あなたはシンクロニシティを信じているか。そう、共時性だ。人類は集合的無意識によって意識は繋がっているというものだ。
例えば、あの人のことを考えていたら突然電話が来たとかそういう類のものがシンクロニシティと呼ばれている。
この科学の進んだ21世紀に集合的無意識の存在なんて、私は信じていなかった。ユングはオカルト的で怪しい。そう考えていた。
しかしだ。シンクロニシティは存在した。
下記の記事にて、私はコンタックスI型とテッサー5cm f3,5が欲しいと書いた。
そこにYoshiさんからコメントをいただいた。
さてこの度コメントさせていただきましたのはContaxⅠ型の件で、現在我が家にそれがあるのです。
しかしながら誰も使っておらず、自分も処分に困っておりましたので、よければお譲りしましょうか?ということです。お店でも二束三文にしかならないのであればアレモさんの物欲に貢献できればと思います。
Yoshiさん・・・・
これは素晴らしい。"お幾らぐらいで譲ってもらえるのだろう"と考えた私はすぐにお返事して、メールでやり取りさせて頂くと・・・なんと、テッサー5cm f3,5付きとのことだった。素晴らしい。して、お幾らで・・・?
お返事には"無料"で譲って頂けると言う文面が書いてあった。
何度も読み返したが無料だ。使っていただける方に・・・と。
私はこのことを知った時、己の運命に歓喜するとともに、これはシンクロニシティによる"仕合わせ"であると悟った。
そして、私は驚愕し、身体は緊張した。
お返事を頂いた時はすでに夜も更けて副交感神経モードに切り替えて、寝る準備をしていたのだが、突如、スイッチが入って交感神経が副交感神経より上位になり、全身の毛穴が開いて鳥肌が立ち、胸は高鳴り、鼓動が耳に聞こえてくるようだった。
そして、Yoshiさんを賛美、賞賛、崇拝し、氏が住んでいるであろう方角に向けて手を合わせてからベッドに入った。
ほ、本当にブラコンが・・・。ま、まさか・・・本当はYoshiさんは最小限主義者で、これは先日のそれどこに記事を寄稿したがためにお前は物欲原理主義だな、物欲にまみれていて汚い人生を送っている。
氏はそれが許せないとして、私を粛清しようと、私が油断して荷物を受け取り、沈胴レンズを引き出すと爆発するようになっているんじゃないかとか。
寝ている間にどこか知らないところに連れて行かれて目が覚めると白衣の人たちに囲まれていて、眼球がカメラの人造人間にされるんじゃないかとかなどと、今思えば大変失礼極まりない事ばかり考えてた。自分の人間性を垣間見た瞬間だ。
また、カメラの画像も送っていただいたのだが、それが大変綺麗なものなので、本当にいただいても良いのだろうかと。その日は興奮してなかなか寝付けなかった。
後日、しっかりと梱包されやってきた、コンタックスI型、通称ブラックコンタックス(ブラコン)とテッサー 5cm f3,5。
これがシンクロニシティだ。
3,2,1→これだ。
ほ、本当に?
素晴らしい!
丁寧なコンタックスの使い方が書かれた、お手紙まで同封されていた。
初めての構造で全然わからなかったので大変助かった。
手元に来てからも本当に書いていたものそのものが手元に来ちゃった・・・すごい・・・って、じわりじわりと私の心の中にコンタックスというものが染み入ってきた。
レンズを外してみた。かっこいい・・・
独特なシャッターダイヤル。下の段で速度域をセットし、上のダイヤルでシャッター速度を決める。バルブから1/1000まで。スローシャッターはネズミの鳴き声。ちゅ〜ん。
シャッターボタンと、カウンターをリセットするためのレバー。矢印も時代を感じさせる。シャッタースピードを決めて、巻き上げて、シャッターを切るととても静かで上品な音がした。
底蓋。三脚穴に折りたたみ金具がついて、バルブもB(Ver.5から)じゃなくてZなのでVer.4と思われる。
蓋を開けてみる。ニコンのFと似ていると思ったがこちらが元祖だ。スプールも見た事がない形。
これが鎧戸と呼ばれる、縦走りシャッター。スローを切ってみたが感動。いつものライカは横走りだから。
沈胴させるとこんなにコンパクトになる。バルナックほど小さくはないが、この角張った形が高級感を醸し出している。
Ver.4であるなら、おおよそ1933年製と思われる。
このストラップを通す穴が変わっている。穴の大きさが5mmほどしかないのでどうしようか悩んでいる。コンデジ用のストラップしか通らない。それでは不安かも・・・。ケースを買わないといけないかなぁ。嬉しい悩みである。嬉々。
手に持ってみると、ずっしりとしている。
先日の旧前田家本邸にも持って行った。かっこいい。バルナックよりかっこいいのだ。
私がこのカメラを持つとかっこよさが三倍。いや、五倍。もともとかっこいいのに大変。鬼に金棒どころか、アレモにカメラ。
レンズは室内で暗かったので、以前から持っていた、Sonnar 5cm f1,5のニッケル。フードはステップアップリングをかませて、ニコンのフードを付けている。
純正のフードがない。探しているのだが本当にないのだ。とりあえずフードを付けないよりマシなので。許して。
古いレンズだろうと、新しいレンズだろうとフードは絶対必要。絶対だ。フィルターよりフードだ。
早速現像してみた。こんなにワクワク、ドキドキしながら現像したのは久しぶりだ。いつもより2倍丁寧にリールにフィルムを巻いた。
うむ、問題ない。
これなど、いいものだ。
デジカメで撮ったものを反転してみた。いいじゃないか・・・。プリントしてみたい。下のパーフォレーションに像が映り込んでいるのが古いカメラの証拠。
外に出て、頂いたテッサーで。洋館と空からのフレアがいい感じ。
ブラコン、今も手に持っているのだが、どんな縁でカメラを手にするかわからないものだとしみじみ感じている。これからも大事にいっぱい使って写真を撮ろうと思う。
Yoshiさん、この場を借りまして、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!!
今、世界で一番幸せな時間を送っているのは私だ pic.twitter.com/sVaTN7ij2J
— アレモコレモ (@_aremokoremo_) 2016年3月21日