日差しがあると寒さも和らぐ年始の頃に富津岬の戦跡を見にいってきた。
富津岬というと、突端のあの階段上の建物が有名かもしれないが、今回は富津岬公園の中にある戦跡を目指して行った。
富津岬公園の富津元洲堡塁砲台跡は一度行ったことがあるが、周辺は回ったことがなかったので行ってみた。
カメラは完全に現行セットで、F80SとAF-S NIKKOR 35mm f1/1.8G EDにリバーサルフィルムのプロビアを入れて。
標準リバーサル?これが一番最後に残るリバーサルか?
5年前か。
富津岬の戦跡巡り
富津元洲堡塁砲台が公園内の中の島にある。
そもそもここは明治時代にロシアなどから本土を防衛するための拠点だったのだが、大正時代には試射場になった。
ここで砲弾の着弾を観測でもしていたのだろうか。この半円状のものは他にもあった。
f1.8の1/1000。開放!
F80Sは露出の刻印がコマ間に入るので便利。
ここを降りると左翼観測所に入れる。
f1.8の1/180。この微妙な露出が出せるのが素晴らしい。
中にも入ってみたけれど、あまり綺麗とは言えないかな。外は見えなかった。塞いだのだろうか?
f1.8の1/180。
強烈な西陽の中で撮った。この難しい露出頑張ったな。F80。
なかなか大きな堡塁だったんだなと思う。
f5.6の1/125。すごい普通の露出だ。
外堀周りを歩く
堡塁を見てから、外堀周りを歩いてみた。
外堀には鴨がいっぱい羽を休めていた。あとは犬の散歩の人やウォーキングをしている方が多かったな。
f2.8の1/500。少し絞ってみた。かっちり。
すげー、全然破綻がないように感じる。こんな逆光なのに。
f1.8の1/750!なんと開放だった!開放でこれだ。すごいわ。
この中の島周辺の森になっている、公園内も歩いてみた。
鬱蒼と草木が茂っているが歩きやすかった。
f1.8の1/90。よくこんなシャッタースピードが出るな。すごい。
本当逆光にも強いレンズ。現行レンズってこんなに写るんだね。
ポジをルーペで覗くとおおっと唸ってしまう。
f1.8の1/250。結構暗かったのね。
びっくりするよ、こんなのが地面に落ちていると。
拾おうとしたら、きちんと茎についていて抜けないの。本当こんな色で真っ赤だった。つい赤いものに寄っていく習性が私にはある。
f1.8開放で1/45だ。F80はミラーショックが少なくてほんと撮りやすい。
ぼうず(観測壕)を発見
公園内をいろいろな植物を見たりしながら歩いていたら、突然現れてびっくりした。
観測壕、通称「ぼうず」と言うものらしい。
f1.8の1/250。開放で撮ると雰囲気出る。
ぼうずの頭の上には緑が茂っていて、なんともユーモラスだがこの覗き穴の形がザク?
全面コンクリートでできていることから万が一があっても大丈夫なようになっているのだろう。
f1.8の1/180。
ざくざくと枯れた藪を分け入って見てみた。
なんだ、この階段の形状。奥の方が丸み帯びている。観測するための穴も見える。
f1.8の1/90。
内部に入ってみた。コンクリートで頑丈にできていて、妙な安心感。
f1.8の1/15。ついにレンジファインダーみたいなシャッタースピードになったがブレが目立たない。
この向こうは当時は林がなかったのではないだろうか。そのまま海辺が見えたのでは?
f1.8の1/30。3D何とか測光が効いているのか?もっと絞られるかと思った。
こんな風に見ていたのだろうか。
f1.8の1/125。
ちょっとザクっぽい?と思った。思うよね?
f1.8の1/125。これぐらいの露出かな。うん。
ラピュタ。とりあえずジブリ。そう言っておけば間違いない。
f1.8の1/125。流石に露出は変わらず。
長い年月を物語る。隙間から木が生えている。
f1.8の1/60。もう少しアンダーでもよかった?1/90とか?難しい。いや、このカメラは押せば撮れるんだ。
f1.8の1/60。これぐらいならブレない自信が湧いてきた。
こんなのが突然現れるなんて、本当に驚き。
このぼうずはこの富津岬には4つあるらしい。これが一番見つけやすいものだとか。
他にもあるのなら是非見てみたい。
f1.8の1/90。このシャッタースピードが出ると戸惑うが機械の方が正しいのだ。
自分を疑え!
林の中を散策をする
赤いものに惹かれる習性。
あと開放でのボケ味とかもみてみたかった。デジタルとどう違うのか。
柔らかさがあるものの、結構シャープ。某8枚玉を参考にしたとかなんとかと聞いたが、8枚玉を使いこなしたかというとよくわからないところがあるので保留。
しかし、ものすごくバランスがいいような気がする。
全くクセがないのがクセみたいなレンズ。35mmの標準レンズだな。
チリチリと写っているけれど、解像番長って感じでもない。
f1.8の1/90。
弾丸射入窖(だんがんしゃにゅうこう)を発見
だんがんしゃにゅうこうと言う読みであっているのかな。
ここは先程の坊主の後歩いて進んでいたら見つけた。突然現れてこれもびっくりした。林の中に突然ひょっこりと言う感じではなく、ドーンと言う感じで迫ってくる。
f1.8の1/250だった。結構明るかったのね。
これは・・・。いったい?f1.8の1/90。この辺はこれぐらいの露出なんだな。
こっちが入り口?一体なんだろうと思った。
火薬庫?格納庫?うーんと。
f1.8の1/60。
結構奥まで広く、やはり倉庫みたいなものか?と思っていた。
f1.8の1/30。馬鹿の一つ覚えみたいに開放ばかりだけれど、無理だって、ISO100でf1.8なんだから。f1.0でも持ってこいっての。
奥まで入ってみたら足元は砂で覆われていた。
奥行きは10mあるかないかだが、結構広い。やはり火薬庫、弾薬庫か?
