私はロマンを買っているのだ

srdk.rakuten.jp

ちょっと前に読んだ。放っておくものか。女性が綺麗でありたいと思うことになぜ否定しようものか。綺麗でいたいと思わなくなったら、それは悲しい。

どんどん化粧品は勝って欲しい。そして服も買って欲しい。

もし色々と諦めたらカメラとレンズを買って欲しい。微力ながら応援したい。

服代をカメラ代に回すだけだ。魅力は何も変わらない。

なぜ同じようなカメラ・レンズを買うの?

人は私に問う。

なぜ、同じようなカメラ、レンズを買うの?と。

50mmレンズがなんでこんなにあるのと。カメラがなんで二台もあるの?と。

なんでこんなにカメラとレンズが必要なの?と。

そんな時は私はいつもこう答える。「ロマンを買っているんだ」と。

そう答えるとおおよそ多くの人は納得してくれない。納得してくれる人はそもそもこんな質問をしてこない。

そこで「ロマンとは何か」という人類の大きな問いについて私なりに答えて行きたい。

浪漫飛行

浪漫飛行

 

生粋の音痴(自分で外していることがわからない方の音痴)の私がカラオケで歌う数少ない曲のうちの一つ。

あとは「夢の中へ(斉藤由貴ver.)」と中森明菜の「愛撫」と「タッチ」と「デビルマン」だけだ。

学園祭で皆の前で初めて、気分良く「Get Wild」を歌って大爆笑をとって以来、歌えなくなった。いわゆるPTSDだ。

音程を外しているとは全く気付かなかったし、今もわからない。カラオケなんて絶滅すればいい。憎んでいる。みんな下向いてポケモンGOやればいいんだよ。

例えばレンズ、50mmとか

人はなぜこんなに50mmに惹かれるのか。

都市伝説と言ってもいい「50mmレンズ標準説」がある。

これによるものが大きいのかもしれない。初心者の頃、知ったかぶりした人に「初めての単焦点なら50mmがいいよ。人の目に近いから。」とか言われたり、「標準レンズを使って足で稼がないと上手くならないよ」とか言われたからという人も多くいると思う。

それは嘘だ。君は騙されている。

うまい人は何を使ってもうまい。下手な人は何を使っても下手だ。

ズームで撮ってもうまい人はうまい。単焦点で撮ってもうまい人はうまい。逆も然りだ。

また、「コンパクトカメラ」に単焦点35mmとか28mmがあるのはなぜだ。なぜ50mmのコンパクトカメラがないのだ?答えろ。

ホコリ問題を抱えているらしい。そんな些細なこと気にするな。

誇りさえ持てばいいんだ。GRを持っている、使っていると言う誇り。

つまり"GR"ブランドという名のプライド。

ではなぜ、50mmレンズを買うのか。

50mmは人気があるのでメーカーも気合いを入れる。気合いを入れるから写りがいい。写りがいいから人気が出るの無限ループ。

気合い=ロマンである。

カメラ・レンズは気合いだ。

ちなみに写真も気合いだ。

そして、50mmレンズは種類が豊富だ。開放値だけで見てもf3.5からf2.8、f2、1.8、f1.4、f1.2、f1.0、f0.95等。

20mm f1.4なんて「これしかない」と言うものだから「必要だから買った」と言える。

SIGMA 短焦点広角レンズ Art 20mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応

SIGMA 短焦点広角レンズ Art 20mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応

 

なぜ、f1.8なんだ?なぜ、f1.4なんだ?なぜ?と疑問を持つといい。レンズが増えるから。ネガティブな疑問ではない。

好奇心という名の物欲だ。いや、向上心だ。

初めての単焦点レンズ、50mm f1.8を手にいれた。

憧れだった50mm f1.4のレンズを手にいれた。

ソニー Planar T* FE 50 mm F1.4 ZA SEL50F14Z

ソニー Planar T* FE 50 mm F1.4 ZA SEL50F14Z

 

大きなボケを見てさすがプラナーってモニターに向かって一人呟く。

そんな時にちらっとf1.2という文字を見つける。

Canon 単焦点標準レンズ EF50mm F1.2L USM フルサイズ対応

Canon 単焦点標準レンズ EF50mm F1.2L USM フルサイズ対応

 

このレンズの大きさ、すごいなぁ。どんな写りをするんだろうと夢を見る。値段を見て現実を見る。

Nikon 単焦点レンズ AI 50 f/1.2S フルサイズ対応

Nikon 単焦点レンズ AI 50 f/1.2S フルサイズ対応

 

こっちなんてレンズ口径はたったの52mmだ。夢があるのか?使ってみろ。MFだぞ。

そんな頃、ハッと振り返ると、58mmとか「変な画角」のレンズが気になりだす。

どんなボケなんだろうと夢を見る。ピントよりもボケが気になるのか?

