バルナックライカDIIを"返却"して、お金が入ってきたんだよね。
憎けりゃ殺す、それが人間ってものじゃないかね。(シャイロック:ベニスの商人)
お金があれば使う、それがお金ってもんじゃないのかね。(アレモロック:レンズの商人)
そういうわけで、やっと手に入れた。SマウントのNikkor P.C 8.5cm f2。
Lマウントも含めて1万本ぐらいはあるはずなのに、結構苦労した。
欲しいと思う、他のレンズに押されて(?)後回しにもなっていたのかもしれない。
黒も存在しているが、狙っていたのはシルバー、フード付き、OH済み品で。
- お店にて
- お店での談笑が一番楽しいかも?
- 105mmのレンズ
- アレモ商事はホワイト?
- Nikkor P.C 8.5cm f2のスペック
- SP以外は外付けファインダーが必要
- 3.5cm、5cm、8.5cmと揃ったが・・・
- S型ボディは?
お店にて
お店に入るなり、ガラス越しに3本のシルバーが目に入った。
とりあえず出してもらって、3本を並べて腕組みして、ふーむと何かわかっているフリをする。
3本ともOH済み品。うーむ。まずは見た目。
一番安いもの"A"はまぁまぁ。フードなし。フロント・リアキャップは非純正。
次(プラス2000円)"B"はフード、フードキャップ付き。
リアキャップは純正だがすり減って当ててるだけ。あと絞りなどの少し刻印が擦れているかな。お店の方は一番お買い得かもと。
フード別売りは「ほぼない」とのこと。それはよくわかってるぞ。
ましてや48mmフィルターはないと言えるぐらい見つからないと。だろうなと。
さらに"Bに"プラス4000円の"C"はフード、フードキャップ付き。リアキャップだけ非純正。見た目は綺麗。
レンズの状態はどれも似た感じでヌケていて、少し前玉にスレ傷がある程度。
Aは付属品と合わせて考えるとB、Cに劣るかと。フードなどを"前もって"揃えて持っている方にはオススメかもしれない。
さて、BとCに狙いは定めた。BとCの値段差は4000円。その差は果たして。
店員さんが仕入れ値の違いなんですよとのこと。Cはほとんど儲けが出ないと。
Bはどうかなとレンズを覗いたあと、絞り操作を見る。問題なし。
ヘリコイドはOH済みだから問題ないかなと思いきや、最後の無限のあたりでシャリっとする。
AとCはそういう感じはしないのでどうなのでしょうか?と尋ねると、触ってみて、うーん、これはもうこういう状態になってしまったんでしょうねぇと。
もう直らないと思います。結構、S(マウント)はレンズを交換時に無限にしないといけないとか色々ありますからね・・・と。
で、フードありのCを触ると、Aよりいいじゃん。刻印もまぁまぁ綺麗に残ってる。
レンズの状態の違いはほぼなし。
あとはお値段・・・だな・・・とつぶやいていると、では・・・と電卓を取ってくれて、パチパチパチ。一番高い、Cはこれぐらいにはなりますと。
ほほう、と冷静を装う。
で、ヘリコイドが少ししゃりしゃりするAはこれぐらいと。電卓を示してくださった。
最初の差が4000円ちょっとあったのが3000円まで埋まった。
はい、Cに決定。
ありがとうございます〜。プチプチに包んでもらいながら談笑。
お店での談笑が一番楽しいかも?
【アレモ(以下;ア)】あのう、最近S3のブラックが気になっているんですが・・・。いわゆる再生産型のブラックがありますよね。
でも、オリジナルブラックがあると聞いたんですが、あるんでしょうか。
【店員さん(以下;店)】ありますね。
【ア】やっぱりあるんですか。
【店】ええ、当時報道と米軍向けに作られたという話ですが、200台ぐらいみたいですよ。
【ア】どれぐらいの相場なんですか?
【店】いやぁ、無いでしょう。あったとしても天文学的な数字になると思いますよ。
【ア】天文学的な数字・・・ですか・・・。
【店】ええ。
【ア】シリアルで、見分けるということらしいのですが、どうでしょう?
【店】ああ、ニコンのシリアルはあてにしない方がいいですよ。
【ア】え!?そうなんですか?
【店】ええ、あんまりあてにならないです。ライカ以上に合わないですから。
修理で同じシリアルの上蓋とか使われている場合もありますから。
【ア(妄想)】おお、それはそれで偶然出くわしたS3ブラックを持ったカメラ女子と同じシリアル番号だったとか奇跡が起きるかもしれない。
それが出会いで云々とかな!
