Elmarit28mm 1stを持って土気のクラン坂へ行って来た

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もう夏かなと思える日差しの日に千葉市緑区の土気町にクラン坂を見に行ってきた。読みは「とけ」で由来は、

難読駅名のひとつである。駅名は周辺の地名に由来する。土気の読みの由来は、大網からの長い峠を取って「とけ」となったという説が土着民の間では有名だが、真偽は定かではない。ちなみに、千葉市はかつての令制国において下総国に該当するが、土気地区は上総国に属しており、市内の他の地域と市外局番が異なっていた時期もあった。[3]

房総半島は、南関東ガス田と呼ばれる水溶性ガス田の広範囲を占めている[4]。古来天然ガスが湧出する気配を示す土地は「土気」と呼ばれ、これが地名由来と考えられている。[5]

https://ja.wikipedia.org/wiki/土気駅#駅名の由来

とかなんとか。

でも、土気といえば?バブルの象徴「チバリーヒルズ」だな!ちょっとだけ見えたが相変わらず閑散としてた。

クラン坂はあるのか?

ここクラン坂を知って色々と調べていたら、どうも土気城というお城があって、その防御策としての切り通しでその名前を「クラン坂」というらしい。

クラン坂の名前の由来も、日中でも暗いからとか、クランが堀という意味があり(?)「堀底道」とも呼ばれているとか。

城自体は700年代に作られたと言われており、のちに北条氏に攻められた時もこの「搦め手」であるクラン坂で撃退したとか。しかしどう調べてもネット上ではここがいつ頃に掘られたものかがはっきりしない。

そもそも目標物がほとんどなく「土気城」に至るまでが大変だった。どうやら?老人施設である「ひまわりの郷」を目指せばいいということしかわからなかった。ナビをそこに設定して目指していくと途中から突然「集落」のようなところに入り込み、タイムスリップしたかのような感覚になった。その後すぐに何もなくなって畑ばかりになったがその奥で目的地である「ひまわりの郷」に到着した。

でも、そこからが全然わからない。仕方なく施設の受付に行き、「土気城跡」を見にきたんですが・・・と尋ねると受付にいた60代と思しき女性の施設職員の方に声をかけると「ああ。お城ね」とすぐに案内してくれた。

私が「あのう、お城も見たいんですが『切り通し』もあると聞きまして、そちらにも行きたんですが」と尋ねると、女性は「え?切り通し?何でしょう?」と不思議そうな顔をする。一気に不安になる。なんか決定的に間違えた!?

玄関から少し歩くと車はここに止めてもらっても構わないと言っていただき、さらにその奥に案内されると裏手に小さな「ゲート」があり「関係者以外立ち入り禁止」と札があった。「こちらですよ」とその中に案内してくださり、庭のようなところを歩いていくと「ここがそうなんです」と。・・・何にもない。ただの広場。「?」と思っていたら、1枚目の写真、カメラの後ろに写っている石碑が城跡と。なるほど!と。

職員の方に「なーんにもないところなんですけれどね。どちらから来られたの?」と尋ねられたので答えると、「なんでまた!こんなところに!?」とかなり驚かれた。いやいや、慣れていますから。そういうの。「こういうところが好きでカメラを持って歩いているんです」と答えると、「あらまぁ、そうなの。ほんと何もないのに」と少し残念そうにいうが、「私みたいに中年になると、こういうところこそいいって思うんです」と答えたら、「そうなんですかぁ?」と笑っていた。

どうも不安になって「あの、切り通しってご存知ないですか?」と再度尋ねるも「ええ?全然わからないです」と。「クラン坂と呼ばれているとか?」「ええ?くらん?」「ええ。」「さぁ、まったく・・・」と怪訝な表情をする。

さらに私が「JALか何かの研修所があったと聞いていますが・・・」と尋ねると、笑いながら「ここですよ」と指をさしたのは「ひまわりの郷」だった。ああ、なるほど!見ようによっては老人施設っぽくない。「寮」っぽいわ。

「そうですか〜」と言いながら、切り通しはここにないのかなと思いながらと出口に向かうと、ふと暗がりにつながっている道が見えたので「こちらは?」と尋ねると「いやいや、こっちはね、全然入ったことないの。危ないからね

私の「B級スポットアンテナ」が反応した。

ここだ。

「ああ、そうですか〜」と言い冷静さを装いながら、車まで一度戻って、「もう少し拝見させてください」と言うと「ああ、何もないですけれど、ごゆっくりどうぞ〜」と笑顔で歩いて行った。

早々にカメラとリュックを背負って帽子をかぶり、その暗がりに入った。

クラン坂

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M4 Elmarit 28mm f2.8 (HP5+)

これがクラン坂。つまり切り通しなんだけれど、かなり古くて暗い。

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周りはシダで覆われて鬱蒼としている。本当に暗い。ここがクラン坂であたりだった。なんとなく「危ないから」と言うのがわかる。

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木々が倒れてきているところもあったり、S字に曲がっている。「搦め手」ゆえにまっすぐ進軍させないためかな?

