先日購入した、Nikon S3ブラック、通称"S3オリンピック"とオリッピックニッコールこと、Nikkor S 50mm f1.4のデビューである。
場所は世界三大荒行のうちの一つに数えられる「寒百日大荒行」が行われる、千葉県の市川市中山にある日蓮宗の法華経寺へ行ってきた。
JR下総中山駅からまっすぐに参道が伸びているので交通の便もいいし、駐車場も無料である。
ちなみに世界三大荒行は、天台宗の千日回峰行、ヨーガ(の・・・何をするのかわからない)と、この「寒百日大荒行」。
「寒百日大荒行」は毎年11月1日から2月10日まで行われ、内容は過酷を極め、死者も出すもので、水行、読経、写経、朝夕に梅干し一つ、白粥の食事を行う。
水行の際にその寒さゆえ、肌が切れ、血が吹き出し、その傷口から感染ということもありそうだ。
このような荒行をを行うことで自ら仏に近づくということだと思う。
果たして仏とは。
私は仏なのか?それとも神なのか?
神が仏を作ったのか?仏はどこから生まれてどこにいるのか?神が世界を作ったというのなら、DNAの解読は許されるのか。
クローン人間(生物)を作ることは神の怒りに触れるのか?
クローンカメラは神に許されるのか?
私のNIKON S3オリンピックは本物なのか?偽物なのか?クローンの定義は?
私は神だ。ゆえにこのS3オリンピックは本物だと思い込むしかないのか。
目次
仁王門(三門)から
仁王門(三門)を振り返って。向こうが駅の方面でとにかく人が多く通る。時折降っていた雨に濡れた石畳がいい雰囲気。
f2.8で。なんとも安定した描写だなと思う。
向こうに見えるのは五重塔。人の流れをメインにして、思い切って先端は切った。
f2ぐらいだったと思う。これでも全然破綻していないと思う。周辺が流れているぐらい?
見ろ、この安定した描写。光加減もあるとは思うが、Nikkor S.C 5cm f1.4とは全く全然違う。
ゾナー型のNikkor S.C 5cm f1.4とガウス型のNikkor S 50mm f1.4がここまで違うとは。
これも開放。少しホワッとしているが、ゾナー型と比べるとしっかりしていると思える。
とても同じスペックのレンズとは思えない。
ゾナータイプのボケとはまた全然違うなと思う。コマ収差っていうのかな?
こっちの方がうるさい感じがするが、古典的な写りにも感じる。
プラナーに比べてゾナーの方が新しいレンズだが、こういう部分でもそう感じる。
これも開放で。ハイライトが少し滲んでいるが全く問題ないレベル。
カシワバアジサイは形が好き。
笹の葉が雨で濡れて、しっとり光っていたのであえてf2.8で。かなりしっかりしているがここまで寄ると周辺がきついかな。
f2.8で遠景を撮ってみた。f4でもよかったかなと思える。十分だ。
この回廊もお坊さんが歩いているところって、まだ見たことないな。
かなり背景がうるさいのがガウスっぽい。これがコマ収差でいいのかな?光源を入れなければもっと穏やかな感じになるかも。
今回は光源を入れると面白いかなと思い入れてみた。
結構想像通りのボケ具合になってうれしい。
レンジファインダーはファインダー内でボケが見えないのが楽しい。あれこれ想像しながら撮るのが楽しい。
一眼レフになると、開放でピントを合わせるので、ぐっと盛り上がってくるのがわかるのが楽しい。
どっちも楽しい。
回廊の下で。光加減がよかったのか、傘の左側の写りがとても好み。カチッとしている。
一段でこんなに変わるのかと。
回廊にある、太鼓は時間とかくると叩かれるのだろうか。
小学生たちの通学路にもなっているようでいっぱい歩いていたし、普段の通勤、通学経路にもなっているようで多くの人が行き来していたし、お散歩の方も多く来ていた。
結構滲んでる!なんて思ったけれど、これは急いで撮ったので多分ピントが甘い。
無限で撮ったから、50mm f1.4開放だとここまでずれるんだと思う。
オールドレンズだから滲みサイコーなんて思ったら、案外ピントが外れているってあるから注意な。
M8を買って使い始めの頃、こういうのを液晶で拡大して「ピントが外れてる!」「ボディかレンズの距離計がおかしい!」ってライカショップに持ち込んだことが結構ある。
「ボディをこのレンズに合わせると他のレンズでは合わなくなります」
これ、結構言われたことある人いるんじゃない?
