9月の写真になってしまったが、ちょうどHektor 7.3cmの写真だったので、今回はHektor 7.3cm f1.9について書いてみようと思う。
このレンズは昨今のアダプターブームとデジタルライカによって10年前に比べて相場が10万円ぐらい上がってしまった。
それでも魅力があるレンズだと思うのは、開放付近での独特の写りではないだろうか。
レンズ構成は3群6枚。1931年~、生産本数は7000本ぐらい。あまり見かけないようで結構見かける。
設計者はマックス・ベレクで、ヘクトールの名前はベレクの飼っていた犬の名前というのは有名。
開放。このボケを知らないと、何が何でも解放という使い方になってしまう。
時間的にも夕暮れでISO400、開放f1.9、1/125ぐらいだった。
こういうわさわさした雰囲気とピントが外れたところ(ボケ)の処理が難しいレンズだと思うがこればかりは使って慣れていくしかないかと。
個人的に好きな写真。f2.8ぐらいだったかと。
これも開放だったと思う。
中望遠レンズは先日のdp3 Quattroの時に感じたが、狭いところでは注視したものを撮っていき、遠景は50mmより少し被写体を浮かび上がらせたい時に使えると思う。
これは遠景だけれど、50mmで撮ったと言っても分かりづらいかもしれない。
ちなみに参考までにf4ぐらいまで絞ったのがこの質感。開放だけがこのレンズの良さではないと思う。
カラーはデジタルの場合センサーなどによるものが大きいけれど、しっとりしている方かなと。
フィルムで。滑らかな感じが出ているかな。
フィルムの方が相性がいいのは当たり前だけれど、デジタルで使っても、結局は使い手次第かなと。
Hektor 7.3cm f1.9について
まず、画角について、この7.3cm=73mmというこのレンズ以外ないのではないかという画角だけれど、バルナックライカの当時に作られたレンズなので外付けファインダーがあるのだが、73mmという外付けファインダーはSAIOOと言われる、折り畳みアルバダ式の73mm外付ファインダーを使うか、35~135mmまで対応しているユニバーサルファインダーを使うしかない。
ちなみに折りたたみ式のSAIOOは去年初めて見たがレンズが2~3本買えそうな値段だったので諦めた。
私はHektor7.3cmを使う時はあえてM6で75mm枠を出して使うことが多い。
その枠よりも少し広めと認識して撮っている。
または、以前、コシナから出ていた単体の75mmファインダーをバルナックにつけて撮るときもある。
まぁ、ミラーレスなどで使うには必要のないものだけれど。
やはり、73mm~75mmレンズというのはスナップにも使えるがちょっと集中力が必要な画角だと思う。
寄っていくのは簡単だが最短1mというこのレンズでどんな撮り方ができるのかと言えば、木村伊兵衛のポートレイトやセイケトミオ氏の写真が参考になるだろう。
真似して見たが惨敗である。しかし、そこから身につくものもあると思っている。
また、開放の独特の描写に振り回されないように撮っていきたい。レンズに撮らされるというのがぴったりのレンズだと思う。
ちなみにフードとレンズキャップのセットを買わないと後で揃えるのはかなり大変で、時々、e-Bayなどにフード単体などで出ているが、別に揃えた方が多分セットで買うより高くなる。
むしろ、なんでフードだけ出ているのかが気になるところ。
レンズ壊したのかな、それともフードだけ拾ったとか!
銀座辺りに落ちているかもしれないぞ!
ご参考までに。dp3 Quattroの75mm。
RPX400はコントラスト低め?
T-MAX400はTRI-Xと区別がつきません・・・
レンジファインダーで使うと距離計と相性が悪く、ピントが合わない場合もあるのでよくチェックすること。
トイレに持ち込んでうーんと唸る。その描写に。
これはレンズ以外にもアクセサリーとかが豊富で本当によく読んだ。ボロボロだ。