2019年1月19日 本当に2台目を買ったを追記
Flexaret VI(フレクサレット6)が欲しい欲しいと言っていたら、フォロワーさんよりご連絡をいただき、縁あって私の元へやって来た。
しかもほぼフルセット。ストラップ、フードx2、UVフィルターx2、レンズキャップ、さらに35mm用アダプターまで!
目次
- Mepta社のFlexaretとチェコスロバキア
- チェコスロバキアのカメラマン、クーデルカ
- FlexaretVI
- FlexaretVIの機能など
- FlexaretVIの相場
- 追記:本当に2台目を買った
- Belar 80mm f3.5レンズ
- 背面
- 35mmフィルムも使える
- 教育上、または婚活のため一台買う
Mepta社のFlexaretとチェコスロバキア
ちょっと歴史を触ってみる。FlexaretというカメラはMeopta社が作った二眼レフカメラでFlexette(フレクセッテ)から始まってFlexaletVIIまで16種類ある。
135カメラでは24x36mmのライカ版より少し小さい24x32mm版のOpema(オペマ)などがある。特にBelar80mm f3.5は名玉の誉れ高く、私もその評判通り写真を拝見して一発で虜になって欲しくなった。
Meopta社はOptikotechna(オプティコテクナ)という名で1933年に創業し軍事光学用品やカメラ製造メーカーとなるも、ヒトラーの「チェコスロバキアを地図から抹消する」発言や「ミュンヘン協定」を経て1938年の「スデーデン割譲」を受けてドイツへ軍事光学用品を納入するようになる。
戦後、共産主義体制になり国営化される。現在もカメラ製造から撤退したが光学用品メーカーとして存在している。チェコとアメリカに会社を置いているようだ。
ほらアマゾンでもあるよ。優れた光学メーカーだ。案外狩猟用ライフルとかにつけている人もいるかも?
しかしニコン然り、ツァイス然り、カメラと軍事は切り離せないように感じるよね。
チェコスロバキアのカメラマン、クーデルカ
チェコスロバキアといえばプラハの春。プラハの春といえばクーデルカだろう。
クーデルカはこのプラハの春を撮影し極秘裏にアメリカへフィルムを送り、匿名でロバートキャパ・ゴールドメダルを受賞しマグナム入りする。
私は写真を始めた頃、すぐに名前を知り写真集を買った。
このポケットサイズの写真集はほんと色々な写真家のものを買ってお世話になったな。
戦車の乗って銃口を向けるソヴィエト軍(ワルシャワ条約機構軍)兵士に自分が無防備であることを示し、ジャケットを広げている青年の写真にとても衝撃を受けた記憶がある。
のちの天安門事件の"タンクマン"そのものだ。そして2011年の都写美で「ジョセフ・クーデルカ プラハ侵攻1968」を見て衝撃を新たにした。
ここWWIIあとの世紀は革命の世紀なのかもしれないな。Facebook革命然り、現在進行形の国家もある。
FlexaretVI
今回手元にやって来たのFlexaretの6型。多くの方からFlexaretなら6型がオススメと言われ、そしてネット上の先人たちも6型を推している。
Flexaret VIは1961年から1967年に作られた。1989年の「ビロード革命後」、1993年に「チェコ」と「スロバキア」に「ビロード離婚」した今はなき国家チェコスロバキア製のカメラでMADE IN CZECHOSLOVAKIAが泣かせる。
シリアルナンバーも調べたいのだがネット上では見つけられなかった。
こちらはチェコ語だけれど、最初の数字の"6"-159...が1966年を指しているらしい?
・http://www.flexarety.cz/flexaret-vi/
また旧共産主義国家にありがちな体制崩壊時に一気に新品デッドストックが2000年ごろ大量に日本に流入したとも聞く。ロシアレンズも時々デッドストックが出てくるよね。
FlexaretVIの機能など
1がシャッタースピード設定レバー。2、フォーカシングレバー。3、絞りつまみ。4、セルフタイマーレバー。
シャッタースピードは1/400まででMetaxシャッター。1/500までのプロンターシャッターもある。
フォーカシングレバーは相当使いやすい。この振り子型のレバーはもしかしたらミノルタオートコードにも影響を与えたのではないか?
絞り設定はちょっとやりづらいかな?でも開放しか撮らないだろ?な?たまにf5.6に絞るとまぁこんなものかなと。一度設定すればそんなに動かさないと思うのでOK、OK。な?