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途中左と右に分かれる「分岐点」があったが左を見ると「ほぼ獣道」で大きなフンがボトボト落ちていたので「危険」と判断し右手に入った。

このとき初めて気づいたんだけれど、切り通しの壁面に「穴」があって何だろうと思っていたら「中世時代のお墓」だったとか。

で、この写真の左に木の根元に「塔婆」が写ってしまった。撮ってから歩いて行ったら気づいた。ああ、やっぱり墓なんだって。でもかなりゴミが捨てられていて荒れているところもあった。

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滅多に人が来ないのかなと思っていたら、後ろから突然「ウォーキング」と思しき初老の男性が来てびっくりしてしまった。「こんにちは〜」と挨拶すると「はい、こんには!」とあいさつしてくださった。

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一応クラン坂の一番下まで行けた。そこから今まで来た道を戻っていく。

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ぐえぇー、今度は登りだ。大変。こうやって攻め入ったのか。

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途中JRの陸橋にも出るんだがとてもここは車では無理!と思っていたが、遠くの方から「ブォーン」とエンジン音が聞こえて来て、「まさか?」と思ったら、まさかの営業車のバンだった。そこそこのスピードで下って行ったのは驚いた。

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よくこんな道に車で入ろうと思うよね。知らないと入れない。ルーフが当たっちゃうんじゃないか。

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こんな所を歩くだけでも結構勇気がいるぐらいなのに、車で抜けるとは・・・。北条氏も真っ青。

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真緑のシダがわさわさしている。上を見上げれば「あそこから攻め立てられたら、相当やりづらいな」などと、気分に浸る。木々の隙間に人影とか見えたら恐怖だな。

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最後に一枚と逆光で撮ったら神々しくなった。中世時代からずっと人が歩いたり、戦ったり、死んでいったりした、このクラン坂はかなり重い空気。綺麗ね〜なんて思って、ネットの写真を見ていたが息苦しい感じだった。常に切り通しの上から誰かに見張られている感じ。

夏はもっと暗そう

まだ、初夏に訪れたのでこの程度で済んだのだろうけれど、このクラン坂は房総名物の「ヤマビル」とかも出そうだからそれなりの準備が必要そうに感じた。夏はもっと木々が多い茂って、鬱蒼としてさらに暗くなると思った。涼しいことは涼しいかもしれないが、ちょっと大変そう。

足元は前日の雨でそれなりにぐずぐずしていたのでブーツで正解だった。

先ほどの施設の職員の方の話ぶりでは地元の人でも知っている人しか入らないのかもしれない。確かに女性一人で歩くのはちょっと危険な感じもしたし、暗くなってからは街灯ひとつないのでかなり危険だと思った。

それでも藪の中を進むのはそこにまだ見ぬフードが落ちているかもしれないからだ!

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やべー、デジカメ(スマホ)で撮った写真見るとすげーリアル。あの先はもっと暗くなっていた。絶対に見たことないフードがあるんだよ。いや幻のレンズが落ちているかもしれない。行くしかないよね。

帰り道は上り坂になったので息も絶え絶え。

土気のクラン坂、かなりのオススメ。三脚持ってじっくり撮ってもいいんじゃないかなと。

Elmarit 28mm f2.8(1st)の開放描写

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露出はISO400でf2.8の1/30ぐらいしかないので全て開放。Elmarit28mmの1stはもともとそんなに絞ってもカリカリの描写にはならないんだけれど、開放はさらに緩いね。好き。こう言う感じに見えてたって感じ。ここで絞ったらつまらないかもよ?古いレンズで古い所を撮るって好きだな。

画角としては28mmでも良かったけれど、35mmでも十分だと思う。50mmは少し狭いかな。個人的にはあんまり21mm以下とかの超広角でレンズに頼った撮り方はしたくないかなぁ。パッと見はいいんだけれどね。

フィルムもDELTAとかの新しいフィルムより古いタイプのトラディショナルタイプでこだわりたい。でもさー、そんなに違いがある?アクロスと他のフィルムみたいに。私はT-MAXとトライ-Xの違いが見分けられない。ほんとアクロスはすごかったよ。過去形・・・。

aremo-koremo.hatenablog.com

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