まだ蒸し暑い9月に匝瑳(そうさ)市にある、立正大学の発祥の地である「飯高檀林跡」へ行ってきた。
初めて行った時の記事。
カメラは久しぶりのContax IIとBiogon 3.5cm f2,8に外付けファインダーをつけて、フィルムはT-MAX400。
コダック高いよね・・・。10本8700円の時に買ったもの。今は10本9800円。
いつもながら操作が難しいというか使いづらいカメラだが、戦前のツァイスレンズを使いたくて使っている。
目次
ランチは「たけおごはん」で
ちょうどお昼前に着いたので「たけおごはん」へ。
和風のランチ。肉も少なく胃もたれしない。
ロールケーキ。もちもちうまい。
結構お客さんが来ていて驚いた。人気なんだな〜。
席も空いているところは少なかった。予約入れてから行った方がいいかも。
いいですな。ここ。
飯高檀林へ
北側の駐車場に停めて、パッと葉っぱを見るとアマガエルのお迎え。ゲコゲコ言っていなかった。
葉っぱをよく見るとそこかしこにいて可愛かった。
フィルムは装填済みなのでさっそくカメラを片手に。
お掃除あと?これからお掃除? f4ぐらい。
北側に停めるとお寺の裏手から入ることになる。
そして檀林跡の"講堂"を眺める。本堂ではなく、ここは仏教の学問所なので"講堂"と呼ぶ。
この写真を撮る前にそちらに行くと、なんと講堂が開いていた。
これは珍しいと思い覗き込んでいたら、中で数名の若い男性たちと一人の60代ぐらいの男性がいた。
男性はこちらに気づくとお声掛けくださり、「(開いているのは)珍しいでしょう?」と。
「はい、そうですよねー、初めて見ました」
「よかったら中へどうぞ」
「え、いいんですか?」
私のカメラを見ながら、「はい、残念ながら撮影は禁止ですが・・・」と。
おお、すごい!それではと靴を脱いで一礼して上がる。
中はなるほど講堂とも言えるし、お寺のよくある本堂とも言える。
そこで男性から説明を受ける。その男性はこちらの住職と言うわけではないということ。また、今いる男性たちは東京の学校から来て、こちらの掃除をしに来ているとのこと。
よくみると男性たちは20代ぐらいで皆坊主頭だった。あれ?僧侶になるための学校から?と思った。
東京だと大正大学?・・・?ん?立正大学か?と考えていたら、こちらの歴史などを説明してくださった。
建立が1579年であり、徳川家の外護を受けていたと。その後、学制の発布を受けて廃壇になったと。
なるほどーと思って天井を見上げると、驚きのものが。
4つの家紋があるんだが、なんと三つ葉葵と菊の御門が2つずつなのだ!
なぜ!?倒幕だろ?明治維新だろ!?と疑問に思って尋ねると。
そう、これは珍しいですよと。当時、学制の発布があった時にお寺側が「忖度」したんでしょうと、笑いながら答えてくださった。
いつの時代も同じですねと笑った。
また、台風対策のためにお堂の中に太いロープが張られていた。昔の建物なので揺れるのでそれをこれで揺らされても、伸び縮みさせて守っていると。
いやー、いいもの見せてもらった!
その後、学生さんがたったったと出てきて講堂をスマホで撮っていた。
同級生に「おい、入っちゃってるからどけよ」とか。
そこで撮影後にお声掛けして、すみません、学生さんとのことですがもしかして立正大学の方ですか?と尋ねた。
「あ、はい、そうです!」
「あー、やっぱりそうでしたか」
「はい、いやー、今日はラッキーですよね」
「そうですよね、講堂が開いているのは初めてです」
「そうですよね〜」
「もしかして、僧侶になるために通われているのですか?」
「はい!そうです!」とハキハキと答えてくださった。つるんときれいに剃り上がった頭も清々しく思える。
私の下もつるん。
何を言わせるか、ここは神聖なる場所。
「それでは頑張ってください」
「はい、ありがとうございます!」と言いたったったと立ち去っていった。
楽しい会話だったなー。
飯高檀林は杉林の中にある。薄暗い感じでとても雰囲気がいい。
35mmは少し広かったかなと思いながらパチリと。そして巻き上げにくいノブをグリグリ巻き上げる。
キャパはよくこんなカメラでノルマンディーに上陸したなと。銃持っていた方がまだ安心な気がする。
ここを僧侶たちが歩いていたのかなとか空想する。
シンとした空気。
手に蚊が吸い付いてくる。かゆい。
開放。このBiogon 3.5cm f2,8好きだなー。Summaronとも違うし、もちろんElmarとも違う。独特。
何人の僧侶がこの道を通ったのか。道すがらなんの話をしたのか。おい、今日のパンツは何色だ?とか?
色即是空。
色気出すから不具合が出た
正門に近寄って、パチリパチリと撮ったあと、正門を降りて眺めて、また正門をくぐって戻って行こうとしたところ・・・。
パチリ。巻き上げる。・・・あれ・・・クランク側=左側のダイヤルが回ってない。
まさか・・・。
試しにもう一枚。パチリ、そして巻き上げ・・・やっぱり回ってない。
滑ってる!
カウンターを確認。12。
ええ!?もう一枚、巻き上げる。ああ!やっぱり滑ってる!カウンターは進んで13。
いつから滑った!?
これはもうダメだな・・・巻き戻してギリギリ、ベロ残して、再装填してキャップか何かで塞いで15コマぐらい空シャッター切って撮り直した方が安全。
底蓋のボタンを押しながら巻き戻す。ぐっ、ぐっと、手応えはある。ここまでは巻き上げていたようだ。ただし、フィルム自体は10枚程度から空振りしていた・・・。
慎重にスプールから外れる感触を探す。
?外れた?もう少し?ん?
だめだ、わからん。じっとしていたら蚊に刺された。かゆい。
本堂に戻って意を決して底蓋を外す。あー、全部巻き上げちゃった・・・。
がくり・・・。
原因は?
これ、Contax Iでもやったし、このContax IIでも以前やってる。
わたしゃ、装填ミスで何度も木村伊兵衛賞を逃してるよ・・・。
この時も実はこの時、モノクロリバーサルを装填せず、普通のHP5+を装填したが同じように滑らせて、慎重に巻き戻ししたがやっぱり飲み込まれた。
ベロ出しを唾でやったがダメだった・・・。
さて、今回もフィルムピッカーさえあれば・・・と思ったが、そもそもなんでこうなったんだと。
あ、最初の装填の時に巻き込み不足か!少しでも撮影枚数を稼ごうとして、少ししか巻き込みをしないと滑るんだった・・・。
ライカだと半コマぐらいで、なんとか巻き込んでいくが、Contaxは確実に巻き込まないとダメなんだった・・・。
これは・・・。どうしよう・・・。
ぷーん、ぱちん!蚊が寄ってくるのでとりあえず車に戻る!
車に戻って、巻き込んでしまったフィルムはもう仕方がない。何か予備のフィルムは?と袋を覗き込むとある。頂き物の2013年に消費期限が切れたEfke50があった。
これを・・・装填してみよう・・・。たった10枚程度で帰るのもシャクだ。
今度は慎重に一枚巻き込みを確認して底蓋を締める。
逆回転させてピンと張ってから巻き上げる。
クランクは回った。
つづく・・・。
ぐえー
ここでフィルム装填を学べばよかったか。
アレモ従軍記。
なんかさー、いろいろあるよね・・・Contaxって。自分のせいだけれど。