実はちょっと前に斧田小夜さんからブロニカ用レンズ「KOMURA 200mm f3.5」をいただいた。
66中判カメラで換算110mmの中望遠だ。
「純正ハンター」の私は純正フィルター、純正キャップ、純正フードを揃えてから、カンカン照りの中、海上自衛隊の下総航空基地へ行ってきた。
斧田さんのかっこいい写真と文才。すごい知識量だといつも思っている。
センスの前提は知識だなと思う。
学ぼうとせずに私にはセンスがないとか言うなよ〜。
千葉県の自衛隊と新京成線
千葉県民には身近な存在の?自衛隊。千葉県の東葛地域にある新京成線沿線は軍用列車だと言わんばかりに自衛隊の駐屯地が配置されている。
もちろん旧日本陸軍鉄道連隊の払い下げ線だからだ。
津田沼周辺には"精鋭無比"の第一空挺団及び"S"こと特殊作戦群(Special Forces Group:SFGp)、航空自衛隊パトリオット部隊が配置されている「陸上自衛隊習志野駐屯地」がある。
・陸上自衛隊 第1空挺団 | 第1空挺団は、陸上自衛隊唯一の落下傘部隊です。
鎌ヶ谷周辺には今回の「海上自衛隊下総航空基地」があり、松戸には陸上自衛隊需品学校がある「松戸駐屯地」。
需品科って災害被災地では、お水を配ったり、自衛隊風呂を作ってくれているところ。
ちなみに千葉市若葉区にある「下志津駐屯地」は陸上自衛隊高射学校隷下の「高射教導隊」もあったりと意外に千葉県は首都圏から近いこともあってか、ミサイル配備が進んでいたり、教導隊とか空挺団とか精鋭が揃っている感じがある。
成田街道を走って入ればかなりの確率で空挺団の鉄帽を被った隊員が運転する車両とも遭遇したりかなり身近な存在。
子供の頃は「自衛隊の落下傘部隊だ」とか呼んでたな。
他の県にもそう言う部隊はいっぱいあるんだと思ってた。
その中の海上自衛隊下総航空基地は「下総教育航空群」としていわゆるパイロット育成のための基地といったところ。
いつも東葛地域で低空飛行しているP-3Cを見ることができる。
そろそろ後継機のP-1が見られるかも?
ぐるっとね。
中望遠で狙う航空基地
管制塔を遠巻きに撮ってみた。
200mmは換算約109mmで中望遠域だね。画質がいいのでさらにトリミングするのも手だな。
この日も暑かったので夕方に行ってみたが、周辺を低空でP-3Cと思しき哨戒機がすでに上がっていて訓練は行われている様子だったので、これは基地周辺に行けば離着陸する超低空で「爆音」を浴びることができるかもと思って近づいて行った。
すると、本当に真上を灰色のP-3Cがグォーーーーンと飛び立っていくのが見えたので、しめた!これはいいものが撮れるぞと意気込んで行ったらが、どこで撮ったらいいのかわからない・・・。
事前のグーグルマップで調査したつもりだったけれど、ぐるぐる基地の周りを回っていたら正門の前に出たり、砂利道に出たりと困り果ててしまった。
すると17時過ぎた頃から全く飛ばなくなってしまった。
ああ、訓練時間が終わってしまったようだ。
仕方なく、回ってみていいなと思ったところを撮ってみることにした。
レーダーか?通信施設?ぐるぐる回っていたのがかっこいい。
下に梨農園みたいなのがあるのが千葉って感じ?
さらに回り込んで南側から。
二段(f8ぐらい)ぐらいまで絞り込んでシルエットで。西日が逆光になっていい感じ。
この鉄条網の巻き方がなんか軍事っぽい?
これがKOMURA 200mm f3.5の実力か!?おそらくf3.5の開放。この立体感。
ファインダーで覗いていてゾクゾクした。
ISO50だと日中、夕方西日でもf3.5の1/1000あれば開放が切れる。
西の空に飛行機雲。私には珍しくアオってみた。
手間のボケがすごくてファインダーをのぞいていて楽しかった。
もういっちょ!かっこいい!
網越しの滑走路。開放で。
KOMURA 200mm f3.5の最短は2m
このKOMURA 200mmは最短が2mほどあるようなので歩道で撮影する時にガードレールの端まで下がっても最短ピントで柵に合わない。
もう少し下がるとピントが合うんだがそうすると今度はガードレールから出ないといけなくなるので交通の迷惑になる。
思い切って道を渡って反対側から撮るとか工夫が必要だった。
まぁ、こんな暑い時でさらに何にも飛んでいない時に撮影をしている人なんて誰もいないから怪しさ満点だよな。スパイだ!って。
でもここまで自由に撮れるところだから混む日は混むんだろうなと思う。
KOMURA 200mm f3.5について
絞りf5.6。かなりシャープなレンズだと思う。ボケも悪くないと思う。
絞りf3.5開放。四隅はゆるゆるかな。ボケもざわつき始める。
絞り値でこんなに描写に影響が出る。特に周辺光量に変化が出る。
今まで中判を使っていてここまで周辺が落ちたことがなかったのでこれには驚いた。
日中、ピーカンの時に周辺が落ちるのも変かなと思うし、ピーカンの時は当然絞る(絞らざるを得ない)のでフラットな写真になる。
夕暮れ時に開放でこう言う光量落ちはドラマチックに見えるので使い方次第だなーと思う。
こうやってみるとほとんど歪みがないかな?(少し樽型?)開放の周辺の流れは仕方ない。ちょっと絞ればいい。
しかし、このレンズ気に入った!開放と一段絞ったあたりが面白いか!?
