M7の初陣である。M7は本当に最強なのか。
寒空の下、Hektorさんと共に笠間市へ。午後いちで楞厳寺(りょうごんじ)に到着。寒い!
レンズはISO100のリバーサルなのでf2以下のレンズでと自分のレンズを探すと、Summilux 35mm f1.4なのだが、あいにく整備中。
f2のBP Summicron 50mmも考えたが、余裕を持ってXenon 5cm f1.5を選択。f1.4クラスは他にはもうない。こういう時Summilux 50mm f1.4が欲しいわね。
35mmレンズもf3.5のSummaronしかなく、森でISO100とf3.5の"露出が足りない"という苦しみを味わったので50mmしか選択肢はなかった。
いつも新しいボディを買うと初めての撮影はなるべくリバーサルフィルムを選んでいる。上がりを見ればカメラの状態が一目瞭然だからだ。
果たしてちゃんと撮れたのだろうか。そしてM7の使い勝手は?
フィルムはベルビア。
相変わらずコッテリね。
目次
M6とは違う!
どうだ!開放で。1/125だったかもしれん。少しアンダーでも良いかなと思ったが、まあ普通に写ってよかった。
1枚目からこれで安心した。
これも開放。うふふ。いいね。
ここから結構広いハイキングコースがあるようだ。すでに駐車場には先客がいて、こちらが帰る頃にここから降りてきた。
良い感じ。これは一段絞ってもよかったか?f1.5で1/125だった。
これ"大陸絞り"でf1.5の次がf2.2なんだよね。それでいいのかな。少し開いてf2あたりにしても露出は変わらなかったな。
ここも開放か。開放バカだなー。それでもf1.5で1/60とかだと絞れないな。
f1.5持ってきて正解。
これは合っているかな。ピント。M7は最短が70cmなので万が一、1mをレンズが超えてもピントは合うはず。
ほんとレンジファインダーはボディとレンズの距離計の相性だな。
こんなに見た目通りに撮れたの初めてかも。これは少し階段の上の方で露出を測ってAEロック!
これがミソなんだよなー。AEロック。シャッターボタン半押し。
階段のテカリとかいいよねぇ。
ポジっぽく撮れた。
空に向けてもほぼ木々で覆われているので露出が引っ張られることもなくよしとした。
黄色もいい色出てる。ボケも好き。俺の写真サイコー!
最短1mから少し離れたぐらい。ルーペで見たらピントはバッチリ。
楞厳寺はほんと味わい深いところ。放置されている感じも否めないが古刹といった感じ。
この赤、すごいでしょ。ベルビアだから?Xenonだから?
旧本堂そばにあった脇道。実は足元はイノシシ除けの電気柵が貼ってあった。
ここの奥は何か建物があったがなんだろう。
一面苔で覆われている。森に囲まれたお寺で雰囲気はとても良い。1段ぐらいアンダーでもよかったかな。
開放で撮ったんだけれど、AE使っているからかSSが覚えていられない感じ。1/125あたりだった気もするが・・・。
初めて使った、M7の露出補正。2/3アンダー。
裏蓋のダイヤルでやるんだけれど、これはまぁまぁ使いやすい方かも。ただ、設定をしたままにしてしまうのと、ダイヤルを下げるのがプラスで上げるのがマイナスなのはなぜなのか。
前に来た時もこれ撮ってるな。
3回目だわ。
枯れた紫陽花の花と万両の赤い実で紅白ですよ。
これを意図して撮ればすごいのかもしれないが、全然気づかず、今気づいたわ。
ちなみに後ろの池は氷が張っていた。昼間なのに。
枯れたハスがそのまま凍っていた。枯れたハスもいいね。
開放で・・・あ、ここで少しだけ露出補正をマイナスにかけた。だって、凍った池が黒いから引っ張られて明るく撮れるから。
ここも白ゆえにアンダーになるかなと思って、少し開いたのも撮ったけれど、アンダーの方が好みだったのでアンダー。
いや、かなり寒かった。ほら、池が凍ってる。これも妙な立体感。
手前の葉っぱの滲み最高。ソフトフォーカスレンズは好きではないけれど、こういう写りが好き。がっちりカリカリもいいのかもしれないけれど、私には世界がそう見えてない。
光源を利用した構図なのでどうかなと思ったが、最初にこの上がりを見たときにやっぱりこのレンズはモノクロと相性がいいのかなと思った。
Elmarのように光を押さえつけるような写りではなく、無抵抗な感じ。
多分、開放で1/500ぐらいだったか?もっとシルエットになるかなと思ったけれど、案外オーバーだったか。
こういうの。基本よね。ぐるぐる。立体感。ボケのせいで立体感があるように出るのかも?
