最近、宅配便の配送事故、補償額について考えさせられることがあったので調べてみた。
特にカメラ、レンズに合わせて考えてみた。
30万円の壁
各宅配便の補償額は30万円までが基本。ヤマト運輸は30万円(税込)を超える物は「送れない」とまで書いてある。
一梱包の価格が30万円(税込)を超える荷物
ゆうぱっくは30万円の補償だが、50万円まで補償する「セキュリティサービス」と言うものがある。
これは配送料金に420円(2023年10月現在)をプラスすると通常30万円までの補償が50万円となるサービスだ。
佐川急便には「セーフティサービス」と「運送保険」がある。
高額なお荷物や、特に大切なお荷物を手渡しでお届けいたします。
お荷物のお預かりからお届けまで作業は手渡しにて行ない、営業所での保管は貴重品室にて、輸送中は貴重品専用ケースにて厳重に管理いたします。
この保険は、当社が三井住友海上火災保険株式会社の保険代理店として販売する、お荷物の損害を補償する「オールリスク条件」の運送保険です。
唯一、最大5000万円まで対応している。1万円あたり10円。100万円なら1000円と割安に思える。
とりあえず大手だと30万円の補償が基本で、ゆうパックがプラス420円で50万まで。佐川が1万円あたり10円の掛け金で5000万円までとなるようだ。
過去にあった「ヤマト便」は2021年に廃止されているのでヤマトの場合は30万円以下しか送れない。(送った場合は規約違反になるのか?)
修理などのピックアップサービス場合
個人でカメラの修理などで宅配便を利用するとして、それが30万円を超えるカメラやレンズの場合、メーカーに修理出す場合は配送事故についての補償はどうなっているのか尋ねたほうがいいと思う。
店舗に持ち込んでメーカーに送ってもらう時の補償も30万円か?
メーカーから修理完了品が戻ってくる時もどうなのか聞いておいたほうがいい。
ニコンではピックアップサービスとか。
ニコンに問い合わせたところ、ヤマト宅急便を利用するのでその補償に沿ったものになるとのこと。つまり30万までだ。(他のメーカーは各自で調べてほしい)
これ、メーカーが補償できないと言っているので、宅配便での希少で高額なレンズなどの修理は危険かもしれない・・・。
ピックアップサービスじゃない修理方法で、先ほどの佐川などの自前の保険をかけて送るしかない。
110万円超えてるし・・・。これ送る?途中で配送事故が起きたらどうなるの?
30万円までと言われたら・・・詰むよね・・・。
カメラ・レンズの高価格化、品薄
あと30万円以下でも品薄の商品だと、金額面での補償はあったとしても・・・。今だと、GRシリーズとか?お金が帰ってきても、すぐにカメラが用意できないとかありえる。
2023年10月現在、納期未定・・・。
昨今、カメラ、レンズは高価格化しているものがあり、ライカだとまず新品でM11が130万円超えている。
2023年10月現在、約132万円。紛失事故があっても良しとする富裕層になれるか!?
NIKON Z 8で約60万円。
通販で新品購入した場合
これは新品で店舗から通信販売で購入しても何かしら法人として保険に入っていると思うが・・・。
ちなみにヨドバシは事故が起きた場合は配送会社と連携して対応すると返事が来た。
マップカメラは同等品と交換、もしくは返金と返事が来た。
これは至って普通の対応かなと。
他の店舗については各自問い合わせのこと。
中古カメラ・レンズの場合
これが中古カメラ、レンズだとしたらどうか。
一品ものの中古カメラレンズで30万円以上のものは・・・結構ライカレンズならザラに?あると思う。それを通販で購入するのも今の時代。
これは中古カメラレンズであってもお店から購入するのであれば、保険がかかっているかどうか尋ねれば済むことだし、たとえ中古カメラレンズで一品物とはいえ物が返って来なくともお金が例えば購入金額が80万円であって、それが全額返ってくれば、残念ながらその提案を飲む他ないだろう。
それが嫌なら手渡しで購入する他ない。
地方の場合、中古の高額商品を飛行機、新幹線に乗って買いに行くか・・・今はネット通販が多いかと思う。
オークションやフリマサイトの場合
さて、問題はオークションやフリマサイト、個人売買の時だ。
ヤフーオークションは「おてがる配送」が用意されているが、30万円までのものしか送れないとある。
つまり、ヤフオクで30万円以上のものは「おてがる配送」は使えないと言うことになるので、個人で配送の準備をして「30万円以上のものを送ることができる配送会社」を選ぶ必要があると言うことになる?
オークションのカメラ関係の高額商品で一応検索したが、そういう人はまだ見たことないな。(絵画とかだと違うか?)
※10月20日現在、69億円の絵画が出品されており「おてがる配送」だった・・・。
50万円までならゆうパックのセキュリティーサービスかそれ以上なら、佐川急便の運送保険を出品者個人で用意する必要があるはず。(あくまでも個人の場合)
それでも「おてがる配送」を使うとしたら・・・30万円までのものしか送れないのに、送ったと言う「契約違反」で補償さえ受けられない可能性がある?
