Topcor 5cm f2 初期型を手に入れた。これはTopcor "S" 5cm f2になる前の初期型と言われている。
「陸のトーコー、海のニッコー」といい、戦時中は軍用光学で旧陸軍には東京光学、旧海軍には日本光学が納入されていた。
NIKKOR S.C 5cm f1.4を持っているので、Lマウントではこれで陸も海もどちらも揃ったことになる。
目次
スペック
重さ |
230g(実測) |
フィルター径 |
40.5mm |
焦点距離 |
50mm |
開放値 |
f2~f16 |
最短撮影距離 |
1m |
マウント |
Lマウント |
フード |
LEOATX被せフード |
レンズ構成 |
5群6枚 ガウス型 |
絞り羽根 |
10枚 |
発売 |
1954年 |
最近、50mm f2ブームである。ほんと使いやすいスペックで好き。
できれば国産レンズのマイルストーンとしてのNIKKOR H.C 5cm f2も欲しいが・・・。後でいつでも手に入るという言い訳が邪魔をしているから急ごう。
空気レンズ
さて、このレンズの特徴は「空気レンズ」を入れたこと。空気レンズとはレンズとレンズに隙間がある状態。
こちらのページに示されている通り、4枚目と5枚目に隙間がある。Summicronは前だ。
その後の"S"にはこれがなく、接合している。これがどう違いを生んでいるのか興味がある。
初期型は5群6枚で、Sは4群6枚となる。これはSも買ってみるしかないか?
Sの方は安定しているレンズのようで、すごく人気があるかというと、レアとかそういうわけでもなく、ごくごく普通によく写るレンズで本数もあるので安めに手に入るようだ。
こちらのSなしの初期型はあまり本数がなく見かけない。
ちなみにTopcor 5cm f1.5は高値安定。2023年8月現在で25万ぐらい?値下がることはないだろうなぁ。
レオタックスFの時代に出た、Sなし初期型はフォントも可愛いというか、古臭い感じ。
先のSUPER ROKKOR 5cm f2 Cと同じく、Summicron 5cm f2がお手本のようだ。
「トプコンの赤」なんて言われているらしいが、もうカラーネガ、リバーサルは無理なので、今度はα7でも試し撮りしてみたい。
Topcor 4.4cm f2が原型ではない
この初期型のTopcor 5cm f2はトプコン35Sについていた、Topcor 4.4cm f2が原型と言われているが、どうも違うらしい。
Topcor 4.4cm f2の設計は大沢秀夫氏でTopcor 5cm f2"S"も大沢氏の設計であるということから混同されているのではということだ。
では、このTopcor 5cm 2の設計は誰か?丸山修治氏とのこと。丸山氏はTopcor 5cm f1.5などを設計した方でかなり有名な方だ。
発売が1954年のレオタックスFについていたとすると、1954年となる。
フィルター、フードやキャップなどはレオタックス銘が当てはまるようだが、トプコール銘のフードやキャップもあるので、どちらもありかと。
絞りは1/3の線が入っている。作りは大変良いと思う。
コーティングはアンバー系。
後ろ玉もアンバー。
M型ボディにつけても似合うな。
コンパクトで良い。これが50mm f2の良いところ。
絞りは10枚。
TYP246につけてみた。古い国産のY1フィルターがぴったり。
コンパクトで良い。
このフィット感は時代合わせないと出ないな。
室内で一枚撮ってみた。ISO400、f2、1/60。全く強い癖などなく、これは扱いやすいレンズなのかもしれない?