なんでこんなに森が好きなのか。
植物が好き、生き物が好き、木漏れ日が好き。
Hektorさんに「ちょっとこれは撮ります」といって撮った。
なんかあるんだろうな、"刷り込み"が。ユージン・スミスの「楽園への歩み」を見ているから。影響受けまくり。
このときにアクシデントがあった。上の写真を撮るときに突然、ヘクトールさんが「アレモさん!足!」と。
へ?と。
電気柵に足が当たっていたのだった。
びっくりして、おわっと、逃げたときにシャッターを切ってしまった。
しかしビリッとくるわけでもなく、痛みなどもなくなんともなかったのだが、あれはどういうふうに「感電」するんだろう。
楞厳寺山門
楞厳寺山門は国指定文化財。多分、ここから200mmぐらいで撮ったりしているのかもしれない。
f9の1/250で。雲が黙々出るように祈りながら撮った。正解だった。
いいよね、こういう風景。電柱がないとアニメとかの世界だけれど、電柱があるからリアルな感じがする。
同じ露出で。原板を見ると、ああ、ポジだなーと思う。
少し学んで、少し考えるとちゃんとと撮れるもんだなとつくづく思った。
リバーサルフィルムの撮影方法の本を読んで、ちょっと露出を考えたらこうなった。
数百円で買ったけれどすごい役に立ってる。
あ、日本カメラだったのか・・・南無・・・。
離れに笠間氏のお墓があって、そこから撮ってみた。
シルエットにするか塩梅を考えるかと露出を変えて撮ってみたら、私はこっちの方が好みだった。
f3.2と1/250とf3.2の1/750。1段半の違いはリバーサルだと顕著に出て面白い。
なんだよ、iPhone。すげぇよ。これは10万以上しても仕方ないな。
いいでしょ、リバーサルも。
M7は最強のライカなのか
最強でしょ。結果を見れば明らか。結局機械任せにしているのは測光。スポット測光なので、あっちで測ってこっちで測ってと変えて、どこで露出を取るのか決める。
まず構図を決める。露出を決定して、再度構図を決める。そんなに悩むことない、今までの知識を総動員してそろばんを弾くだけだ。
なかなか決められないのは記憶にあるけれど、引き出せないだけ。何度も反復練習あるのみ。入れては出して、挿れては出して。?出して?挿れて?入れて?
そんなに懇願されたら入れるしかないじゃないか。挿れて?入れて?どっち?
日本語は難しいね。懇願されるようになりたいもんです。
あ、話がそれた。
さらにボディがM6の亜鉛合金から真鍮になったとのことで、私にはシャッター音、巻き上げ感などは絶対にM7の方が気持ちがいいものになっっと思う。
いわゆる、スナップがメインの人には絶対にお勧めしたいし、初めのライカにもお勧めしたい。
M7がこんなにいいとは思わなかったというのが、今の心境。
2006年にライカM6を初めて買って、M3、M2、M4、M5とほぼ網羅してきたが唯一、M7だけは「いいんだけれど、シャッターが電子シャッターなので壊れたら怖い」と思い込んで避けてきた。
お店でもそう言われることが多いと思う。私もそうだった。壊れたら怖くてねと。
本当に壊れたら、電気なのでかなりの出費になるが、壊れたという人はあまり聞かない。(でもいるけれどね。)壊れたら最低10万は見た方がいいのだろうけれど、今のライカの値段からしたら10万で直るのならと考えてしまう。
避けていた頃は23万円か高いなーと思っていた頃だ。今は・・・?ねぇ?直すでしょ?
M6も30万に迫ろうかというところ。さらにM6はM7より古い。
今回のM7はドイツライカで整備済み。半年保証。値段はかなり高かったがそれ相応の満足感はある。
この後のお出かけにも積極的に持ち出している。
なんでもっと早く買って使ってこなかったんだろうかと思うばかりだ。
ヘキサーRF、CLEなどAE搭載のレンジファインダーもいいのだろうなと思う。ヘキサー買っていたら、M7買っていただろうし、CLEも同様かもしれない。
スナップカメラに露出計とAEはすごいと思う。最強だ。
黒がいいか。
白がいいか。
必読。
怖くない。リバーサルはいつの世も高いのよ。そしてもっと高くなるのよ。だったら今しかない。