フィルムカメラの今後について

フィルムも高騰して、年々、倍々でフィルムカメラで撮ることをバイバイしている人も多いのと思う。

これだけ値上がりすると、「昭和の頃の値段と比べても高くない」と言われても、実際のお財布感覚とはかけ離れたものだ。(それでも買うかな)

昭和のフィルムカメラで撮る時は記念日とかだけでお正月にフィルムを入れて年末に現像に出すレベル。

一般的なフィルムカメラは1980年〜90年代に量販されたコンパクトフィルムカメラがそうだと思う。

どこか出かけた時になど、記念に撮るという感覚。

父の形見カメラに50mm f1.4をつけた。結構これで撮ったな。

フィルムカメラは一部マニアのもの、ハイアマチュアなどの趣味として存在しているものという感覚。(実はカメラ趣味自体、今も同じだぞ)

1986年に写ルンですが出て、その後普及し、一般人にとってのフィルムカメラは終わった。

「写ルンですで十分」ということなのだ。

そして2000年ごろからデジタルカメラの出現。トドメにスマホ。スマホに至ってはカメラそのものを駆逐したといっていい。

写ルンですと同じ。これで十分ということ。

さて、フィルムカメラの今後について。

業務としてのフィルムカメラ

これは特にクライアントが指名しない限りあり得ないだろうし、Lightroomのプリセット当てた方が、コストカットもできるし自由自在。業務としてのフィルムカメラでの撮影は極端な方向になると思う。

あえての大判カメラとか。写真湿板とか。

例えばこれだ。これでさえ2018年。100年前の写真技法とか書くと話題性あるよね。

結構面白かった。

作品のためのフィルムカメラ

こちらはもっと苦しいと思う。アートのためなので、印画紙の選択、フィルムの選択、現像液の選択、もしくはラボの選択がほぼできない今、アートのためのフィルム写真はかなり少数派になると思う。

たまたま、好みのフィルムと印画紙などが残り、自分自身の基準をクリアできれば、それでアート作品を作り続けることは可能だとは思う。

あとは買い手がどう捉えるか。プリント一枚に20万円などを払うかどうかなどなど。

趣味としてのフィルムカメラ

さて、ここが本命なわけだが。

大判カメラなどの古典的カメラは生き残るかもしれない。フィルムを年に一度の受注会で生産数を決めて生産が続けられるかもしれない。極端に言えば、まだカメラを作れる。

一般的な135判、中判はすでに終わっている。なぜならカメラの生産が終わっているから。ライカが細々と作っているが、あれは作っているという形を残しているノスタルジーなビジネススタイルだ。いや、ビジネススタイルとしてやっていけるのがすごいが。

バルナックなどノスタルジーの極みだな。

個人的には、今の中判カメラの高騰ぶりが一気に弾けるのが2023年、今年あたりかと思っている。

理由は二つ。一つはフィルム暴騰。二つ目はコロナ明けによる、フィルムカメラに対する資金離れ。コロナ前のように海外旅行に行くようになると、そっちにお金使うようになる。(高級デジカメは売れるかも)

NEW MAMIYA7が20万以下に、Rolleiflex 2.8Fが15万円に下落とか。

でも、フィルムは5本で18000円。

しびれる。

新品カメラはライカの復刻M6で70万を超える。

そろそろ届き始めているのかな?

果たしてどれだけ買うのか。実用に、趣味に70万を払って、フィルムに1500円払い、現像代金をやはり1500円ぐらい払う。週に1本撮るのか?

年間10本程度でもM6を70万円出して買ってくれるだけでもすごいか。ライカなら50万円のレンズも買わないとだな。

現像環境の終焉

一世を風靡した、NIKON F3などの国産一眼レフも今や中古市場にあるだけ。(しかし、PENTAXよ!)

カメラはもうあるだけの奪い合いになってるのは周知の事実。お金のある人から買っていく。

いくらフィルムが盛り上がっているとしても、新規の乳剤を使ったフィルムをもう作ることはもう無理だろう。(予想を裏切ってほしい!)

