千葉県内陸部の佐倉市へ行って来た。
目的地はDIC川村美術館の自然散策路。
DIC・・・?大日本インキ化学工業株式会社・・・。ほう。
何だろう、この植物。
無料の誘惑
川村美術館は結構前からあって一度か二度、絵を見に行ったけれど場所の割に高いなーと思ってた。
で、今回は無料の散策路がある事を知って狙いをすまして散策路のみ。
理由は無料だから。無料以外理由は無い。
無料、なんていい響きなんだ。
駐車場も無料に限る。ここも田舎っぷりに比例して無料。
※2016年3月現在、有料になった。大人150円。
千葉県も佐倉市まで来るともうあと10年で限界だなと思わせる雰囲気があるが、
広大な空き地に立て看板があって、「高層マンションに隣接するイオン建設予定地!」と宣伝が書いてあった。
とてもこの先、こんな物が出来るとは思えないほど田舎なのだが・・・イオンよ、大丈夫か?
田舎でも観光地特有の地元の地主さんが土地を使って民間駐車場をやっているのを見かけるが、
「ここ入れー、ここ入れー」をされると観光地に立ち寄りたくなくなる。
以前、地主さん同士がけんかしてた。
「聞いてくださいよ!あの人、酷いんですよ!」っておばあさんがとなりのお爺さんを指差して非難して、私に訴えて来た時はげんなりしつつも傾聴してしまった。大変だよね。うんうん。
もう、あの観光地には行かない。袋田の滝。
入場も無料が一番ね。高くても350円とかが望ましい。1000円なんて払えねー。
同じ千葉県の某ネズミの国なんていくらだ?
なっ!6400円!
4500円ぐらいの記憶で止まってる。通算多分片手で足りるほどしか行ってない。
小学校の遠足、中学校の遠足、高校の遠足・・・。何かの行事でしか行った事無い。
だから自分でチケット買った事無い。
なんて言うの、高校生カップルでディズニーランドに行くとか憧れたよね。
でもさ、私ジェットコースターが大の苦手。
なぜか女性の方がジェットコースター好きだよね。男の方が苦手な人多い。
あれなんでだろ。
遊園地が嫌い。
並ぶのが異常なほど嫌い。
とにかく待てない。
待ち時間120分って「分」にごまかされているけれど2時間だからね。2時間。
並ばないと買えないと言うならどんなに欲しくても買わない。
安売りで並ぶぐらいなら倍出しても並ばずに買える普通の値段の時に買う。
あー、脱線。
その無料の散策路。実際に行ってみたら驚いた。
まず広いの。かなり。
調べたら研究所あわせてその面積、30ヘクタール。
東京ドームは4.7ヘクタールだから約6つ分。
(ああ、東京ドームも二回ぐらいしか行った事無いな・・・。)
のんびり歩いていたら2時間かかった。
見る方が面白くてフィルムは一本のみ。
デジタルは持って行かなかったので借りて数枚。
ほんと、のどかだし、池もあってガチョウとか白鳥とかがプカプカ浮いてる。
秋の高い空に綺麗な草木と花々。
きちんと手入れされているけれど、自然を損なう事無く上手に運営している。
森の向こうにバイオハザードの研究機関みたいな建物があったのが気になったけれど。
DICの研究所らしい。森の隙間から建物が見えると何であんなにホラーに感じるんだろう。
こんな風にイングリッシュガーデンのような場所もあったり。
ジュウガツザクラという春にも咲くけれど秋にも咲く桜もあって見事に咲いていた。
ビオトープあってこれもしっかり管理されていて眺めるだけでも面白かった。
湿地のそばにはカエルや赤とんぼ、バッタがいたり。
唯一、不思議だったのは野良猫が一匹もいなかった事かな。
しかし、ここ、1000円ぐらい払ってもいいかも・・・。
いや、1000円寄付したくなるほど。
充分もと取れるぐらい綺麗。
5月頃はバラで一杯だったんだろうなぁ。秋バラが少し残っていた。
脇道には紫陽花が一杯だったので時期に来るとかなり凄そう。
桜並木もしっかりあったのでこれも綺麗だろうな。
四季折々楽しめて無料。すごい。
他県からバスに乗って来ている人たちもいた。
恐らく美術館とセットで見にきているのだろうけれど、分かるような気がする。
暗がりの廃校へ
食事してから夕方、たまたまネットで知った「志津北尋常小学校青菅分教場」へ。
ここすでに廃校になっていて、ネットの画像で見る限り古い木造の校舎みたい。
ただ市区町村の公式HPなどもなく全くどこにあるのかイメージできなかった。
分教場へ向かって行くと一度も通った事の無いような道に出て、そこからは集落にあるような田舎道。
ここ本当に千葉なの?と思うほど。
千葉の内陸部は明治の頃開墾された所も多いがそれよりも前からある集落と言う感じ。
いつも田舎に行ってのんびり撮っていて田んぼ風景とかには馴染みがあるけれど、
ここほど村の集落のような雰囲気の所は幼い頃父に連れて行かれた田舎のような感じ。
ナビに住所だけ打ち込んで向かったがあと50mとかになってもそれらしい物は無い。
「目的地に到着しました」とナビが報告すると同時に目の前にこの光景が広がった。
怖い。「オオオオォォォ」って、効果音付きそう。
現に突然、現れたので「オオッ」て声だしちゃった。
右側の建物は地域の集会所。
到着した頃はもうすでに陽が暮れ始めていて、
ISO400のフィルムで開放 f1.2でも1/60とかになってた。
廃墟とか廃校とかの写真を見てもあんまり興味を持てなかったが、
いざ自分がそこに行ってみると、なぜか興奮して完全に陽が落ちる30分弱で一気に一本撮った。
分教場は当たり前だけれど完全に閉められていてガラス越しに覗くと板張りの廊下が見える。
なんだか切ない。
ネットで見た教室の画像は割れた窓からカメラを差し込んで撮ったようだ。
今は地域の人たちの手によって直されたらしくどこも割れていなかった。
少しほっとした。
暗がりにひっそりたたずんでいる廃校を見て、「もったいないな」と思った。
ここを町おこしの起点に出来ないのかなって。
入場料をとって見学する場所にするだけでなく、よくあるカフェみたいなのを開いても良いんじゃないかなって。
あとは撮影の場所として提供するとか。
これだけ田舎ならひっそりと静かな時間を過ごせる。
コーヒー一杯を5~600円とかとってもいい。
少し割高にして維持費に回してもお客は来ると思う。
校庭を駐車場にも出来るし、どうだろうなぁって。
周囲はアクアラインとか全く関係ないし、近くに高速も走ってない、電車の駅も車で30分はかかりそう。
千葉県内は色々と車で走ったが初めて来たほど田舎。
そこに魅力がある。
全然、イメージできないほどの田舎。
いつも田舎に行って思うのは「恐らくこの市、町はもう20年も保たないかもしれない」と言う事。
陽が完全に落ちあたりが暗闇に包まれてくると日中の強い日差しによって薄ら汗ばんでいた体に冷たい風が当たるようになった。
斜陽。
そんな事を考えながら真っ暗闇の田舎道を通って帰途へついた。
時計を見るとまだ17:30だった。
陽が落ちるのが早くなった。
クジラが元気をくれるまち―千葉県銚子市発「まちおこし」のヒント
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まちおこし。
これでいいと思う。というかこれ以上は無理。
掟。