FOVEONセンサーを初めて使ったのは初代DP2だった。
全ての動作が笑っちゃうほど遅い。起動、AF、書き込み、ずっと点滅している感じ。
外観はプラスチッキーで安っぽい。
デザインも箱形で色気が無い。
作動音もジーッ、ジーッ、とうるさい。
しかし、撮影して初めてモニターに出した時、おおっ!と声を出して驚いた初めてのデジタルカメラだった。
以来、デジタルのメインはSIGMAのFOVEONセンサー搭載カメラ、DPシリーズだ。
その後、SD15と買い増したが大きくて重いので手放してしまった。今思えば残しておけば良かったかな。ただ、SAマウントレンズを買うのが大変そう。SA沼。
Merrillセンサーが発売になり、最初はカタログを見てそのモンスターっぷりにビビった。とてもじゃないが自分には扱えないと。
しかし、FOVEONセンサーの良さは知っていたので、相場もぐっと下がった最近、手にしてみた。
DP2 MerrillとDP3 Merrillを中古で買った。45mmと75mmだ。あまりにもDP3がいいのでDP2じゃなくてDP1の28mmにしとけば良かった。
これはDP1も買わないとダメか?買う?
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SIGMA デジタルカメラ DP2Merrill 4600万画素 FoveonX3ダイレクトイメージセンサー F2.8
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SIGMA デジタルカメラ DP3Merrill 4600万画素 FoveonX3ダイレクトイメージセンサー F2.8
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それぞれ28、45、75mmだ。レンズ交換するようにカメラを持ち替えよう。
このFOVEON Merrillセンサーは画素数約4600万画素というモンスターセンサー。
それまでの無印FOVEONは1400万画素で扱うのにそれほど苦労はしなかった。
しかし、Merrilになってからすっごいシビアな撮影を求められるようになった。
ちょっとした手ブレも目立つ(わかる)し、ピンぼけも気になる。しかし手にする画質は全てのデジタルカメラをひっくり返すほどのものだ。ニコンのD800Eなどもひっくり返すだろう。
FOVEONセンサーについてはメーカーHPを見て。なんか凄い。ああ、これだとムダが無いのかなって。
・画像キャプチャシステム | SIGMA DP2 Merrill : スペシャルコンテンツ
だから、いわゆる一般的なベイヤーセンサーとは全く構造が違うので比べるのはナンセンス。
さて、そのモンスターカメラDP Merrillを使うにあたって、私なりに苦労した事とその解決法を書く。
ピント、特にAFがひどい
これはねー、このカメラAF性能が低いのよ。もう仕方ない。初代からAFは酷かった。Merrilになって少し良くなった。コントラストがないと全然合わない。
よくある手前に網フェンスがあって奥に風景が広がっているみたいな場合、間違いなく奥の風景にピントが行っちゃう。
手前の網フェンスにピントを合わせて風景をぼかすなんて言うことはMFカメラだったら余裕で速いのに。
それでもピントを合わせる方法はある。
「AF・MF併用モード」を選んでAFで外れたと思ったら、そのままピントリングを回せば液晶が拡大しその中でピントを微調整する。
「フォーカスリミッターモード」もあるのでそれを使えば少しはマシになると思う。
また「寄って撮る」ときも注意したほうがいい。
最短が28cm(DP2)、22.6cm(DP3)とそこそこ寄れる。DP3の75mmだとマクロだ。激しくピントが浅くなる。
被写体に寄ると被写界深度が浅くなっているので自分ではピントが合っていると思っても、手前や奥に行ってしまっているときが多々ある。
やはり不安なときはMFで液晶を拡大して確認、調整した方がいい。
手ブレ、すげぇ目立つので辛い
これ。Merrillはこれに尽きる。ほんと大変。もうね、いやになって手放そうと思った。
このMerrillシリーズは先にも述べたように4600万画素。A3でも余裕。
とにかくサイズがデカいのでつい拡大して見たくなる。
また、凄い解像度なので驚く、笑う。
髪の毛一本、果ては産毛まで写っているし、ポートレイトなんて女性が嫌がるほどの皺まで写す。
別名、女性の敵。ポートレイトは別にカメラにしてあげたくなる。
また遠くに写っているビルの窓に人がいる事に気づいたりする。
手ブレも、ピンぼけもすぐに分かる。
どれぐらい写るか。これを100%拡大する。
これぐらい。容赦ない。
撮ってみてモニターに出すとなんだかもやっとしているなーと思った時は手ブレかピンぼけだ。
気になると拡大する。モニターでSPPを通してみる限り問題なさそうだが、100%拡大すると、激しく手ブレているのがわかる。
その手ブレ対応だが、このカメラにはもちろん「手振れ補正」などはないので、しっかり構えると言うのが基本になる。