シール貼り替えの"シネフィルム"を"新規製品"として売っておしまい。

現像はどうするのか。カラーネガ現像機は老朽化し、生産も終わっているので、今後は壊れたら"ニコイチ"などで直していくのだろうが、結局は中古フィルムカメラと同じ。ないものはない。

現像機がなくなれば、モノクロ自家現像よろしく、カラーネガもリバーサルも職人がタンクを振るしかない。

aremo-koremo.hatenablog.com

カラープリントも職人の手現像。お値段は1本あたり、薬品の高騰もあってモノクロフィルムで3000円はかかるだろう。その代わり大量に現像しなくなるので納期が短くなるかもしれない。

それとも現像機がなくなれば、誰もやらなくなるか?果たして、どれだけの人がプロとして、生業として現像をやるのか。

フィルムカメラを趣味にする人はもれなく自家現像なのか?

エモさの更新

若い子達が2000年ごろの130万画素とかの"オールドデジカメ"に手を出し始めていると聞くが、それも納得。

2023年現在、2000年生まれの人で23歳だぞ!高校生で18歳なら2005年生まれか?自分が生まれる前のデジカメというのが存在するんだもんな!

dc.watch.impress.co.jp

なんと初代EOS5Dだ!あ!初代GRD(800万画素!)もか!これこそ今のCONTAX T3とかに代わるものになるかも?

お金を出せる範囲で「エモい」こと=楽しいことをする工夫を若さがもたらす。

年寄りは自分だけが知っている価値観にしがみつき、自分を保とうとする。

老化で脳が萎縮するので創意工夫をする意欲も失う。気力体力を失い、価値観の更新ができなくなる。

熱意は若さなのかもしれない。

フィルムカメラブームも始まった頃はCONTAX T3が10万切っていた頃だと思う。それがあれよあれよと30万円。部品がなければ直せないものであっても欲しい人は買う。

それでもいいのだ。趣味だから。直せない。じゃあ次のT3を買うでいいのだ。それができれば。

またはフィルムはもう懲りたのでオールドデジカメ買う。そしてオールドデジカメが高騰するの繰り返し。CCDセンサーの指名買いになったりして。

あとは投機としてのフィルムカメラは残ると思う。昨今のビンテージライカがそういうものだろう。

どのライカが「これから値段が上がるか」で買うものを決める。

カメラとしての役割は終えたのだ。カメラの価値ではない、資産としての価値だけだ。動くか動かないかよりは、箱が揃っているかとか、ペイントロスがないかなどの外観の部分に価値がある。あとは希少性。

これは貴金属と同じ。流通量がなければ需要と供給の関係、資本主義。

高騰するカメラは高騰し続け、一般的なカメラという定義から外れていく。

しかしこれも暴落する時が来るかもしれない。前述のコロナ明けのお金の動きの変化だ。富裕層がビンテージカメラにお金を使わなくなる。お金が余らなくなる。

最近、車が値崩れ起こし始めているとか。これらは前触れかすでに起こっているのかもしれない。

S2000が暴落とか。今後どうなるのか。

フィルムカメラが安くなっても売れない

高騰してしまったフィルムのために、例えばNIKON FM3AとAI NIKKOR 50mm f/1.4Sがセットで2万円で売っていたとしても、フィルムが一本1000円から2000円の世界でどれだけの人が買うのだろうか。

このセットで2万円ならみんな飛びつきたくなる値段だとは思うが、それをどうするのか?年に1本ぐらいフィルムを使うのか?

フィルム一眼レフとレンズ50mmと35mmを1本ずつだけとか持って、たまーに旅行に持って行くとか。友人の結婚式はスマホで。

2000円のフィルムと2万円のカメラセットで1年に10本撮るかどうか。他はデジカメで埋め合わせするか?

するともっとフィルムは高騰するはず。どんどん生産を終えるはず。

現像機も稼働率が下がり、廃棄されるだろう。

ネットで便利な郵送現像なんて言っていたが、身近に本当に現像する場所がなくなって富士フイルムの専門店に送るしかないとかになるかもしれない。

そもそも、今現在、フィルム写真が趣味という人は稀。希少種だということを胸に打ち込んでおけと。

フィルムカメラはすでに終わった

終わったのだ、フィルムカメラは。これからどうするのか、自分のカメラをよく見て考えろ。

レンズだけは今後も高騰していく。まだデジタルで使えるから。

レンズが高騰すれば買えない人は画質を落とすソフトフィルターを買う。そういうのがどんどん出てきて、画像に関しては魑魅魍魎の世界になると思う。

フィルムボディは未整備品が増える。整備に出しても売れなければ整備に出せない。修理屋さんも儲からなくなり、今の代で終わりだろう。レンズ特化になるか?

