National Opt. SCOTLAND STEWARTRY TRINOL ANASTIGMAT 105mm f3.5 LTM

National Opt. SCOTLAND STEWARTRY TRINOL ANASTIGMAT 105mm f3.5(L)だ。

ナショナルOpt、スコットランド・スチュワートリー  "トリノール"  アナスチグマットと読めばいいのか?

初めて見たレンズだった。調べてみたらこちらがヒット。

Trinol 105mm f3.5 (L) – FLASHBACK CAMERA

三枚玉。105mm f3.5。

国産レンズでKomura 105mm f3.5も三枚玉だけれど、こちらはスコットランド?あれ?三枚玉?トリプレット?欲しい!となったわけだ。

aremo-koremo.hatenablog.com

好き。

目次

スペック

重さ

335g(実測)

フィルター径

39mm

焦点距離

105mm

開放値

f3.5~f22

最短撮影距離

1.2m

マウント

ライカスクリューマウント

フード

不明

レンズ構成

3群3枚

絞り羽根

12枚

発売

1940年代〜1950年代?

3枚玉の歴史

3枚玉はこれにより色収差が消えると言われて、発明された。T. Cooke & Sonsがライセンスを持って、開発・製造・販売はライセンシーのTaylor Hobsonが行った。

つまり、T. Cooke & Sonsで働いていた、1893年にTaylor Hobsonが開発したと。ショット社のガラスを使ったようだ。

"クックのトリプレット"として有名?

ちなみにライバルのPaul RudolphTessarは1902年。意外かもしれないけれど、Planarは1896年。Tessarの6年前だ。

Anastigmat(アナスチグマート、アナスチグマット)

アナスチグマート(独:Anastigmat )とは、レンズの収差補正状況を示す言葉の一つで、球面収差、コマ収差、像面歪曲、非点収差をすべて解消していることを言う。

アナスチグマート - Wikipedia

Carl ZeissのProtar=プロター(1888年)、2群4枚。C. P. GörzのEmil von Hoeghが開発した"Dagor"=ダゴール(1892年)、これは2群6枚もアナスチグマットレンズ。

フィルターについて

39mmの溝があるのだがピッチが違うため、最後まで捻じ込めない。Hektor 7.3cm f1.9そんな感じだったな。すると純正の被せフィルター、フードがあるのかな?

National Opt.とSTEWARTRYとは?

レンズヘッドに刻印があった。

MADE BY NATIONAL OPT.CO.LTD.LEICESTER ENGLAND.の刻印。英国、レスターのナショナルOPT.社製と。

National Opt.はトリプレットレンズを発売した、Taylor, Taylor & Hobsonの子会社だった。

子会社化は空爆などで生産工場を分散化しないといけないためと。

https://www.photrio.com/forum/threads/details-of-trinol-lens.143685/post-1879285

第二次世界大戦中に(おそらくドイツ製品を輸入できないため)レンズの需要があって製造されたとか。

Lマウントの105mmと言ったら、1940年代だとElmar 10.5cm f6.3(マウンテンエルマー)しかなかったから、その辺りの時代としてはスペック的には優れたレンズかもしれない。

開発はCooke(クック)で、発売はテイラーと。その子会社がナショナル光学ってことかな。

なるほどー。

"STEWARTRY"

"MADE IN SCOTLAND"

SCOTLAND STEWARTRYはスコットランドにある、スチュワートリーというメーカー。

レンズはナショナルが作り、鏡胴はスチュワートリーが製造ということらしい。

あまりにも見かけないのでやっとここまでの情報を得られた感じ。

どうやら、戦中、戦後の混乱期にLマウントレンズの需要があって作ったっぽい。リードとかもそうか。

コーティング

見た感じ、この個体はノンコートかな。

No.03494x、03504x、3505x、03532x、03562xはノンコート。

No.03549xと03578xはコーティングされていると。

https://www.photrio.com/forum/threads/details-of-trinol-lens.143685/post-1879285

シリアルが前後しているので、おそらく後でコーティングしたか、個体としてコーティングされていたか。

シリアルはNo.034...も見かけるので1000本はありそう。

ヘリコイドは逆回転

ヘリコイドの回転方向が、ライカマウントのレンズの逆なのでちょっと驚く。ちなみに黒鏡胴とシルバー鏡胴がある。シリアルで追いかけてもどっちもあるので前期後期とも言い切れいないかも。

当然の如く、ft。最短は4ftで1.2m。

見た目より重い

バルナックDIIIにつけてみた。かっちょいい。335g(実測)と見た目より重いかも。

絞り枚数は12枚

絞り枚数は12枚と豪勢?

絞りクリックはない。ただ、回転ヘリコイドなので反対側にも絞り値がついている。

レンズのカム。この辺りの調整が難しいと書いてあったな。

距離計カムの構造上調整することはできません

Trinol 105mm f3.5 (L) – FLASHBACK CAMERA

かっちょいい。黒いレンズも好き。

さて、どんな写りか。望遠の圧縮効果と、トリプレットのシャープさは期待しているぞ。

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