もしかしたらと希望を抱く。そしてモニターに等倍画像を映し出した時、ピントが外れていて絶望する。 

レンズ構成もトリプレット、テッサー、ゾナー、(ダブル)ガウス、など挙げたらキリがない。

トリプレットの3枚レンズだけであんなに撮れるなんてすごいと思わないか。

それの後ろに一枚だけ足しただけなのに、もっと良く写るテッサーなんてプラナーが"帝王"なら、"プリンス"と呼びたいぐらいだ。だから色々なカメラに搭載される。

さすがに最新レンズでテッサー型の新製品が発表されることはほぼなくなったが、名機と呼ばれるカメラたちには多く採用されている。

「貴婦人」と呼ばれる、コンテッサにも45mm f2.8のテッサーが搭載されているし、京セラコンタックスのTプルーフなどの「名機」と呼ばれるカメラにもテッサー35mm f3.5が搭載され、その写り故今だに人気だ。

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1950-1955: ZEISS-IKON CONTESSA 35. Zeiss Ikon AG, Stuttgar… | Flickr

みんな「貴婦人」っていうけれど、これが貴婦人なのか?と言う疑問を持った人はいないのだろうか。

テッサーに写りに驚いた当時のライカレンズ設計者のベレクさんは絞りの位置を変えてエルマーって名付けたぐらい、真似したくなるレンズ。

絞りの位置が前か後ろかそれが問題だ。

ゾナーの生い立ちなど、奇跡以外何者でもない。

プラナーの設計者ルドルフが学位を持った専門家だったのに、エルネマンという会社に見習いで入社し、1920年に当時の最速と言ってもいいf2.0のレンズ、エルノスターを設計するも、高卒ゆえCarl Zeissには入社できず、Zeiss Ikonに入社したベルテレが設計したのだった。

彼は天才と呼ばねばならん。その天才が設計したゾナー、使ってみたいと思わないか?

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ゾナー - Wikipedia

プラナーはいいレンズだという人の人格を疑うようなことはない。

しかし、ゾナーの方がいいという人は変わってると言わざるを得ない。

なんでプラナーを買わないんだと。プラナーとゾナーを一緒に使える人は少ないだろう。

なんか違うんだ。写りが。買ってみるしかない、わかるから。

借りちゃダメなんだ。買わないと真剣に見比べないから。

プラナー50mm f1.4とゾナー50mm f1.5を買ってカメラを三脚に据えて開放1mで撮り比べて見るがいい。違いなんてほとんどわからないから。

「でもゾナーだから」という思い込みは大切だ。ゾナーだから買う。プラナーだから買う。それでいい。

Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZE (キャノンEF)

Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZE (キャノンEF)

 

 

フランジバックがー、とか言うな。問題は名称だ。

例えばシグマの50mm f1.4をプラナーかゾナーかと問う人はいない。(ゾナーであることはないが)

しかし、ついメーカーHPのレンズ構成図のページを見てしまう。

MTF曲線を見てしまう。かの山木社長がMTF"直線"と言うシグマのレンズに魅入られる人もいよう。

SIGMA 単焦点標準レンズ Art 50mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応 311544

SIGMA 単焦点標準レンズ Art 50mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応 311544

 

一本として同じレンズはない。これが答えである。これこそロマンである。

シグマの50mm f1.4とニコンの50mm f1.4、キヤノンの50mm f1.4が同じじゃないと言うことは全てを揃えないといけないと言うことだ。

メーカーHPのサンプル写真だけ見比べて、あれはいらないとかこれはダメとか決めつけるのでない。

買ってからダメ出しをしてほしい。買った者にしか言えないことがある。

50mm f1.8と50mm f1.4をなぜ持つのか。f1.4を少し絞ってf1.8で撮ればいいじゃないと言われたことがあろう。

撮る被写体によって変える必要があるんだよって言うのか?嘘だろう?君はf1.4のf1.8とf1.8のf1.8を撮り比べて見たのか?と問いたい。

写りが違うだろうか。買って比べて見てほしい。

私は最初からf1.4を買う。その後にf1.8を買うだろう。

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Nippon KougakuかNIKKONか。どっちがいい。答えろ。