興奮さておき。
【店】あと、オリジナルブラックは後塗りされているものも多くて、もうオリジナルかどうかわからないですね。
今から30年ぐらい前にオリジナルブラックの偽物が出てきて(1990年代のクラカメブームの時?)以来の後塗りペイントなので、今見つけるとハゲているのもあるんですよ。
すると、オリジナルのハゲなのか、それとも後塗りのハゲなのかわからないんです。
【ア】ああー。
【店】ですので、再生産=オリンピックを買った方が安全かと思いますが、オリンピックも不明なところが多いいので、これはもうどうしようもないです。
【ア】ああー。
【店】私もオリンピックを一台持っていますが、友人からは偽物だと言われていますし。ははは。
【ア】ええっ!?・・・気持ちの問題みたいな話ですね。
【店】そうですね、私がこれは本物って言い張っているだけですから。ははは。
【ア】ああ、そうなんですね・・・。(確かにメーカーでもわからないかも)
【店】そういう意味では「2000年の限定」を買った方が安心だと思いますよ。
ザ・ワークス:Vol.17 ニコンS3(ブラック限定モデル/2000年限定モデル) - Enjoyニコン | ニコンイメージング
当時税別48万だったそうだ。今では・・・未開封品で30万以下になってる・・・。
【ア】ああ、なるほど。
【店】きちんと作ってあるでしょうし、偽物ということもない。まだまだ使えるものですから。
古いカメラはやっぱり古いカメラですしね。
【ア】すごい重みのある言葉だ・・・。
105mmのレンズ
【ア】あと、ショーケースの中で気になった、Lマウントのコムラー105mm f3.5。
あのう、あのコムラーの105mmって、3枚玉ですよね?
【店】はい、そうですね〜。
【ア】どうですかね?結構シャープですか?
【店】ええ、基本的に3枚玉に悪い玉はないですね。テッサーの前ってことですが、基本テッサーも3枚ですから。(3群4枚で3枚のようなものということ)
【ア(心の中)】ほほう。1万しないのか・・・。あー。あー。あー。一緒に持って帰りたくなる衝動。
【ア】あ、105mmと言えば、ニッコールの105mm f4はどうですか?
【店】ああ、あれも良く写りますよ。私はいつもリュックに入れています。軽いんでね。f2.5より持ち歩きに楽でいいです。
最近のD850とかのセンサーにも負けないぐらいよく写りますよ。
【ア(心の中)】ー「センサーに負けない」・・・刺激されるこの言葉。ー
【ア】ですよねー、軽いレンズの方がいいですよねー。
【店】あと、SよりF(マウント)の方がオススメですね。
【ア】え?なんでです?
【店】安いですから。
【ア】あ、Sは9万以上、Fは4万円代。半額。ははは。なるほど。
【店】あとね、F(用)の方が少し小さいんですよ。
【ア】へぇ〜。フードとフィルターは専用ですよね?
【店】そうですね。まぁ、フィルターは34.5なので適当にでもいいんですが、やっぱりピッチが違うのでちょっと苦労しますかね。
あとフードは私は持ち歩きません。使いません。
【ア】え?
【店】だって、貴重すぎて、落として壊したら・・・ねぇ?
【ア】はは・・・笑えないですね・・・。
多分ライツのフード単体より全然安いんだろうけれど、無いのよ。フード単体って。案外。
【店】だから、外で使うときはゴムフードにしていますよ。
【ア】ああ、なるほど〜。
そうだよなぁ、コレクターズアイテムって、ほんと蒐集用で、実用は社外品だよな。
ツイッターとかで見せびらかす時には純正を見せる。そういうもんよ?でも、実用は写り重視にしたいから深いゴムフードとかの方が軽くていいかもしれないな。
とかなんとか話しているうちに、はい、カードですとカードを返却してもらい、保証書とレンズを紙袋に入れてもらう。
ニコンの紙袋はもうなくなったのかな。普通の紙袋になっていた。
店名が入っていないのがうれしい。(?)
アレモ商事はホワイト?
ちょっと脱線。アクセサリーについて。
お金積めば買えるライツのフードだけれど、ニコンとか戦前ツァイスのフードは値段は安いんだけれどないのよ。
探すための人件費にお金がかかりそうなものなの。
例えばライツのフードが5万(あのズマロン2.8cm f5.6のフード、"SOOBK"とか)で買えるじゃない?