シャッターボタンは珍しく右側(向かって左側)前面についている。
巻き上げは本当に楽。セルフコッキングで巻き上げと同時にシャッターチャージをする。
さらにシャッターボタンには誤作動防止用ロックもある。これには感動した。
ブローニーは高いのでからシャッター切ると相当損した気分になるからさー。
大きなダイヤルが巻き上げダイヤル。下にある小さな丸い窓がカウンター。その左にあるのが35mmフィルム用カウンター。
フィルム装填も楽。スタートを合わせて、蓋を閉めてカウンターで1が出るまで巻き上げる、いわゆるセミオートマット仕様。
赤窓式から比べると棍棒と銃ぐらい違うな。
カウンターも自動復元だし、ほんと戦後のカメラはすごいよ。
ピントはフレネルレンズが入っていないので四隅は絶望的な暗さで、また全体的に暗いがルーペで合わせれば問題ない。天気のいい日に持ち出せよ。
あと軽い。約975g。Rolleicord IVが840gほどだ。
RolleiFlex 2.8Cで1200gなのでかなり軽く感じると思う。お散歩にちょうどいいと思う。
いつもお世話になっております。
FlexaretVIの相場
ちなみに2018年7月現在のeBayでの相場はおおよそ1万ぐらい。1万だぞ!1万!これは買うしかない!?製造時期で選ぶとかシャッターとかで選ぶとか2台ぐらい持っていても損はないな。
参照までに。
追記:本当に2台目を買った
2019年1月19日 追記
本当に2台目を買った。
Belar 80mm f3.5レンズ
このカメラの肝はBelar80mm f3.5レンズだと思う。
3群4枚のテッサー型でいたって普通のレンズ構成なのだけれど、試写に行って来てびっくりした。
単層コーティングだと思うがカラーでもまぁよく写るのなんのって。
レンズにはフード。
フードがかっこいい。
絶対につけようなフード。探すとないし、結構値段もすると思われる。
しかし美しいグレーだ。
背面
120フィルムと35mmフィルムをを使い分ける時に使うカウンターとフィルター係数と露出補正、モノクロフィルムについて書かれたプレート。
Ortho(オルソ)はフィルムの種類ね。
へぇ〜、オルソ(クロ)マチックだとUVフィルターでも半段のプラス補正が必要なんだ!
オルソパンクロマチックフィルムは青と黄色にしか反応せず、赤色に反応しないので赤を撮ると黒になる。(Ortho-pan、Panはパンクロマチックでいいのかな?)
オルソクロマチックフィルムはRollei名義でOrtho25が出ていなかったっけ?
・かわうそ商店 / 白黒フィルム Rollei・ローライ Ortho25 plus ブローニー120サイズ 1本
印画紙はこの赤色に反応しないオルソクロマチックの作用を利用して赤色のライトの下でプリントができるのね。
カラー印画紙はRGB全ての色に反応するから完全暗黒でプリントする。(あってる?)
今のモノクロフィルムはもちろん全ての色に反応してパンクロマチックと呼ばれている。
だからNeopan(ネオパン)って呼ばれたりする。FOMAPANとか。
・Cosmetics and Skin: Panchromatic Make-up
ここ面白いよ。モノクロフィルムがどんな色になるかわかりやすい。
35mmフィルムも使える
Flexaretは35mmフィルムも使える。Rolleiのローライキンみたいな感じ。
ファインダーに最初から35mmフィルムの縦構図が入っているのを見るともとから設計思想に入っていたということになる。
こういうファインダーは初めて見た。
ここ上部のデザインも上に書いた35mmフィルムの枠になっており、これを倒して使える。
ホットシューのようなところは35mmフィルム仕様時に外付けファインダーをつけるためのもの。
この外付けファインダーが欲しい!あとケース!
教育上、または婚活のため一台買う
このカメラ、とりあえず一台買うといいと思う。
だってチェコスロバキアの勉強にもなるからね。
考えてみろなんでチェコスロバキアという国がなくなったのか話題になった時に、ビロード革命がねとか、ビロード離婚がねとか、チェコのことスロバキアのこと話せたら絶対にモテるだろ?
チェコとスロバキアってすぐに地図で示せる?
「ここだよハニー♡」って言えたらかっこいいだろ?
世界地図を眺めることってあんまりないよね?
それにホトトギスを泣かせたのは誰か知っていても、近現代史もあんまり知らなかったりね。
もうね、絶対に婚活にも使えるし、チェコとかスロバキアに旅行した時にMeoptaって会社がねって・・・知識をひけらかせば彼女や奥さんも心を開くに違いない。
その知識、絶対に必要。Flexaretが結ぶ縁が少子化を防ぐんだよ。
そういうわけでFlexaretを買うのは我が国家のためだ。富国強兵だよ。
次回、リバーサルフィルムで撮った記事へ!
実際に撮った記事