TANAR H.C. 5cm f2 Black Lマウントだ。気になっていた"50mm f2"の中でもFUJINON 5cm f2とどっちを先に買うかなと比較していて、TANARの黒鏡胴が見つかったので手に入れた。同じスペックのシルバーもかっこいいが、Topcor 5cm f2(Sなし)を持っているので、今度は黒でと。あ、Topcor"S"5cm f2は中期の黒を狙ってるぞ。
目次
スペック
重さ |
240g(実測) |
フィルター径 |
40.5mm |
焦点距離 |
50mm |
開放値 |
f2~f16 |
最短撮影距離 |
1m(距離計非連動で45cm) |
マウント |
ライカスクリューマウント |
フード |
Tanar専用フード |
レンズ構成 |
3群6枚(ゾナー型) |
絞り羽根 |
10枚 |
発売 |
1957年 |
最短距離が60cmという記事も見かけたが、きちんと1.5ftまで刻んであり、ヘリコイドも回るので45cmほどだ。
田中光学
田中光学は元々はシネレンズなどの製作をしていたようで、1953年にライカコピーを作成し始めて、1959年に倒産している。
TANAR H.C. 5cm f2自体あまり見かけなくて、そもそも私もあまりよくわかってない。
そもそもNIKKOR S.C 5cm f1.4を気に入って使い、そこからNIKKOR H.C 5cm f2沈胴、Topcor、SUPER ROKKORとかに手を出し始めたぐらいで、まだまだ国産ライカマウントレンズは奥深い。
他にもSimlarとかSerenarとかいっぱいある。例えばSimlar 5cm f1.5とTopcor 5cm f1.5も調べないとどう違うのかわからない。SimlarもTopcorもガウスとゾナーの折衷だがレンズ設計に変更あり。今調べた)
TOPCON CLUB-Various Talk-Drawing of Topcor Lens Cut
TANARレンズ
このTANARは田中光学製のTANACKというバルナックコピーに付いていたレンズ。
TANACK刻印の純正キャップ付属はありがたい。
50mmに関しては、5cm f3.5、5cm f2.8、5cm f2、5cm f1.9、5cm f1.8、5cm f1.5と言うスペック。これに幻の?f1.2もあるようだ。
f3.5、f2.8はテッサー型、f2、f1.9、f1.8、f1.5はゾナー型のようだ。
参照 :
http://camera-wiki.org/wiki/Tanar_lenses
https://koiwide.com/j-lens_tanar5015-1
また、5cm f2は同じレンズがアルタノン、三鈴光学からも出ている。スペックも全く同じだ。
どっちのOEMかと。おそらく田中光学が作っていたのかな?
H.CのHはヘキサ=6枚レンズのことか?Cはコーティングだろう。
コーティングは青からパープル?
絞りリングはクリック感あって作りもいい感じ。
絞りは10枚。この頃はみんな10枚ぐらいあるな。
製造本数
シリアルNo.26015。No.27594まで確認されている。リンク先にある発売年1957年のはNo.24840。
単純計算で2754本。
ちなみに先に出た、シルバーはNo.22217からNo.24444まで確認されていると。これで2227本。合わせて4981本。約5000本。
http://camera-wiki.org/wiki/Tanar_lenses#Tanar_5cm_f.2F2
ちなみのこの5cm f2はおおよそ5500本以上製造され、TANARレンズの中でも一番多いいらしい。5500本で一番多いとか、どんだけ希少なメーカーなんだ・・・。
最短撮影距離
最短撮影距離もNIKKORと同じように1mより先に進むヘリコイド方式。NIKKORのように途中でクリックはないので普通に行き過ぎる。
3.5ft=約1mを超えた、赤文字の1.5ft=約45cmで・・・止まらず、その先まで行く。バルナック型カメラの測距が1mまでなので、コピーのタナックもおそらく測距は1mほど。するとそれ以下は距離計連動はしない。
しかし、M型ライカのM3以外は測距は70cmほどまでできるので、どうなのかデジタルライカのTYP246で試してみた。
約3.5ft。(カム連動するギリギリ)
3.5ftを超えたところ。ピントが外れた。どちらも派手にゴースト出てる。
後ろ玉もコーティングは青か。
最短方向へヘリコイドを回すとカムが鏡胴の奥に行く。
3.5ftを超えたあたりで距離計と連動しなくなった。すっぽ抜ける感じ。つまり、レンズの距離計連動カムは1mほどまでと言う設計のようだ。
レンジファインダーカメラで撮影時は1m以下で撮影しないように注意だ(目測ならいいが)。ミラーレスなら一眼レフのレンズのようにグングン寄れるぞ。
50mm f2というレンズ
50mm f2って本当実用性で言うと最高に使いやすい。f1.4だとボケすぎる。言い換えるのならボケに頼れる。f2.8、f3.5だと不安な時に「明るいレンズ」としても「小さめのレンズ」としても使いやすい。
写りも破綻することが少ない。これがf1.4、f1.5とかになると途端に不安げになるよね。
現代のレンズならf1.4は至って普通なのだろうけれど、1950年代は頑張ってた。
ボディにつけてみた
MM TYP246につけてみた。小ぶりで良い。
黒鏡胴いいよね。
結構短い。フードが欲しい。
M2につけてみた。1950年代ということもあって、あっているかな?バルナックだとIIIfとかと似合いそう。
M2は何でも似合うな。IIIfとビットというのもいいよね。
なかなかいい感じ。
田中光学のタナー。
この佇まい、好きよ。
さぁ、モノクロフィルムで試写してきたので、どんな感じだったのか。現像してみよう。
参考図書。こういう本また出てくれないかな。
こちらはガウス型。