f1.8の1/30。いい感じね。
疑問を抱きつつ、先程の建造物から少し歩くと、これにぶつかった。
これは・・・門?何かの入り口で、あの建造物に行くための門?と思った。
f1.8の1/90。
f1.8の1/60。
これはいったい?なんでこんな銃眼のような穴があるのか?
なんとf1.8の1/90だった。少し露出が違ったのか・・・。
ここに門を作っても、岬全体が要塞なら意味がないよなーと。
とりあえず、覗いてみた。
裏側からもみてみたがわからない・・・。
f1.8の1/90。
そして、帰宅して調べてみたら、なんと弾丸射入窖(だんがんしゃにゅうこう)という、ここに弾を撃ち込む場所とのこと。
とても詳しいHPだった。
試験砲座の位置から約180mの位置にあると言う。
ここの穴に撃ち込まれて、その様子をこの距離で見ていたのかと。驚きだ。
ほぼ目の前の距離だ。50mはない。いったい何を撃ち込んでいたのか。
この観測窓の後ろから弾が飛んできて、その向こうの弾丸射入窖に入る。ドーン。怖い。
ここを出たら、最初の中の島入り口に戻ってきた。
ああ、こう言うことだったのかと。
f1.8の1/20だ!すごいな・・・よく撮れたな・・・。
この展望台から後ろ側に抜けて左回りに回ってきた感じ。
こうやってみると、まだまだ全然みていないところがいっぱいある。
また日を改めて来てみたいと思う。
F80SとAF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDについて
F80Sはコマ間に露出が刻印されるのが楽しみで使っている。
シャッタースピードと絞りと露出補正値が刻印される。
SSは1/500で絞りはf2.8、露出補正は0ということ。大変役立っている。
また2002年発売ということもあって、ほぼ現行フィルムカメラとして、現行のデジタル用に開発されたレンズも使える。Eレンズは使えないようだ。
不変のFマウントとはいうものの、制限がすごい。表にしてもわかりづらい。
むしろEFマウントの方が不変なんじゃないかとさえ思える。
このカメラの素晴らしいところはミラーショックがすごく少ないことで遠慮なく1/15が切れる。
普通の一眼レフだとミラーショックを嫌って1/60あたりが限界なことが多いが、ダンパーがいいのか、シュコと言ってシャッターが切れる。本当にショックがないので驚く。
数千円とかで変えると思うので現行レンズをフィルムで撮りたい人、またD750などでGレンズなどを使っていて、たまにはフィルムでも撮りたいなーという人にもおすすめ。お手軽にほぼデジカメと同じように撮れる。
露出もDレンズ以降は3D-10分割マルチパターン測光が使える。
順光の一般的な撮影はもちろん、逆光や明暗差の大きい被写体など特殊な光の状況でも、眼で見た明るさの印象をそのまま再現します。
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/f80df80s/features.html
いやはや、驚いた。これには驚いた。
白い壁に向けるとスポット測光などだと1/60とか出すがこのマルチパターン測光を使うと、白い壁なのかな?と推測して1/45などのシャッタースピードが出てきた。
ほんと見たまんまの露出に近い。驚いた。
重さも525gとそんなに重くはないが、レンズにパンケーキがあればなと思う。
Ai改造のGN45mm f2.8か45mm f2.8Pのどっちかしかない。でもAFで撮りたいなと。
するとCanonのEOS KISSシリーズとEF 40mm f2.8とかいいのではと。
EOS KISSは数千円円ぐらいでも買えるし、レンズは1万ぐらいで買える。いいね。お散歩カメラに最適。
AF-S 35mm f/1.8G EDは本当にいい意味で中庸なレンズだと思う。
こういうレンズって作れそうで作れないと思った。嫌味もなく"そつ"がない。
キチ、キチと作っていくとこうなるという見本みたいなレンズ。
ピントはカリカリではないが葉脈まで見える感じ。そこからなだらかにボケていくのがすごい。
初めてフィルムでも撮ってみたが、硬いという感じは受けなかった。
ルーペで覗いても古いレンズと同じ感覚で写っている。フィルムを一緒に並べても違和感がないかも。
今度はモノクロフィルムでも撮ってみたい。いやー、いいレンズだ。これは。絶対におすすめ。
NIKONのデジタル一眼レフ、D750とか使っている人はこれ一本持っていると、旅先とかで万能選手として役立ってくれるだろう。
もちろんZ 6とかとFTZアダプターを使うのもいい。むしろこれからはこれの方がいいかと。
リバーサルフィルムをルーペで覗いてみると、簡易的にレンズの写りの評価ができると思う。スキャンよりいい。 初めてのレンズはこれで試してみるのもいいと思う。
富津岬は想像以上に楽しめたのでまたここは訪れたい。
こういう探索がメインの時はいいカメラね。F80S。