り欠きとか入れそうだけれど。
あとはレンズのカムが専用らしく傾斜カムになっている。コストダウンのためにシングルヘリコイドにした。
ただ、傾斜カムは現行のライカレンズは全てそうなっていたと思うので・・・専用かどうかはみんな買って試してくれ。
これで。
CLEの40mmは傾斜カムじゃない。区別つけないで売っている場合もあるので要注意。
えっと、40mmといえば、最近のコシナのNOKTON 40mm f1.4だけれど、フードをつけると距離計に被ってしまうらしいのでフードがつけられないらしい。
ちょっと私もつけてみたいと思っていたが、どうかなと。
それならSummilux 35mm f1.4付けた方がいいかな。あとはSummicron 35mmの6枚玉とか。
露出計が壊れているのかと思った
露出計の腕木。Cdsがある。巻き上げチャージすると出てくる。ここで測光する。
お店では合っているとのことだったが、帰ってすぐに露出計を再度確認した。
18%グレイカードやデジカメと比較した結果、1段オーバー・・・。
一家に一枚。
つまり、デジカメなどではf2.8の1/30と出すところでf2.8で1/60を出してしまう。
結果的にアンダーな写真になってしまうということ。
あらら。どうしよう、返品しようか、1段ずらして使おうか。持病みたいなものだしな・・・。
数秒考えた。
あ、電池?
確認してみた。やっぱり。
VARTAの"1.5V"のV625Uが入っていた。これだ。
自宅にあった、関東カメラの1.5VのSR43電池を"1.35V"に変換するアダプターを利用してみると・・・直った〜。
やっぱりなー、電池は重要だよ。安田さんもM5に最近の1.5Vの電池を使うと断線してしまうことがあるから使うなって。
※ 最近バッテリーに関するトラブルが多くなっています。PX625は1.35Vですが1.5Vも出ています(V625)。
M5、MRメーターなどは1.35Vです、1.5Vを使用しますと、メーターのコイルが断線してしまうことが有ります。ご注意下さい。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~M-yasuda/newpage12.htm
あとバッテリーは外しておけと。
また、バッテリーも必ず外しておいて下さい。バッテリーに関しては、M6、MRメーター、R型、フレックス等にも言えます。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~M-yasuda/newpage3.htm
M5の縦吊り、横吊り問題についても言及があるぞ。
M5のストラップは、縦吊りか、横吊りか、どちらが良いか?通常、撮影している場合は、横吊りでも構いません、しかし、上下動が激しい時、例えば山登り、階段等を下る時、気を付けて下さい。
コイルを巻いたメーター本体の中心にシャフトがあり、そのシャフトの上下先端に、適度な力で支えている軸受けがあります。
横吊りの時、強い上下振動により軸受けよりシャフトが外れ、メーター作動不良になります。
ひどい時は、それだけでなく、コイル変形により断線することがあります。 メーターは高価なので注意して下さい。メーター保護の為に、出来るなら 《縦吊り》 でご使用下さい
http://www2u.biglobe.ne.jp/~M-yasuda/newpage3.htm
あとシャッターストロークもM5などは露出計が入っているので深いと。それでSLレリーズボタンとかが作られたと。
ストロークの調整は規格で決まっているので少ししか浅くできないと。
MPとかも深いよね。ライカショップでも言われた。露出計が入っているのでと。
電池の問題
さて、このカメラの電池は例に漏れず、今は無き1.33VのMR9 H-D水銀電池。
代替品はいくつかある。
1.33VのWein cell MRB ボタン電池、MRB-625電池が使えるようだ。
1個、1000円ぐらいかな。
またはSR43電池と関東カメラから出ている、MR-9(H-D) 電圧変換型アダプターを利用するかだ。
約3000円とお高いが、結構使い回しが効くと思うのでこれもありかなと。
あと、SR43ならコンビニでも手に入る。個人的にはこれかなと。
注意しないといけないのはやはり先ほどに似た電池でVARTAのV625Uだな。電圧1.5Vなので断線の恐れもあるし、何よりも露出が1段ほどずれる。
kintarou.skr.jp
こちらの方が検証しているので大変参考になった。
バッテリーチェック
ASA100にして、シャッタースピードを1/60にするとファインダー右上部に切り欠きができる。このバッテリーチェックボタンを押して、メーターが指針の真ん中にくればOK。
操作系
白い位置がシャッタースピード。1/500ということ。
シャッタースピードダイヤルは前部にある。人差し指で回せる。
回すとファインダーの中の赤指標が動くのでその時のシャッタースピードがわかると言う仕組み。
感度設定もここでやる。シルバーのダイヤルを押し回して設定。ISOじゃなくてASAとDIN。
軍艦部。使いやすい配置だと思う。
巻き上げた状態でレバーを起こすと露出計のスイッチが入る。
底部。右からフィルムメモ、巻き戻しロック解除ボタン。底蓋ロック。巻き戻しクランク。
巻き戻しクランクはRollei35と同じ位置かな。同じ世代なのでかなり意識されているのではと。
Mマウントだけれど、M型ライカとも言い切れないような感じ。
フィルムメモとロック解除ボタン。
底蓋を開ける時はこれを起こしてひねると開けられる。
巻戻しクランク。これを引き起こして巻き戻す。M5もこれだっけな。
底蓋を開けた状態。右下に電池を入れるので、もし撮影中に電池が切れたらフィルムを撮り切るまで開けられないと言う仕様。
設計はライカとのことだが辛すぎる。
MADE IN JAPANここにあり!