5群5枚というレンズ構成らしいがどんな構成なんだろう?やっぱりクセノタール型?
ブロニカ 用のKOMURAレンズは他に135mm f2.3とか100mm f2とかあるらしい!
が、すごく数が少ないらしい。
重いぞ、重いぞ、うれしいぞ!
あとは重さ。
室内でレンズをつけてフンフンフフン♪とやっているときは気づかなかったが、外で手持ちで12枚、たかだか1時間弱で手首が痛くなった。
重さにしてどれぐらいか調べた。
ブロニカS2のボディで1780g、レンズはフードをつけた状態で680g。合計2460g。
多分今までで一番重いと思う。
ただ、ずっしりしているけれど持っていてバランスは悪くないんだな。
それでも一時間もじっと片手で持っていると効いてくるな。
ちなみに重いカメラのペンタックス67で1200g、重いレンズで55mm f3.5が920gなので合計2120g!ペンタックス67の方が軽い!
なんてこと!うれしい!あ、木のグリップをつけたら逆転するな・・・。
三協光機というメーカー
コムラーは三協光機と言うメーカーのレンズ名で社長の小島さん、専務の稲村さんの名前を取ってコムラー にしたとか。
残念ながらもう存在しないメーカーだけれど、ライカマウントのレンズや中判大判のレンズが多くあるように思う。
三枚玉のKomura 105mm f3.5とか使ってみたい。すっげーシャープな写りで欲しい。
コムラーレンズはこの辺りの画角のレンズが多いようなイメージがあるな。
戦後できた日本のメーカーには今はもうなくなってしまったメーカーも多くあるけれど、コスパに関してはライカなんて目じゃないぐらい良く写ると思うし、中判や大判にも適応できるほど技術力があったんだなと思う。
ライカ以外のカメラとレンズは沼どころか海原
フィルムカメラを趣味にして10年以上経った。
ずっとライカ、ライカだったけれど、ここ数年は今まで見向きもしなかったカメラやレンズに目が行って、ライカなんて目じゃないほどの沼に浸っている感じがする。
もう海原。「大航海時代」になった感じがする。
アクセサリーは見つからないし、安かったためか状態の良いものが少ない。
それでいて数が少ないので見つけにくいと言う三重苦。
海外からフードを買った時はmade in japanをなんで・・・とモニターに向かって呟きながらカードを切った。
特に情報量の少なさには辟易するが、得るものがあるとうれしい。
ネットで検索すると2007年ごろで更新が止まっているHPとか見つけて即ブックマークとか。
さらに2000年ごろのクラシックカメラブームの頃の古本を買ったりしている。
今回のKOMURA 200mm f3.5のフードも「KOMURA銘で67mmねじ込み」と言うだけで「純正だろう」?と言うことで買ったし、レンズキャップもお店の人に言わせると「KOMURA銘があって67mm径のレンズにはハマるだろうけれど、これがこのレンズのキャップかどうかわからない」と。
それでも揃えたいのが人の性?人情?
航空基地は今後も暇を見つけては通ってみたい
この航空基地でまだ「爆音」を浴びていないので、まだまだ通ってみたい。目の前を離陸していくところを見てみたいし、写真に撮ってみたい。
お陰で今ちょっとした「基地ブーム」で、遠巻きに望遠レンズで撮ってみたい衝動に駆られている。
別に「平和が〜」とか「戦争が〜」とか毛頭なくて、ただただ、すげーって撮りたい。
200mmとか300mm、果ては500mm、1000mmでモノクロフィルムとかポジで撮りたい。モノクロフィルムなら赤フィルターとかでドロドロさせてみたい。
暑い滑走路の陽炎とかモノクロ望遠で赤フィルターを通したらどうなるんだろう?おもしろそー。
田村彰英さんの「BASE」と言う写真集をやっと手に入れたと言うのも後押ししてくれている。
高いんだよ・・・これ。でも今回やっと定価近くの値段で買えた。10年来の探し物でうれしかった。
新しいこっちも見てみたい。
夏のこういう広い場所ならISO50でも十分。ISO100あれば万能だな。ISO400を赤フィルターで撮るのも面白いかも。赤フィルターは2段プラスだっけか?
49mmは汎用性高いよな。ペンタックスレンズとかM42レンズとか。