写真好きが選ぶ写真集5冊

写真を一杯見るということは刺激になっていい。特に素晴らしい写真に出会えたら写真が楽しくなる。ああいう風に撮ってみたいなとか、いい写真を撮れる様になりたいって。特にスランプの時はよく写真集を見る。私がよく見ている写真集。今スランプかなぁ。 

aremo-koremo.hatenablog.com

 ZOE/セイケトミオ

www.pgi.ac

これ、バイブル。モデルZOEを撮り続けた写真集だが、とにかくセイケトミオさんの素晴らしさが分かる一冊。中々のお値段だったが買ってよかった。私はこの写真集があるから写真撮ってる。それ程素晴らしい。モノクロームの質感が素晴らしい。黒が輝いている。

セイケトミオ=ライカ、銀塩モノクローム、銀塩プリントマスターと言う位有名だが、最近はシグマDP2をはじめ常に最良を模索している姿勢は本当に素晴らしい。 シグマDP3 Merrillのカタログはセイケトミオさんによる物だ。まさかセイケさんがカタログを撮るとは!このカタログはカタログを超えてる。今のうちにカタログだけでも手に入れておくべし!

実写ギャラリー | SIGMA DP3 Merrill : スペシャルコンテンツ

この写真を見たらDP3Mが欲しくなる事は必死。

毎年この時期になるとブリッツギャラリーで個展を行っている。

トミオ・セイケ写真展「West Pier」 - デジカメ Watch

Blitz Gallery, Tokyo

可能な人は見た方がいい。写真について深く考えさせられる。そして写真をもっと撮りたくなるはずだ。昨年はDP3で撮った写真だった。それを見て私はDP3購入を決意した。多分に影響を受けている写真家だ。

tseike.exblog.jp

 40 Years of Photography /ジャンルー・シーフ

www.jeanloupsieff-gip.com 

 一杯あるが一冊目にはこれ。安いしね。この値段でこのボリューム!と言う位、お得。

シーフにも凄い影響受けてる。特に広角レンズで。モノクロ&広角と言えばジャンルー・シーフと言うくらい有名。広角で風景の中にモデルがぽっつーんって。M4にスーパーアンギュロン21mmが彼のイメージだが実はハッセルもニコンも使っている。ヴォーグ等のファッション紙で活躍した。また、シーフの子供達を撮った写真も撮っても素晴らしい。

数年前に写美に飾られる前のオリジナルプリントも額装前に見ることが出来たが、熱が籠っている様な熱いプリントだった。

東京都写真美術館 ジャンルー・シーフ写真展 Unseen & Best works 

それでいて繊細なところもある素晴らしい写真だった。とにかくカッコいい写真。どこかで見た事があるかもしれない。CDジャケットにも使われた。妖艶で艶やか。

 

 

 

At home / 上田義彦 

超有名な人ね。去年写真集を一杯処分したがこれは残したいと思った。妻、桐島カレンと家族の写真。ほんとうに優しい写真で一杯。穏やかなトーンで静かな空気を感じる。家族写真の見本のような写真で一杯だが一冊の作品として見られる。奥さんの桐島カレンからライカM4とズミルックス35mmをプレゼントされたと聞いたが、なんてうらやましいと思ってしまった私は俗物である。実際のプリントも見たがやはり印刷された物とは全く違って優しいトーンだけではなくキッチリとコントラストがあったことに驚いた。じーっと見つめてしまった。 

Walking with Leica(ライカで散歩)/北井一夫

北井一夫 - Wikipedia

 

 

 

最近とても有名になって説明が要らないほどの写真家。第一回木村伊兵衛賞受賞作家。日本カメラの「ライカで散歩」の連載があったのだがそれをまとめたもの。最近は震災後の東北も撮っている。それが最近の個展、「道」だ。日本カメラは北井一夫の連載があったから読んでいたと言う位好き。視線が本当に普通なのだが他人には撮れない。当たり前の光景をこれほど深みある切り取り方をすることにとても憧れている。

ご本人が話していたが「なぜ電柱とか電線が入っているんですか?」と問われて、「入らない方がおかしい」と飄々と答えていた。

これは目から鱗だった。なるべく入らない様に撮る事もあると思うが、

『電柱、電線があって当たり前、それを排除する方が不自然』

と言う視点に溜飲が下がる思いだった。もっと自由になっていいんだと思った。しかし、北井一夫さんのような写真は本当に撮れそうで撮れない。どこにでもあるようでどこにもない写真。写真散歩好きな方なら是非手に取って欲しい。

北井一夫さんは成田闘争を撮った1960~70年代は「過激派」や「抵抗」、「三里塚」が代表作だけれど、(※自費出版した写真集のオリジナルはすでに買えない程高い)写真集が売れなくて「本を積んで寝床にしたり椅子にした」と言っていたが、今は値段が高くなって買えない程だ。どこにもない。恐らく海外等に流れたかと。

「フナバシストーリー」もすごくいい。 団地の生活。昭和50年代、1980年代の「あの頃」を思い出させる。高度成長期の船橋をつぶさに見てさりげなく撮っているがとても貴重な写真集。

 

両方とも買ったが六興出版の印刷の方が好き。どちらかと言うとアートと言うより報道写真に近い物を感じる。北井一夫さんは必ずもっと有名になって、今ある物が絶版になったら普通の値段では買えなくなると思う。

北井一夫さんと言えば、「ライカM5とエルマー5cm」だ。エルマーは私も大好きなレンズだ。

「エルマーで撮って、エルマーで焼く」と言うのも教わった。

今、自家プリントしているのも北井さんから「是非自分でプリントして欲しい」と言われたからだと思う。また、「35mmと50mmがあれば大丈夫でしょう。」とあの笑顔と雰囲気で飄々と言われて、とても恥ずかしく思ったのもいい思い出。

 東京大空襲の全記録/石川光陽

石川光陽 - Wikipedia

ドラマで一躍有名になった。私もそれで知った。

3月10日東京大空襲 語られなかった33枚の真実 - Wikipedia

石川光陽は東京大空襲直後の東京を撮った、警視庁の警察官。空襲直後のあれだけ鮮明で大量の写真は石川光陽の物しか無い。GHQにもネガの提出を強制されたが頑に拒否し、家の庭に埋めて没収を免れた。凄惨な遺体も多く写る物だがこれがなかったらどれだけ悲惨な空襲だったか、戦争とはどれだけ悲惨な物か伝える事が出来たのだと思う。私が歴史の教科書等で見た写真は石川光陽の物だった。アートと言う物とはほど遠い写真だが「記録」と言うもう一つの写真の宿命を完璧に全うしていると思う。石川光陽も「ライカDIIIとエルマー5cm」を使っている。 

他にはマルティーヌ・フランク、スデク、クーデルカも悩んだが惜しくも今回は落選。