Yahoo! JAPANに問い合わせしてみたところ、発送方法を決めるのは出品者で、発送方法を見て落札を決めるのは落札者であるとのこと。
紛失事故などの場合、落札者はお見舞金として30万円の補償を受けることもできるがそれ以上は無理。
万が一、商品が配送事故で紛失した場合は取引が"キャンセル"にならない限り、30万の補償以外は受けられないという回答だった。
例えば100万円で落札、お支払いした。到着しなかったからキャンセルを申し出る、しかしキャンセルが通らなかった場合は、出品者に手数料などを引いた分の代金は支払われる。よって落札者は100万円全額取り戻すことはキャンセル以外では不可能。
ヤフオクのキャンセルについてはこちらを参照のこと。
商品が届かない時の返金申請はこちら。返金申請は通るのかどうか・・・。
返金申請は、支払いの8日後~12日後まで
期限を過ぎると出品者への入金処理が開始されます。入金後は事務局からの返金はできなくなりますので、出品者に返金方法(振り込み先の金融機関口座を知らせるなど)についてご相談ください。
https://support.yahoo-net.jp/PccAuctions/s/article/H000013198#notarrived
商品が届かなかった場合は出品者との直接交渉による返金か、Yahooの審査による「返金申請」のみ。
前者はほぼ無理と思える。(出品物が紛失している状態なのでこの条件は飲めないはず)
後者はどうなんだろうか。例の100万円となると・・・。ヤフーが全てかぶることになるので・・・。わからん。Yahooのみぞ知るというところか。
個人的な見解だと、全ては個人間で解決せよとなるのかと思っている・・・。
商品が届かず、Yahooに「返金申請」をして通ったという方がいたら教えてほしい。
システムとして気になる点
一点気になるのは、30万円を超える高額出品にも関わらず、出品者が30万円を超える物は送ってはいけないとされる「おてがる配送」を利用できるシステムだ。
ここがどうなっているのかはこれ以上はわからない。アラートが出て、おてがる配送は使えませんと出るのはシステムとして普通な気がするが。
一般的に中古買取でお店に売るより、オークション、フリマサイトの方が高く売れると思い、そちらを選択するのだろうけれど、それなりにリスクはある。
ちなみにオークション、フリマアプリでほしいカメラ・レンズが「中古カメラ屋さんの保証付き」のお値段と同じなら、買うメリットは全くないと思えるが・・・。そこでしか買えない物なら仕方ないとは思う。
そうすると「手渡し」か?
出品者が沖縄で落札者が北海道ならどうする?東京で落ち合うか?(20年以上前に"近所"ということで手渡しをした時は怖かったー)
万が一の事故は起こるので希少高額品は手渡ししかないのか?
日本の物流サービスは大変優れていて事故はあまり聞いたことがないが、私は過去に紛失を経験をしたことがある(見つからず、配送会社が全て補償した)、最近では誤配があった。(解決した)
いくらネット決済、販売がすすんでも、最後は「人の手」で配るのだから、配送事故が絶対に起きないと言うことはない。これは断言できる。
手渡しで持って行っても、カメラ屋さんから修理屋さんへ送るときはどうなのかと。
これも聞いておいたほうがいい。事故が起きてから、お店と揉めるのも嫌だろうし。
修理店に直接持ち込んで、修理店から手渡しで受け取るのが一番いいとは思うが・・・。
ライカのMデジタルが故障したらライカジャパンに手渡しが一番いいのだろうけれど、近くにない場合は?飛行機、新幹線に乗って手渡しか?(それが一番いい)
新品・中古品などで店舗から通販購入時はいいが、手元に届いてからしばらく使用して、個人で修理のために30万円を超えるカメラを送ることができるのは、佐川急便のセーフティサービスと運送保険の補償だけと言う現実か?(他にもあれば教えてほしい)
ヤマト宅配便、ゆうパックは送れない(わけじゃないが)30万円までとなっている。
(事前に30万円より高価なものはダメと言われているのに送った場合は補償の時にかなり不利になるのではと思う)
50万円までならゆうパックのセキュリティーサービスか、佐川急便の運送保険。
それ以上なら佐川急便の運送保険のみか?
うーん。
自己責任か?
すごくモヤモヤした状態だが、配送事故による紛失もあり得るものとして、できるだけ高額なもの、希少なものは直接手渡しが一番良いかと思う。
これだけ、ネット通販が発達して配送料が劇的に増加している中で紛失の確率も上がっていくと思われる。
また、通販、修理を利用する時は配送時の紛失についての補償を調べておいて損はない。
特に古い機械式フィルムカメラの場合、個人の修理店に送ることが多いと思うので、30万円を超えるもの、代替の効かないものについてはくれぐれも発送時にリスクと合わせて考えたほうがいい。
「形見分けのフィルムカメラ」の紛失とか・・・。
オークションやフリマアプリの場合はもっと注意が必要で今回問い合わせたり、調べてみて、自己責任という言葉をしみじみと感じた。
(唯一引っかかるのは「おてがる配送」が30万以上の商品でも使えるようになっているシステムか)
最近のデジタルカメラ、レンズは高額化していて、軽く30万円を超えている物が多いので・・・どうしたものかと。
結局はリスクと補償のバランスを見て、使うかどうかとしか言いようがない。
他にこういうサービス使っているなど情報があったら教えて欲しい。また間違いなどがあったらご指摘いただければと。
33万円。欲しいぜ!