ここまで分離する。ピント面は結構シャープ。このレンズはかなりしっかり写ると思う。
境内にパッと咲いていた。開放で撮ったんだけれど、ハイライトになる白い花の部分が厳しいか?
少し焼き込めば出てきそうな感じではあるが・・・。
一眼レフ用のNikkor-S Auto 50mm f1.4と同じスペックだけれど、開放の写りはこっちの方が安定している感じ。
当然かなり暗いので開放なんだけれど、どこにピント置いたのか忘れて、画像で確認しようにも滲んでわからないな。柱らへんかな。
この背後で荒行が行われる。7月に行ったので当然閉まっていた。
今度は11月から2月の間に行ってみようかと思った。
ここは荒行時の面会所にもなっていて、最初の35日は面会謝絶で、それが開けると面会ができるが、カミソリも持ち込み禁止なので髭ぼうぼうで、さらに食事も少ないので痩せこけ別人のようになって驚く人も多いとか。
この後、奥の院にも行ってみたんだけれど、時間も遅くなったので見るだけ。
今度は撮影で行ってみたいと思えたところだった。
NIKON S3ブラックはかっこいい
やっぱりブラックかっこいい。
ストラップは昔のニコンのストラップで新品デッドストックを見つけたので記念につけた。
コキが金属のものでサルカンはないタイプなので後で買った。
送料の方が高い!しかし10個もいらないし。12mmだと余裕があった。10mmだと厳しいかなと。
ニコン巻きすると多分10mmは厳しい。
リングはこれ以上削れるのが怖いのでCuraの真鍮リングにした。
以前、修理職人の方に「リングがカバンの中とかで押されることもあるので布とか皮がついている方がいい」と言われて以来、古いカメラには当て布を絶対に付ける派になった。
古いカメラを買ったらこれに変えている。
ニコンの三角のものもかっこいいけれどね。
さて、撮ってみた感じだけれど、今回はあえてAR-1をつけなかったんだけれど、やっぱりあった方がいいかなと思った。
Nikonのカメラには普段からAR-1をつけていて、どうしても入らないNIKON S以外のS2、NIKON F、NIKON F2で使っているので慣れの問題もあるかなと思う。
今回はシャッターストロークが深く感じて「なかなか切れないな」と感じた。
で、AR-1を新たに買ってつけてみた所、やっぱりこっちの方がいいかなと思った。
巻き上げレバーは持っているS2とほぼ変わらない。NIKON Fともほぼ変わらない。
ファインダーはすごくいいとかそういう感じはないが、悪いということは全くない。
105mm、50mm、35mmの枠が出ている「等倍」ファインダーなんだけれど、35mmは初めての人は気づかないかもしれない。
等倍ファインダーだと50mmの方がしっくりくると思う。
ライカのM2以降の0.75倍、0.72倍のファインダーの方が35mm枠を見やすいと思う。
等倍ファインダーだと、丸々端から端までが35mm枠なので、ぐるりと見ないといけないし、メガネの方は見えないと思う。
「プロ仕様」とかで35mm枠が無いというのも読んだけれど、まぁ、わかる感じがする。
そのまま撮るか、外付けファインダーで対応した方が早いかもしれない。
これに合わせて、黒の外付けファインダーとなるとシルバーより高いからなー。
もしくはSPにするか?ククク。
SPのファインダーってのぞいたことがないんだよね。覗きてぇ。
S3は全体的に見ても良くできていると思う。ライカで言えばM2っぽい感じ。
そんなに派手な感じはしないし、質実剛健って感じ。SPは華やかなイメージで最高級って感じ。
S2は等倍ファインダーで50mmの枠のみでなんかM3っぽい。シンプルで良い。S型の1台目にはこれを勧めたい。
ただ、35mmをメインにというのならS3を推す。これが一番楽なんじゃないかな。
ライカはM4の途中までしっかり売れて、中途半端に生き残っちゃって、潰れる前に打開策としてM5、M6に露出計が入って、M6が(ライカのレベルで)爆発的に売れて(一番売れたライカはM6)悩ましいことになった。
でも、ニコンのSシリーズはレンジファインダーに見切りをつけて、国産カメラが一気に一眼レフに行ったから、S3、S4で止まって、露出計が入らなかった分、選択もシンプル。
あと、チタン幕というのも、布幕に比べて頑丈になるのかな。
シャッター音が云々というのはそれほど気にならないかな。S2(布幕)とS3(チタン巻く)では違いがわからないかな。
並べて聴き比べるの?いいねぇ、贅沢だねぇ。今度やってみよう。
やってみた。そんなに変わらないな。材質の違いからくるもので、音質の違いという感じで完全に好みかな。
どっちが静かと言われると、S3の方が静かに感じたぐらい、私の耳は適当だから。
この頃(1959年ごろ〜)はNIKON Fと同じ頃なので布幕のFがあったり、S3にもFのパーツ(セルフタイマーレバーとか)が使われていたりとわかりづらさもあるけれど、過渡期だったんだなって。
このS3オリンピックは1965年製なのでかなりFのパーツも入っているはずだと思う。
だから、NIKON Fと似ているフィーリングなのかも?