いくら話題のカメラ修理士が直して売っても、フィルム自体、鉄砲で言う弾が高ければ使える状態のカメラでも売れない。直しても売れない。名称がレンズ修理士になるか?

修理して末長く使うことがエコロジー?

エコロジー(環境対策)ができる人はエコノミー(経済的収入)で満足している人だけだ。

発展途上国に環境対策をしろ!と先進国が言っているこの世の中。

これからの30年をカメラの修理で食っていけるかというとメーカーでデジタルカメラの修理以外は厳しいだろう。そもそもデジタルカメラも危うい気もするが。

修理人がいなくなればカメラは直せず、カメラとして機能しなくなる。先ほど述べた投機価値のあるものだけが不動品として存在し続け、高騰していくのだろう。

例えばシャッター幕がダメでも当時のオリジナルのものが残っているということであえて幕交換を含む、OHをしないとか増えてくると思う。

やはり、カメラ整備ではなくレンズ整備専門になればやっていけるかも?写真はレンズが撮るので。

皮肉にも使われないカメラがカメラとしての価値を失うが、資産価値は上がり、さらに高騰していくのかと思う。骨董品か。

2025年のバルナック100周年がどうなるか。

実用品と言われるカメラは売れず、使われず、このまま終わると思う。

フィルム価格の暴騰による終焉

結論としては、今後も続くフィルムの値上げでフィルムカメラも終わる。

鉄砲はあるけれど弾がない。カメラはあるけれどフィルムが買えない。

念写するにしてもフィルムは必要だしな!

私個人としては今年のフィルムの値上げでとどめを刺される気がする。特に代理店が変わったイルフォードの値上げもきつかった。

ILFORD HP5+は990円から1300円へ。

(1本1300円で買うと高い気がするので、10本で13,000円出す方がいい気がするのはなぜ?)

フィルムカメラを完全に止めることはしないが撮影本数を減らさざるを得ない。

2023年2月現在、コダックのエクタクロームは約5000円。フジのプロビアは約2000円。

 

 

値段がもっと高くなり、フィルムが無理と思えるようになったら、細々とアクロスを使っていこうと思っている。ひと月に1本ぐらいのペースで。

中判はすでに諦めた。もしかしたら気が向いたら中判デジタルに手を出すかもしれないが今ではない。

2023年中に再度値上げがあると思う。次はエクタクローム、プロビア、それぞれが6000円、3000円か。

あなたはいつまでフィルム写真を続けるつもりだ?別に作家じゃないので辞める宣言しなくてもいいけれど。

私もここしばらく定価でフィルムを買ってない。期限切れ間近や期限切れをアウトレットなどで買うようになってきた。10年前のようにフィルムを湯水のごとく使うのは限界なんだなと思っている。

私にとってはFilm is Dead!なのだ。

Film is not Dead!っていうならDead(期限切れ)Filmを使うなよ。新品フィルム使っていこうぜ。

2022年のフィルム撮影本数は数えたら、トータル32本だった。結構撮ったもんだ。

物価高騰、燃料費も高騰してるね。ウクライナの戦争はあと3年は続くよ。

ここ最近、SNSでカメラ屋さんが若い子がフィルム高騰のせいか、買いにこなくなったと言うのを見かけて、これはフィルムカメラブームも終わったんだなと思った。

スタバの新作フラペチーノが1000円、フィルムが1000円どっち出す?みたいな世界なんだよ多分。

フィルムカメラ持ってフィルム写真散歩に出かけてスタバ入れるかどうか。まぁ入るか。

690円なり。フィルムと比べると安く感じるな。

写真映えをするためにどんなカメラ使う?スマホ?デジカメ?フィルムカメラ?

年に1本のフィルムでフラペチーノを1年間撮ってインスタにアップするのがエモいんだぜ!

「フィルム写真をやるなら今しかない」というセリフはそろそろ終わりかな。もうすでにその「今」は過ぎ去った。

それでもやりたいか?やるか?やろうか!旅は道連れだ!

aremo-koremo.hatenablog.com