あと、シャッタースピードが遅いと確実に手ブレる。
しっかり構えるにあたっては脇を閉めるなどがあるが、ストラップを首に通してピンと張って固定すると言う手もある。
まずはシャッタースピードを確保したい。最低でも1/125は必要と考えている。それ以下は運。
ISO100がこのカメラの基本だが、場合によっては400まで上げる必要もあるだろう。それ以上はノイズが激しくなって許容できないと思っている。
ISO100が固定で、200までが許容範囲内か。まだ400まで使った事が無い。これは使う人の判断によると思う。
しかし、少し暗い所、室内はストロボを焚かない限り三脚にすべき。特にブツ撮りに素晴らしい能力を発揮するがそれは三脚前提だ。
三脚はある程度のものでもいいし、外で使うならかなりしっかりしたものを用意した方がいいだろう。
私はこのカメラを買って、初めて三脚を買った。
これ。
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ブツ撮りもする事があるので高さ調整が欲しかった。欲を言えばもう少しがっしりしたものが良かったかな。
やっぱり実際に見て触った方がいいと思う。いいものは高いけれど、安心感がある。
もちろん中野で中古三脚とか探しても面白いよ。
私はちょっとだけ使いたかったので割り切った。
目的がはっきりとしているならミニ三脚でもいいと思う。固定さえ出来ればいいとか。
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室内、ISO100、f5.6に絞ると、1/4などのシャッタースピードになるので手持ちはムリ。
時々、1/30でも手ブレ無しで撮れるときもあるけど、偶然だから。タマタマ。
三脚が用意できなかったら、7連射してどれかいいのがあったらいいよねぐらい。
特にDP3 Merrillの様に少し長いレンズ(50mm=換算75mm)の場合、手ブレが一割増になるので不安なときは潔く三脚にした方がいい。
あとは気合いね。写真は気合い。
ストロボも無いよ。
バウンスしたいなら、こういうの。ってHPに書いてあった。
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私はストロボを使わないので割愛。ストロボ無し手持ち、気合いで撮ろう。
あー、上手にストロボ使えるようになりたいなー。
しかし、手ブレは陽が高ければ全く問題ないから。このカメラは「ザ・昼カメラ」だ。
昼にしか使わない。陽が落ちたら帰る。夜はすぐ寝よう。
日中ならISO100でもf5.6、1/500など普通に稼げる。
このカメラは強い光が必要なカメラだと思った方がいい。
実際問題として自分がどれぐらいの大きさにプリントするのかと言う所にポイントを置かないと、手ブレの許容範囲が分からなくなる。
絶対に手ブレを否定するようになる。
A4とか6つ切り程度ならほとんどわからないと思う。
性能に限界があるのでそれを物理的にクリアするか、操作でクリアする。
カメラが人に合わせて作られていないので人がカメラに合わせる必要がある。
それらを満たした時、モニターには今までデジタルカメラで味わって来た世界とは全く違う、驚きの素晴らしい世界が写っているだろう。
DP Merrillはピントを外す、しかも中々合わない、動作は一般のデジカメと比べ物にならないほど遅い、バッテリーも100枚撮れない。(最初から予備が1個入ってる)
書き込みも結構待つ。
使っているうちにホカロンのように暖かなる。冬に重宝する?
一枚あたりのデータ量は50Mを超えることもあるのですぐにHDを圧迫する。(20枚撮ったら約1Gだ!)Merril用の外付けHD、3Tぐらい逝っとこう。
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結果、PCもハイスペックを求められる。
現像ソフトもシグマ純正のSIGMA Photo Pro(SPP)しか使えない。
水準器も入っていないので水平が取れていないと気持ち悪いので私は水準器を買った。
これで縦構図もOK。
なんだか酷くマニアックでいまいちな感じがするかも知れないがそれと引き換えに圧倒的な画質が得られる。
ザ・解像番長。いちいち拡大したくなるカメラ。
もちろん、何を撮るかが一番重要。
このカメラ苦労するけれど、画質はどんなデジタルカメラよりもいい。
dp2 Quattroも気になるカメラだけれどまだまだ高い。(貧乏つれー)
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今こそDP Merrillシリーズが買いだと思う。
更にプリントするとベイヤーセンサーとの違いはよりはっきり分かる。
カラリオとかの家庭用プリンターの2Lぐらいで凄い差がわかるから。
是非、プリントで比べて欲しい。いい写真が撮れたら飾ろうぜ。
こんな雲の描写好き?私は好きだね。SPPのモノクロームモードいいよ。
初代DPはいかが?安いよ