でも、戦前ツァイスの"GERMANY 42"刻印だけの42mm被せフードなんて、下手したら1万以下。残りの4万は人件費みたいなものになるからな。
時給1000円x8時間=8000円/日x5日=4万・・・5日しか探すことができない・・・。
うち"アレモ商事"はブラックじゃないからね。ホワイトだから。きっちり8時間労働。
ん?後ろにあるムチで叩くんじゃないかって?違うよ、俺が叩いてもらうんだよ。カメラ女子に。
ムチスキー・・・ムチンスキーだった。
Nikkor P.C 8.5cm f2のスペック
いわゆるダンカンレンズ。三木淳氏が来日したダンカン氏を撮影して、そのプリントを見て驚いて、工場まで行った話。
それで買っていったのが5cm f1.5と13.5cm f4で、朝鮮戦争を撮り、世界を驚かせたという。
今、世界中から日本に訪れている人が首からぶら下げているカメラがNIKONなのも、この人とこのレンズの出会いがきっかけとも言える。
発売 |
1948年(昭和28年) |
マウント |
S、Lマウント |
重さ |
532g(フード込み) |
フィルター径 |
48mmねじ込み or シリーズ7フィルター |
絞り枚数 |
10枚 |
レンズ構成 |
3群5枚 テレゾナー |
生産本数 |
21249本 |
フード |
ねじ込みBN-48(被せもあり) |
参照;Nikon Lens Versions and Serial Nos
この本はすごいぞ。必携。
発売は1948年で昭和23年。戦後すぐ。
最初はf16までの絞りだったのがf32までに変わる。私のはf32なのとシリアルが29からなので便宜上「シルバーの最後期」と言ったところか。
80とか90から始まると相当若い番号。28~29までが普通の番号かな。
テレゾナータイプで、3群5枚構成。ダンカン氏曰く「日本製ゾナーだろ?」
最短は3.5ftなのでおおよそ1m。
重さは見た目通り重い。約485g。フード込みで532g。なお黒は340gとだいぶ軽くなる。
フィルター径は48mmだけれど、ねじピッチが今のピッチと違い、入れづらいというかハマることはハマるけれど、合わない感じ。
なので、シルバーのニコン銘などない、そっけないフードを分割してシリーズフィルターを入れる方がいいかなと。
しかし、当時の48mmフィルター、シリーズフィルターは滅多に見つからないと。
はー、これまた大変なので、適当なフィルターを裏返してフードに入れてごまかそう。誰もフードを分割して中まで見ることはしないよね?(私はするよ)
48mmを裏返して入れてるけれど、カタカタ言ってるから、49mmかな?
フィルターもバカにならんよね。
SP以外は外付けファインダーが必要
まぁ、シリアル的にS2に合わせた方がかっこいいのか、同じシルバーなのでSでもいいかと思っているが、どちらにしてもSPのように85mm枠が出ないので外付けファインダーが必要。
ズームファインダーがあるのでこれも良いなと思うが、専用のシルバーの85mm外付けファインダーもいいなとか。
ソコソコのお値段しちゃうけれど。
まぁ、ここまできたらSで使うならズームファインダー。
S2とかなら単体ファインダーで行くか。
どっちにしても単体ファインダー必要じゃん!
単体にしろ、ズームにしろ、外付けファインダーつけた方がかっこいいからな。
ズームファインダーはそろそろニコンS用に変えたい。今の私のズームファインダーは7.3とか9とかが刻印されているので「バルナックライカ兼用」ということになる。
このズームファインダーも前期と後期があってこれまためんどくさい。
さらにライツのヴィドムみたいなのもあってさらにめんどくさい。
3.5cm、5cm、8.5cmと揃ったが・・・
これでニコンS用レンズはNikkor・C 3.5cm f2.5とNikkor S.C 5cm f1.4が2本(SとS2を買ったらセットだった)、Nikkor P.C 8.5cm f2と広角から中望遠まで。
レンズは何を撮るかで決まるかと思うので必要に応じて揃えればいいというけれど、私の場合、別に必要性に駆られて買っているわけじゃない。
欲しいから買う。買ったから使うの。使うために場所を選ぶの。
グーグルマップを眺めてる。楽しい時間。
例えば25mmなんて極端なレンズが欲しくて、高いお金払って買うでしょ、そうしたらとりあえずブログに買ったって書くでしょ。
それから写真を撮りに行く場所を選ぶの。25mmだから広いところがいいかな、いや、広角だからこそ狭い路地か?とか。
で、またブログ書くの。それぐらいの目的で買ってるから。
さて、どうか。25mm f4も28mm f3.5も135mm f3.5 (f4)も欲しい。
35mmはf3.5もf1.8も欲しい。50mmはf2も欲しい。
・・・道のりは遠い。
特に25mm f4は遠く険しい。ファインダーと専用フィルターとフィルターアダプターセットがいい。ないんだこれが。ファインダーとセットは多いんだけれどな。
揃っているのなら、L、S問わずで行くか。
S型ボディは?
今はNIKON S、S2を持っている。どちらも満足している。しかも安い。ライカみたいに法外な値段がついていることはない。
あれ?S2がやってきたの記事がない。今度書くか。
今欲しいのはS3のブラック。オリンピックとか再生産、追加生産とか言われてる。
ブラックペイントでもライカほどの値段はついていない。10年前のライカブラックペイントぐらいの値段。
果たして・・・。
今、オススメなのはS2かな。50mmレンズ付きで5万円代で見つけられる。なんか中身もしっかりしている気がする。
50mmメインでやるなら、これで十分楽しい。次に控えるはライカになるのだろうけれど。
くくく・・・。
撮ってきた