フルセット。ここに至るまで大変だった・・・
ペンタックスのタクマーレンズは聞いたことがあるだろうけれど、多くはSuper TakumarかS.M.C(=Super.Multi.Coating)Takumarではないだろうか。
今回のレンズはSuper Takumarの前のAuto Takumarと言うレンズだ。
私もこのレンズを知るまではAuto Takumarと言うレンズがあるとは知らなかった。
このレンズで撮った写真を見て以来、ずっとこのレンズを探していたが、本数が少ないのかなかなか見つからず。
見つかったとしても3.5~5万とかタクマーレンズにはありえない値段がついていたが、いつも通りフラフラお店をのぞいていたら委託品で綺麗目なのが安く出ていたのを目ざとく発見し、早速レンズをのぞいたら、まぁ!綺麗〜。
しかしヘリコイドはかなり硬い。これはグリース交換で生き返るなと判断し持ち帰った。
その後グリース交換をお願いして戻ってきたので撮影もしてきた。今回はそのレンズについて。
レンズ径が49mm径じゃない
このデカさ。ねじ込みはあるが前玉がかなり出ているのでケラれてしまった。
ペンタックスのレンズといえばレンズ径は49mmだけれど、このレンズは測ってみると67mm。早速67mmのフィルターを買って装着してみたら見事にケラれた。
思惑としては汎用フィルターをそこにねじ込もうと思っていたのだ。
しかしそれもできないとわかった。果たして。
専用フードと専用フィルター
調べるとフィルターは専用のかぶせフィルターがあるらしい。
そしてフードも専用らしい。専用怖い。早速探し始めたらフードだけは見つかった。
これ。
"PENTAX ASAHI OPT Co.JAPAN 75mmフード"としか書いてなかったがみた瞬間ピンときた。
専用ですか?と尋ねるも"おそらく・・・"と。
しかしこれを逃したらもう出会えない。「一期一会」と言う言い訳のもと、一旦持ち帰ってみて被せてみたが全くもってでかい。スポッと抜けてしまう。
やはりこれはフィルターも必要なのか。調べると専用のかぶせフィルターがあるようだ。
あった。海外にあった。"PENTAX 65mm UV Filter Screw"とだけ。画像なし。
はーい質問!これはオートタクマー35mm f2.3専用のフィルターですか?と尋ねるとそうだ。と返事が来たので即買って届いたのをつけてみた。
ばっちり。こう被せて。
で、こうなった。
もしかするとレンズよりフード、フィルターセットの方が貴重かも。今も疑問なのはフィルターの下にあるネジ込みの山。
これは・・・何に使うんだろうか。
よく知っているペンタックスの49mmフィルターとフードとかニコンの52mmって偉大だなぁ〜って思う。
使いづらさ満点
このレンズは「半自動絞り」で、今の「自動絞り」の一つ前。
絞り開放にするために銀色のレバーでこれを押し込むと例えばf8に絞っていたのがf2.3の開放状態になる。
もちろんシャッターを切ればお尻のピンが押されて絞り込まれる。
この一連の動作はこの後のスーパータクマーから搭載されるのだが、このオートタクマーシリーズは絞ると、そのままの状態でファインダーを覗くことになるのでこのピント合わせように開放にできるような仕組みを取り入れていると思われる。
私のM42ボディである、PENTAX SPに使うとこれまた不便で。
一度絞りを操作して測光のスイッチを入れて測光する。
スイッチを切って、そのあとにレバーを押し込む。すると開放になるのでピントが合わせやすくなると言う仕掛け。
いつも開放なら問題ないけれど、絞る時は注意ね。
PENTAX SPで使う、順番としては、
1、まずシャッタースピードを決めるか絞りを決める。これは作意によって変わる。
2、その後露出計スイッチを入れる。暗いファインダ内で露出を決める。
3、露出計のスイッチを切る。
4、暗いファインダーではピントが合わせられないのでレバーを使って開放にする。
5、ピントを合わせる。
6、シャッターを切る。
※3の露出計のスイッチを切らないとレバーは動くだけで開放で固定されないので注意。
ま、こんなこと書いてもわからないと思うので実際に買うことね。このレンズとSPをセットで。
あとデジタルミラーレスのα7などだったらこんなめんどくさいことは必要ない。絞りを操作して撮るだけ。当たり前だけれど。
デジイチだとどうなんだろう。家にあるME Superで確かめたところ、この銀色の開放レバーは一度触ると戻らないようだ。ずっと開放になってしまう。
なので、戻すためには一旦レンズを外してピンを押して戻さないといけない。
普段は触らずに絞って撮るほかないのかも・・・。めんどくせー。
カメラの八百富| PENTAX AUTO TAKUMAR 35mm F2.3 オートタクマー ペンタックス - 中古カメラご一行様(by八百富写真機店)
こちらでist DLで試写されている。
元々はPENTAX K(1958年)の対応レンズだったらしいのでそれ相応の機能になっているということだ。
それに合わせた使い方をすればいいだけで何も面倒だから嫌なレンズというレッテルを貼ることはない。
古いレンズはこっちが合わせればいいだけのことだ。使えないことはない。
むしろその描写が気に入って使うのだから好みは不便を超えると思う。
その写りは?
その通りに写りは好みだったので満点!次回は現像したネガをスキャンしたものをアップ。
開放で一枚。予想通り超好みの写り。
M42スクリューマウントレンズをKマウントカメラに付けるにはこれが必須。
前は1000円だったのに・・・今や5000円。
精度を考えると純正で新品の方がオススメかなと。
基本的にマウントアダプターは安かろう悪かろうかなと言うのが私の考え。
あと中古は経年劣化の金属磨耗によるピントへ影響を与える可能性が捨てきれない。
レンズは経年劣化も味かもしれないけれど、ピンボケは撮影意図がない限り残念すぎる。
一個あれば事足りるのでここはお金をかけたいところ。
レンズやカメラにはお金かけるのもいいけれど、こう言う撮影に一番大事なところにまずお金をかけるほうがいいと。フードなどもしかり。
私も最近、案外基本的なところにお金をかけていないことに気づいた。
ここで痛感した。
昔、M42星雲なんて言っていたけれど、今も言うのかな?
2008年か。このころから"オールドレンズ"って言われてきたのかな。
単に古いレンズって言っていたような気がするけれど。面白いよね、古いレンズ。
このレンズで撮った記事。