以前欲しい、使ってみたいと書いていた"ヨンサンハチロク"(ヨンサンパーロクとも)ことAI Zoom-NIKKOR 43~86mm f3.5を手に入れることができたので早速撮って来た。
非AIでもよかったんだけれど、たまたま整備済み品がAIでこれならF3でも使えて便利かなと思った次第。
お値段ビタミン剤一本分ぐらい。
レンズを舐めればビタミンCが摂れるので実質ヨンサンハチロクというビタミン剤。
効きそうじゃない?
え?一年も前?そんなにフラフラしていたのか・・・。
ランチに立ち寄った、築230年という古民家の宮崎邸すごくよかったぞ!すごい混むので要予約だ!
ヨンサンハチロクはクセが強い
撮影は佐倉城址公園。43mmの開放で。
この周辺見てよ。
すごくない?風が吹いているわけじゃないんだよ?真ん中しか写ってない。
四隅はビューって流れてる。ビューじゃないな、ビュッ!だな。
もしかして片ボケ?と疑っているぐらい。
でもね、83mmのf5.6ぐらいだとこれぐらいになる。
まぁ古いレンズを使って来た身としては特に不満もないかな。
ピントが無限というのもあるかな?
旧陸軍の施設が少し残っているこの公園、これは小銃などの油=オイル、グリースを保管していたところらしい。
一応まっすぐ写っている・・・かと思ったらなんか曲がってる?気のせいか?いや、曲がってるな・・・。樽型ってやつ?
あと、これね。今回撮った中で一番ひどいやつ。もちろん開放。
これはね、私が悪い。このレンズでこういうところを撮るのが間違っていたんだなと。
多分、建物もダメよ。めっちゃ曲がるから。
周辺はざーって流れてどこにピントを置いたのか忘れてしまって、ネガをルーペで覗いて探したんだけれど、すべてがぼやっとしていてわからなかった・・・。
多分、私の性格からすると一番手前の木だと思う。
でもニッコールレンズらしさもある
これ。周辺は死んでるけれど、中央はほんとよく写ってる。
なんかニッコールだなって思った。何が?って解像感が強いからかな?
43mmと86mmで撮り比べ
これは43mmで開放。
左側がすごい勢いで流れているのがわかる。これもこのレンズの特性を理解していない私が悪い。
86mm開放で。
ボケはうるさい?被写体としてはこっちの方が落ち着いているかな。
86mm開放。
あれ?これは43mmかな?
43mmでf8。嫌な感じはないかな?
86mm、f8。歪んでいるのか歪んでいないのかわからない感じ。
この二枚は佐倉ふるさと広場。
このレンズをどう生かして行くか
どんなレンズも生かすも殺すも使い手次第なんだけれど。
これも開放なので右下がザーッと流れている。いやほんと片ボケかな・・・って。
83mmで。f5.6かf8ぐらいまで絞ればこの通り。穏やか。
ここは暗かったので開放。
多分50mm付近なんだけれど、やっぱりピント面が滲んでいる。
よく古いレンズで滲んでいるけれど解像しているって多いけれど、これは解像しないレンズ。
これぐらいの画像サイズならわからないぞって。
水辺で。
隅に木があるけれど、もともと曲がっているから気にならない?こういう水辺は好きだなー。
これ。右下すごい。急流のように流れてる。
43mmで開放最短1.2m。ボケもめちゃくちゃだな。紫陽花がリングみたいになってる。
多分43mmあたり。f5.6に絞っている。
まぁソツがないというか普通に写っているかな?うるさく見れば四隅がーってなる?
これは慌てて撮ったんだけれど、結構お気に入り。
43mmで開放かなぁ。この公園はお散歩の方も多くいらしたな。
ヨンサンハチロクで撮ってみて
このレンズ、最初期は7群9枚だったようで1976年に8群11枚になり、かなりの変更が加えられているようだ。私のはもちろん後期の11枚。
このレンズは焦点距離50~70mm、撮影距離3メートル前後で最良の描写になるよう設計されており、ズーミングによって色収差とコマ収差が、またピント合わせによって非点収差が大きく変化する。
ニッコール千夜一夜物語 - 第四夜 | Enjoyニコン | ニコンイメージング
そ、そうだったんだ・・・。50~70mm付近か。
そう言われると50mmあたりの時は落ち着いている感じがするような?
50mm~70mm f3.5として使うのも手だし、あえて収差を利用して43mmと86mm付近を多用するのもアリか。これは使い手次第だし好みの問題かな。
デジタル全盛の今の「基本ズーム=キットズームレンズ?」なら開放からバリバリ写るのだろうけれど、そうはいかないこのレンズは「昭和の基本ズーム」みたいな感じかな?
お手軽ズームとして一本持っていてもいいかもしれない。
AI 50mm f1.4Sに変えて
松虫寺に移動して。
いやー、何この落ち着く感じ。50mmは家に帰って来ましたって感じ。
ズームレンズの時はヘリコイドを動かしているつもりで知らぬ間にズームリングも動いていて覗いて戸惑うこともあったけれど、単焦点レンズはもちろんそういうことはない。
そうそう勝手にズームリングが動いていることがあってほんと戸惑った。
これだけは馴染めなかった。
被写体を見つけて、これはこんな感じでと構えてファインダーを覗くと全然違うの。
それでズームリングをぐりぐり回すと更に混乱。それで疲れてしまった。
単焦点だと迷いがなくなる。
すっと立っている位置で撮れる。頭の中で構図が出来上がっている。
ファインダーの中でそんなに悩まないのが楽。
f1.4と言うのも使い勝手がいいし、最短45cmというのも万能すぎる。
開放のこのボケ、嫌いじゃない。なんだろうね、この違い。
50mmって感じの写りとボケ?多分開放だと思う。
うるさいボケだなー。失敗、失敗。
この落ち着き。なんだろね、この感覚。撮っていて楽だった。
50mm f1.4は基本のき
50mmは落ち着くわー。
バルナック の時に5cm f3.5のエルマーをつけた時と同じように落ち着く。撮りやすい。迷わない。
このF3と50mm f1.4で一年間撮り続けたら多分、なんか得るものがあるんじゃないかと思う。
一眼レフと50mm単焦点のセット。
今回ズームと撮り比べてみて、尚更見直した。
いいんじゃない、このセット。
F3だって3万切るし、50mm f1.4だって、1万ぐらいからあって、探さなくても自分の手元に転がってくるほどいっぱいあるし。
カメラ女子はこのセットが欲しいーって言えば、50mmレンズの一本ぐらい"親切なおじさん"がくれると思うぞ。
男子とおっさんは自力で探せよな。50mm f1.8もあるので今度試したい。
基本のセットで撮った記事。いいよ、F3と50mm。
今回は定番のモノクロだったけれど、カラーネガで撮ったらどんな感じになるんだろう 。
こういう高級カラーネガフィルムも使ってみたいぞ。