2021年7月18日 富士フイルムリンク切れ修正
モノクロフィルム自家現像しているか!
2022年版追加
さて、コロナなどなんだのであんまり写真も撮りに行けず、なおさら現像もすることなく。
最近はデジタルカメラのDfにMFのニッコールレンズで撮ったり。
先日TLで現像した時の廃液をどう処理しているかというツイートを見て、思わず食いついてしまった。
こちらを購入して読んで、すぐに行動へ移した。
さらに著者である、ミクロス@micross_さんはnoteにまでまとめてくださっている。
とても詳しくわかりやすく書かれていて、参考になるので、ぜひ読んで欲しい。
私も色々と調べて、さらに問い合わせてみた。
個人の現像で出た廃液はどうすればいいのか
まず「ゆるネガ」にある通り、住んでいる自治体に問い合わせてみた。
「個人で趣味の範囲でモノクロフィルムの自家現像を行っているが、廃液は"産業廃棄物"になるのか?」
そして、「その処理はどうしたら良いか」と。
回答は「産業廃棄物ではなく、一般廃棄物である」、「しかし、薬品の成分がわからないので、販売しているメーカーに処理の仕方を聞いて欲しい」との回答だった。
ちなみに他の自治体、「ゆるネガ」著述によれば、さいたま市は"廃液をタオルや紙に吸わせて燃えるゴミとして処理"するようにとのことだ。
メーカーに問い合わせた
しかし、私の自治体はメーカーに尋ねるようにとのことだったので、富士フイルムに問い合わせた。
・モノクロ自家現像で出た廃液は産業廃棄物か?自治体は違うと言っているが?
・また、薬品の成分がわからないので処理の仕方はメーカーに聞いて欲しいと言われたのでどうしたら良いかと尋ねた。
回答は、
・自治体によって一般廃棄物と産業廃棄物の区別が違うので会社としては、その全てを把握しているものではないので適切な処分の方法は判断しかねる。
・自治体が薬品が不明で困っているということなら、安全データシート(Safety data sheet=SDS)を添付するのでそれで説明して、自治体の指示を仰いで欲しい。
安全データシートは各メーカーがきちんとpdfなどで出している。
ここから各種薬品のデータシートにたどり着ける。
コダックはこちらから操作する
http://sds.kodakalaris.com/default.aspx
再度自治体に問い合わせしてみた
それらを(アドレスを)添付して、改めて自治体に問い合わせてみた。
結果、私の住んでいる自治体の処理の仕方は、前述のさいたま市同様「布などに染み込ませて燃えるゴミで出す」だった。
量が多い時は数回に分けて欲しいとのこと。
つまりさいたま市と同じであった。
モノクロフィルムの自家現像で出た廃液は産業廃棄物か?
これだ。皆ここで勘違いしていると思う。
自宅で趣味の範囲でモノクロフィルムを自家現像して出た廃液は産業廃棄物ではない。
産業廃棄物とは事業を行った時に出たゴミだ。
例えばDPEショップやお店で現像をして、廃液が出たら、それは産業廃棄物だ。
個人で趣味の範囲で行っている自家現像の場合、どう転んでも産業廃棄物にはならない。
しかし、どこで調べても産業廃棄物業者にお願いしろと出てくる。
モノクロ現像の本でも出てくる。
富士フイルムも産業廃棄物業者に依頼するようにと書かれている。
以下リンク切れ
日本感材銀工業組合、もしくはそこに加盟する産業廃棄物業者に連絡を取り、ご相談もしくは処理をお願いしてください。
filmandcamera.support.fujifilm.jp
そこで紹介されている、日本感材銀工業組合にも問い合わせてみた。
「趣味で個人で行っているモノクロフィルム自家現像時に出た廃液は自治体にて一般廃棄物と言われたが、産業廃棄物業者に依頼しても良いのか。可能ならば法的根拠も教えて欲しい」と。
回答は「一般廃棄物を産業廃棄物業者が回収するのは違法」だそうだ。
許可証が別になるから違法とのこと。
もし富士フイルムのHPを見て、個人で依頼して受けてくれるという"産業廃棄物業者"さんがいたら、一般廃棄物を扱う許可証も持っているのかと尋ねた方がいい。
以上ここまでリンク切れ
違法なことに手を貸すことはない。
DPEショップにお願いするのは?
あと、昔よく聞いた、知り合いのDPEショップにお願いするというやつ。
あれも今現在は危ういことになる。
DPEショップが出す、現像後の廃液はもちろん事業で行ったものなので「産業廃棄物」だ。
これに我々個人が出した「一般廃棄物」を「産業廃棄物」に混ぜて捨てるのは違法ということになるのではと思う。
つまりDPEショップが違法したことになり、産業廃棄物業者も知っていて受けたら違法行為を行っていることになる。(一般廃棄物の許可証を持っていればOKなのか?)
富士フイルムのHPは2019年2月の更新となっているが、これは業者向けとして読んだ方がいい。
個人が出す廃液は一般廃棄物なのでルートが違う。
よって、一般廃棄物(=廃液)を産業廃棄物業者に出すようにというのは間違い。
日本感材銀工業組合から「違法」とまで回答があったのは驚きだった。
個人レベルの話であれば、富士フイルムが紹介している「日本感材銀工業組合」に出すようにというのと、日本感材銀工業組合の回答は矛盾している。
自治体に問い合わせるが正解
ネット上では個人であっても「廃液は産廃なので産廃業者に出すこと」というのが出回っているが、これは間違いで、一般廃棄物は行政の範囲になるので、居住地の自治体に問い合わせて、その処理方法に従うのが正解だ。
個人で出した廃液は産廃ではないのでまずは安心して欲しい。
そこで一般廃棄物としてどうやって捨てればいいか、各自治体に尋ねて欲しい。
自治体が薬品の内容物がわからないというときは先ほどのSDSを添付するといい。
私がここまで調べたのははっきりさせたい性格もあるが、ことあるごとに「廃液処理どうしていますか?」と尋ねられることが多かったのと、間違った情報(=産廃業者に出す)が拡がってしまい、モノクロフィルム自家現像に躊躇してしまう方が多くなってしまっては悲しいと思ったから。
私たち、自家現像を行っている者は「正しい知識を持つ」必要と責任があると思う。
さて、肩も軽くなったところで「モノクロフィルムの自家現像」をしないか?
安い、早い、そしてモテるぞ!
不純な動機