Nikkor S 50mm f1.4の絞り値撮り比べ
もうね、手前の樹木が回っちゃってる。ちゃんと場所を選ぶべきだな。
二段絞ったらこの通り。急激にカチッとする。私としてはこっちの方が好み。
もっと絞ってもいいかも。f4~5.6ぐらいがよかったかなと。
どちらも曇天の逆光だけれど、思い切りハレーションからフレアが出てる。
その影響で手前の黒の締まりが悪くなって、コントラストが落ちてる。フードもきちんとしていたのだけれど、これぐらいかなと。
結構違うと思う。紫陽花の白っぽい額の部分と葉脈をかなり解像している。
ボケも穏やかになっている。f2が面白そうな感じ。f2.8になるとかなりカチリとする。
これがゾナー型のNikkor S.C 5cm f1.4になるとf1.4開放は目も当てられず、f2でもホワホワで個性的な写りになる。f4ぐらいまで絞らないとダメかもしれない。
Nikkor S 50mm f1.4は万能感
黒鏡胴のガウス型で新型とかオリンピックニッコールとか呼ばれてる。 こうやってみるとブラックペイントと合ってるよね。
ただ、TLでも拝見したけれど、W-Nikkor 3.5cm f2.5のシルバーとの"パンダ"もかっこよかったなー。
あとはW-Nikkor C 3.5cm f1.8が欲しい。あっ、話が逸れた。
この50mmは前の世代の5cm f1.4に比べると設計変更とかそういうレベルじゃなくて、全然別のレンズ。
コーティングが云々とかじゃない。レンズが違う。これを元に一眼レフ用の50mm f1.4を作ったのかなとか。同時進行かなとか。
それでもこっちの方が性能がいいように思う。開放の写りは確実にこっちの方がいい。
ほんと後ろ玉(マウント部分)からフィルムまでの距離が問題なのかなと。
でもf4まで、いやf2.8ぐらいまで絞れば普通に写るので万能なレンズだと思った。
ゾナー型の5cm f1.4は開放ではかなり気を使う感じ。こっちは開放でも耐えられる感じ。
もちろんゾナー型でもf4以降なら変わらないと思えるけれど。
ゾナー型だと後ろ玉の影響で一眼レフにはあんまり向いてないとか言われて、ガウス型が浸透してきたけれど、ゾナーが埋め込んであるレンズを見かけるとニヤッとしてしまう。
最近、ミラーレスが台頭してきたので、またガウス型からゾナー型に戻って行ったりすることもあるのかもしれないし、逆望遠、非対称系から対象系に戻っていくのかもしれない。
それとも折衷案のようないいとこ取りになっていくのか。
面白いよね、最初の頃のレンズは一眼レフ用じゃなくてミラーがないカメラが多かったから、それに合わせたレンズ設計が多かったけれど、その後、ミラーが入って、フランジバックの関係で色々試行錯誤して、今度はミラーレスに戻ってまたレンズ設計の自由度が上がるとか。
その時その時の最新レンズを使う喜びってあると思う。
いま手元にあるレンズが1960年代のレンズでも当時は最先端だったのだと思うと感慨深い。
さぁ、35mm f1.8を探すぞ!50mmと合わせて、この二本を持ち歩けば世の中の全てが撮れるかもしれないな!
やっぱり使いやすい。
この5cm f1.4の暴れっぷりはすごい。S2についてきた5cm f1.4と同じレンズとは思えない。
本当に個体差なのか?撮り比べなくてもわかるぐらい違うぞ。
今度コリメーターとかで見てもらうか?
S2の5cm f1.4は結構普通。