コシナ、ベッサほかの生産終了を発表

2018年 3月27日 リンク更新

コシナがベッサほかの生産終了を発表した。これで、ベッサシリーズは全て生産終了だ。

COSINA フォクトレンダー BESSA R3M クラシックブラック 340626

COSINA フォクトレンダー BESSA R3M クラシックブラック 340626

 

まだアマゾンにはあった。

まだ新品で買えるフィルムカメラ 

同時にコシナ製(OEMを除く)フィルムカメラは生産終了。当然だと思う。フィルム自体、「お情け」で作ってもらっているのに、フィルムカメラを今まで製造販売していただけでも驚きに値する。

ちなみに今、新品で買えるフィルムカメラは、ニコンのF6、FM-10、キヤノンのEOS1v、ライカM7、MP、M-A、富士フイルムのGF670とトイカメラ。

 今こそ!?

 これはコシナのOEMね。でも新品ならこれ。

 中古では激しい値崩れ。

 お買い得品。

 機械式。

機械式かつ露出計もなし。

もうこれだけ。(後は大判と中判が少しだけ)

フジのGF670も2017年7月に生産が終了した。

「中判フィルムカメラ GF670 Professional シルバー」販売終了のご案内 : お知らせ | 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社

もう、作って売るのは義務、意地、義理人情さえ感じる。

コシナという悪魔が手招きしていた

私のコシナとの出会いは9年前に行った、初めての中古市。初めてのオールドレンズ、スーパータクマー55mm f1.8を4000円ぐらいで買った。そこでコシナのブースで35mm f1.2のレンズを見つけて、その値段に驚いた。

10万超えていたように思う。羨望の眼差しで見ていたら、ケースから出してもらってレンズを見ている方がいた。しかも、コシナの方に話しかけていた、「安いですよねー」って。「えええ!」と思わず声をあげてしまったこともよく覚えている。隣にいた中年の男性も「ええ?このスペックなら安いよー?」とまくしたててきた。

バカな!

この人たち、絶対におかしい。10万超えているんだよ?このレンズ。中古市の前にZF プラナーをFM3a用に買ったのも、私にとっては清水だったのに、10万越えのレンズを安いだと!「いやー、このレンズは安いですよ、コシナさん、よくやってくれましたよ」と、コシナの社員とにこにこ話しているのを見て、この人たち狂っていると思った。「コシナの壺」を買わされているに違いないと思った。そして「人生を見失ってる人たちだ」と蔑んだ。やれやれと。

そこで「12mmとかいいですよねー」とか話しているのを聞き、12mm?そんな広いレンズ、普通使わないだろう?と思ったが、「そんなレンズあるんですか?」と聞いてしまう自分もいた。コシナの社員さんがほれ、網にかかった、待っていましたとばかりに微笑んで、「これ、覗いてみてください」と手に渡してきたのは、12mmの外付けファインダーだった。

ちっさ。こんなもので何が見えるんだか・・・。と、疑問を持ちながら覗いてみる。

!驚愕だった。なんだこの視野。おかしい。ファインダーから目を離して、自分の視野を確認する。もう一度覗く、おかしい。この視野はおかしい。広すぎる。人間の視野を超えている。これが写るはずがないと思った。

私は魚眼レンズですよね?と当時持っている知識を総動員して、社員さんに抵抗したが、その抵抗虚しく、「いえ、その見えたままが写ります。」とにこやかに返答してきた。おかしい、おかしい。

で、このレンズはニコンとかキヤノンに付くのですか?と尋ねると、いえ、レンジファインダーカメラのみになります。と、つれない。もちろんライカにも付きますが、こちらにも付きますと出してきたのはツァイスイコンだった。

うわーっと思った。憧れのツァイスのカメラ。シルバーのボディにブルーのバッジが輝いていた。

「ここから覗いてみてください」とファインダーを指差す。覗いてみる。「おお、明るい・・・」思わず、つぶやいてしまった。社員さんは「でしょう?」と、にやりとその表情は悪意に満ち溢れている。暗い一眼レフのファインダーを覗くことに慣れていた私には新鮮だった。

で、どうやってピントを合わせるのか、さっぱりわからなかったので尋ねると、レンズをつけて操作方法を手取り足取り教えてくれた。それはまさに悪魔の手ほどきだった。
すーっと、二重像が合致する瞬間がとても気持ちよかった。一眼レフを使ってたった2~3ヶ月だったが一気に気持ちが傾いた。シャッターを切らせてもらったがブラックアウトしないのが不思議だった。

その日はタクマー以外、何も買わずに帰ったが、頭からツァイスイコンが離れなくなった。
数日後、初めてのレンジファインダーカメラはツァイスイコンにしようと思い、銀座に買いに行った。白い箱に入った、新品のツァイスイコンを取り出してもらおうとした時に、すぐ下のショウケースに置かれた、中古のライカM6を見たら、ほぼ同額だった。
え?同じぐらいなの?と思った。
迷うことはなかった。ツァイスイコンをやめて、M6を出してもらった。完全にブランドに負けた。

当時ライカのカメラは全て露出計が入っていないと思い込んでいたので、露出計が入っているライカと教わって嬉々として手に取った。ファインダーを覗いてみた。

「憧れのライカ」だったので、舞い上がった記憶が今でもありありと思い出せる。
三角形の赤いランプが光って、露出計が入っている。これなら私でも簡単に撮れると勘違いしたことも懐かしい。

しかし、購入後、撮影してもM6で露出計がうまく使いこなせず、ストレスになり、手放してM3を購入。初めての一本目は単体露出計を使って写真を撮るも36枚全てド・アンダー。露出が全然わからなかったのだ。その後、35mm用とかなんとか言い訳してM2を購入。

以降、ハマるわけだが、しばらくしてツァイスイコンとベッサを触る機会があった。ファインダーを改めて覗かせてもらうと、その透明度と綺麗なファインダーに驚いた。M3なんて目じゃない。新品のMPと同等かそれ以上に感じた。 

そして、巻き上げて、シャッターを切るのだが、それは残念な感触だった。安っぽい。それしかなかった。光学性能はコシナ製のカメラの方が勝っているが、トータルバランスではライカの方が勝っていると思った。初めてのライカの前にベッサとかツァイスイコンにしなくてよかったと思うのは今も変わらない。遠回りになったはずだ。

ライカはレンズばかり言われるがボディはもっといいと思う。ベッサは中古ライカに負けた。こんな理由も今回の生産終了の理由の一つに挙げられるのではないかと思う。

あ、でもね、35mm f1.2は最高に安いよ。あの性能であの値段、バーゲン価格だね。この人おかしい。人生間違った方に向かったんだ。

あの時、あのコシナの社員さんに出会いさえなければ・・・。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。