俺の名を言え。ニッポンコウガクだ。NIKONよりNippon Kougakuの方がロマンがあるだろう?写りの違い?わからなかったよー。

よってNIKONは手放す。私は物欲ミニマリスト断捨離派なので。

私は欲しいだけなんだ。誰とも争うつもりはない。ただ欲しいだけなんだ。

取り合いになったら清く身を引く。また新しい運命を探すよ。

例えばカメラ

デジタルカメラで言えばフルサイズかAPS-C(H)か。マイクロフォーサーズか。一眼レフかミラーレスか。

全然違うじゃないか。そこにはメーカーの思想、思惑、マーケティング、設計者のサービス残業などの想いが入っている。

それなのに「フルサイズじゃないんですか?」と一言で片付けられてしまう。「早いのね」と同じだ。

さみしい時代だと思わないか。いろんな人間がいてもいいように、いろんなカメラがあっていいじゃないか。多様性を認めない社会は必ず滅ぶであろう。

フルサイズに奢るもの久しからず。早かろう悪かろうではない。遅かろう悪かろう。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D5 (XQD-Type)

Nikon デジタル一眼レフカメラ D5 (XQD-Type)

 

これなら「フルサイズですか?」の問いを無視しても良い。黙って撮り続けていい。

沈黙は力なり。能ある鷹は爪を隠していていいのだ。余計なことは言わなくていい。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D500 ボディ

Nikon デジタル一眼レフカメラ D500 ボディ

 

これでも認めてもらえないのか?

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

 

こっちなら何も言われまい。EOSのマークが全てを語ってくれる。キヤノンのマーケティングの勝利だ。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ EOS7DMK2

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ EOS7DMK2

 

航空祭が好きかい?それとも走行会?

悲願。

「すごいカメラ」で撮ってもらいたい人がいるのなら「すごいカメラ」で撮れば問題ない。だから買うしかない。

需要と供給は資本主義における基本だ。相手も「すごいカメラで撮ってもらいたい」という幻想を抱いているのだから。

幻想には幻想で応えればいい。世の中全て幻想でできているからうまく行くのだ。 

 中判なら・・・。「なんでペンタックスなんですか?」と聞かれるのか?

問題は相手が「そう思っていない時」だ。「結果を求めてきた」時だ。一体何を買えばいい。

君の夢はなんだ。美しい写真を撮ることなのか。

美しい写真をポスターみたいとか馬鹿にするな。それなら美しい写真を撮ってみろ。

いい写真を撮ることなのか。じゃあ、いい写真とは何か。

100人が見て100人とも「いい写真だね」と言ってくれるのか。

その写真を見せて芸術だと言ってくれる人はいるのか。言わない人もいよう、それが芸術だ。もしくはこれはアートだという人もいよう。それがアートだ。

カメラはなんでもいいとは言わない。とっかえひっかえ買って使ってみるべきだ。

これがいい。これじゃなかった。じゃあ、あれにしよう。 

Nikon デジタル一眼レフカメラ D750

Nikon デジタル一眼レフカメラ D750

 

 これがいいのか?

SONY ミラーレス一眼 α7 ボディ ILCE-7/B

SONY ミラーレス一眼 α7 ボディ ILCE-7/B

 

いやこっちだったのか?

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 レンズキット X-T2LK-B

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 レンズキット X-T2LK-B

 

いいや、こっちか?

いやいや、こっちなのか?

何に心を動かされた?

心が動く。それがロマンだ。

「必要に駆られて買った」いい響きだな。

「小型軽量で良く写るカメラがいい」そんな無茶言うものではない。設計、企画者達のサービス残業が増えて過労死も増えるぞ。

そんなこと言うんだったら、これを買え。

ロマンという名の塊。FOVEONと書いて「ロマン」と訳す。f0.95も同じだ。

Leica ライカ Noctilux M 50mm 0.95 ブラック【並行輸入】

Leica ライカ Noctilux M 50mm 0.95 ブラック【並行輸入】

 

私はロマンを買っているのだ。

防湿庫をしげしげと観察され、なんで同じレンズがいっぱいあるの?とか、なんでこんなに一杯カメラがあるの?などと言わないでほしい。

もっと温かい目で見てほしい。そして私の耳元でこう言ってほしい「もっと」って。

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