シャッターは布巻き縦走り。
ここの圧板の仕様もRollei35とそっくり。
フィルム装填は先に右側のフィルム差し込み口に入れてからパトローネを入れるという順番を守らないと負荷がかかって、白いプラスチック製の差し込み口が折れたり、割れたりするので注意と。
割れたら終わり。直せない。結構怖いカメラだ。先手を打って何か固定したくなるな。M5もこの辺が壊れやすいって聞いたな。
CLの修理は基本的に不可能で関東カメラで受付しているらしいがここまで直せるかどうか。ジャンクを持っていないと直せないだろうと思う。ジャンクはここが割れているかもしれないな・・・。
ストラップは縦吊り
ストラップは縦吊り。専用のもあるが持っていないので、私はアルティザンアーテストのを使おうかと。
これか
これ
本来はここで二つに分けて通すと底蓋を外した時にプラーンとなってしまって危ないので、この2個の穴を1本で通す仕様の専用のストラップが一番いいのだけれど・・・。
何か10mmぐらいの細めで平らな紐でも買おうかしらとか。
geofoto.web.fc2.com
こちらで紹介されているような感じの。
Mマウントなので基本Mマウントならつくが、露出計の腕木が邪魔をするのでSuper Angulon 21mm、Elmarit 28mm 1stは付けられない。この辺はM5と同じ。
あとは沈胴レンズは沈胴させないが基本。沈胴Summicronは大丈夫だというのも目にしたが・・・。怖かったらやらない。これ基本。
40mm、50mm、90mm枠があるが、いくらなんでも90mmはきついんじゃないかと思う。
でもElmar 90mm f4のトリプレットとかつけてみたい・・・。
50mmでもf2とかf1.4はどうなんだろうと。
35mmをつけても枠は出ないが、40mm枠の外、目一杯が35mmと"説明書"に書いてあった。
CLのファインダー枠に一致
P.28 https://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/ls/clj0.pdf
あれ!?Summilux 35mm f1.4のところに
L#2166701以降のもの(M5、M4、M2用)フードをつけると測距不可能
って書いてあるぞ!?1stはダメなの?なんで?
あ、L#2166701以降のもの"は"フードつけると蹴られるぞという意味か。わかりづらい。
じゃあ、1stはフードつけてもいけるということか。いいじゃん。1st。
Summaron 35mm f2.8は最短が70cmのレンズだけれど、CLが80cmまでなのでそこまでしかダメみたいだ。
外付けファインダーつけた方がカッコ良さそうなのでつけていこう。
以前持っていた時は、新しいElmar 50mm f2.8をつけたりしていたがコンパクトでよかった。
今回は手持ちのSummaron 3.5cm f3.5かSummilux 35mm f1.4、Fujinon 3.5cm f2をつけて使っていこうかと思っている。
基線長が短いので、ちょっと広角系の方がいいのではと思う。28mmの軽くて小さいの、例えばNikkor 28mm f3.5とかcanonの28mm f2.8とか手に入れたら使いたいかな。
基本、撮影メインの時じゃない、旅行とかに持っていこうかなと。小さくて軽いのがいい。
あと、やっぱりと言ってはあれだけれど、ボディはギシギシ言ってる。なんか剛性感がない。安っぽさは否めない。でも露出計入り。M型ライカほど高騰していない。壊れやすいイメージとか、直し辛いからか?
まぁ、軽い気持ちでパッと撮っていこうじゃないの!そういうカメラでしょ〜!
参考図書。
aremo-koremo.hatenablog.com
このレンズ好きだわ〜。