久しぶりに新品レンズを買った。HELIAR classic 50mm f1.5 S.C VM。
2021年の9月に出ると知っていたが、ちょっと見送ろうかなとも思っていた。しかし、大好きな写真家セイケトミオさんがカタログ写真を撮っている(作例リンク)と知り、それを拝見した時に心は決まっていたのかもしれない。
コシナといえば今まで使ったレンズは結構ある。最初がツァイスのBiogon 28mm f2.8 ZMで新品を買った。すごくよかった。でも満足できずElmarit 28mm f2.8の4thにした。
そして当時話題になった、Nokton 40mm f1.4は借りてみたもののよくわからないまま。
またZMレンズでC Sonnar 50mm f1,5も買った。これは結構使っていたんだけれど、どうも開放でピントがおかしいなと思って問い合わせたら、開放前ピン2~3cmが規格内とのお返事を得て、どうしようもなく気になって手放してしまった。
これはコシナの"意図"として、前ピン2~3cmにしてあるそうだ。そしてf2.8になった時にジャストになるという。私には何か難しいことのようで無理になった。
Nokton classic 35mm f1.4 S.Cも買った。中古で3~4万円くらいで買っては売り、買っては売りで2回。
NEXとかα7のEマウントにつけて、同じくコシナのクローズ・フォーカス・アダプターをつけて寄って撮ったり、ゴーストフレアを出して遊んでいた。
むろん、フィルムでも撮ったが不満はなくて、唯一あげるのなら「ライカ」レンズじゃないってことぐらい。ブランドだけって感じ。
多分、同じスペックのSummilux 35mmと比較してもわからないかなと思うけれど、どうだろう。
コシナからはその後も色々と出てきたが写りが特に気にならなかったり、あとデザインがどうしても納得できない感じになってきたので目を背けていたのが事実。
しかし、ここに来て、ついにHeliarでf1.5という何だか無茶をしているらしいというものが出てきて、さらに清家さんと飯田鉄さんの作例を見たら一発で欲しくなってしまった。
1stロットは即売り切れで、今回やっと手にすることができた。
すべての写真好きは必見だ。ツァイスイコンについている、HELIARは涙もの。
目次
スペック
重さ |
256g(実測) |
フィルター径 |
49mm |
焦点距離 |
50mm |
開放値 |
f.15~f16 |
最短撮影距離 |
50cm |
距離計連動範囲 |
70cm~∞ |
マウント |
VMマウント |
フード |
49mmねじ込み |
レンズ構成 |
3群6枚 |
絞り羽 |
10枚 |
発売 |
2020年9月10日 |
真鍮を部分的に使っているがメインはアルミのようで軽い。
最初に持った感じは小さいなということ。50mm f1.5というと私はXenon 5cm f1.5を持っているが、これは275gで結構重く感じる。アルミ製と真鍮製の違いかと。
レンズ構成は3群6枚。元々オリジナルのHELIARは3群5枚。変形トリプレットともいうのかな。
オリジナルの設計は1900年にハンス・ハルティングによる。
同梱品
箱は思ったより小さめかな。
新品を買わなさすぎてわからないと言う。何年振りの新品レンズか・・・。C Sonnar 50mm f1.5(2012年)以来かもしれない。10年ぶりかよ。
前後キャップ、フード。前キャップは結構凝った作りでフードに被せることができる。
コーティング
S.Cという、シングルコーティング、単層コーティングだけれど、きれいね、真っ赤なコーティング。
後ろ玉にも同様のコーティング。
外観
ほぼアルミで一部真鍮。
残念ながら、外観はすごく好みかと言うとすごい好みでもなく。実はコシナのレンズのデザインはあまり好きではない。まぁまぁというか、C Sonnarと同じ感覚で、あれも清家さんが使っていたからと言う理由で買った。
こんもりした、前玉の丸みは好き。ガラス玉っぽい。
シリアルかな?0716が先頭なら839本目と言ったところ?そんなに少ないのか?
でも、6万本と言うのも非現実的だな。
マイナスネジだ!
COSINAの刻印。
Lens made in Japan。
絞り羽根
10枚の絞り羽。
フィルター径は49mm
49mmのフィルター径。私は汎用品を使っている。
安くて十分。ケンコーとか何も書いてないのがいい。
最短は50cm
最短はカタログ値では50cmなんだけれど、これはミラーレスなど使用を前提。
M4〜のボディは70cmまで連動。M3は1mまで。
ヘリコイドはNikkor 5cm f1.4のように1mあたりで引っ掛かりがある構造ではなく、一気に70cmを通り過ぎるがライカボディにつけているとスカッとピントが抜けるので連動していないことがわかる。
私はM3でSummicron 35mm f2の最短70cmを試したけれど、きちんと二重像は一致していたが、上がりはピンボケだった。M3は測距が1mまでしかできないからかと。
なので、いきすぎても連動カムから外れるようなので気付く。
ちなみにM7につけてシャッターをバルブで裏から見てみたら70cmあたりでコロからレンズのカムが離れるのがわかった。
1mまでしかピントが合わなくなるからこのレンズはM3では使わないと思う。
M7につけてみた
最短測距が70cmのボディはM2とM7を持っているが、やっぱりここは新しめのM7だろうとつけてみた。
まぁまぁいいではないの。ペイントのレンズとブラッククロームのボディの違いはあるけれど、やっぱり現代のレンズなので新しめのボディの方がいいかなと。
M6とかとも似合うと思う。
フードなしで
トリプレット型だからか鏡胴が短めに感じる。
フードをつけた状態。私はこっちの方が好みで、寸胴な感じがなくなっていいと思った。
ちょっと精悍な感じでいいんじゃないかしら。
ミラーレスで試写
開放最短(50cm)付近
開放
開放
開放
開放
f2
f2.8
f4
確かにf4なら普通。f2ぐらいまでフレアっぽい。
しかし、私の尺度だと思ったより普通だ!(これはかなり収差が出ているのだろうけれど)
わかりやすいやつ。思ったより暴れなかった。
癖あるかな?
最短あたり。普通に綺麗ね。
なんか引きの方が暴れてる?
無限で。結構暴れてるかな。
自然光で。
最短。
寄るとなんかもっと暴れるのかなと思っていたけれど意外に素直に受け止めた。引きはなんか今のレンズじゃないみたいだ。
これがフィルムならどうなのか。
楽しみだ。
今回はデジタルで試したけれど、ほんと撮影する感材でレンズ特性が全然変わると思っているので、私のメインのモノクロフィルムで見てみたい。
その次はリバーサルフィルムでも試したい。"現代のクラシカルなレンズ"とはどんなレンズなのか。
今、妄想しているのは、このレンズで以前出ていた、コシナのクローズフォーカスアダプターなどでさらに寄ると言うこと。
このレンズで25cmぐらいまで寄れたら、すごい収差が出そうで面白そうだなと。
生産終わったのね。
レンジファインダーレンズを買ったのはこのレンズ以来か。半年ぶり。